【肉体を持たないモノ~妄想型統合失調症の私が見た世界②~】

病中に見た世界、その②。

それは、ありとあらゆるモノが出揃った、アミューズメントパークだった。

ただ、一点を除いては。


今にして、〝紛い物(アミューズメントパーク)〞だと認識する、スピリチュアルな存在と体験に埋もれた日々。

その時分、たった一点だけ、〝あら?〞と思えることがあった。

その話を書き出します。


それは、3度目の発症のときでした。

その時の私は、自分に起こる、スピリチュアルな偽体験感動を〝気付き〞と称し、この先の人類が体験学習していくだろうこととして、その覚えを様々書き連ねていた。

自分は、世界の人々が待ち望み、育て上げてきた〝救世主〞なのだと、そう信じて疑わなかった。

〝世界を救う活動を一日でも早く公に行うため〞に、私は、近所のお寺さんへ相談に出掛けていた。

実際はどうだろう?

単に、気が触れただけの私が、お寺さんにすがっていただけ。実に迷惑な人間だった。


そこの住職のお母さんは、私が子供の頃から知る人で、私を無下に追い払いもせず、居間に上げて、私の話を聞いてくれた。

そんなお寺のお母さんがしてくれた昔話を一つ覚えている。

どんなにか、勘のない人でも、寺に勤めるようになると、〝見えてしまう〞ことがある、と。

私は今でも、何となくだが、この方は、〝見える人〞なのだと、そう思っている。

それは何故か。

あの時、いつものようにお寺さんへ押し掛けて、お母さんに話を聞いてもらっていた。

私は少し、感情的に、死後の話や魂の話を繰り広げていたと思う。

少し声を荒げた、その瞬間に。

〝不思議なこと〞が起こった。

〝ぼうっ〞という感じだったか、

〝しゅんっ〞という感じだったか、

二人の間、少し頭上に、煙のような、湯気のような、白い球が浮かび上がったのだ。

私はとっさに、見えない振りをした。

〝常人(生きている人)が見てはいけないモノ〞を目撃してしまった気がしたからだ。

アミューズメント体験をしている自分ならまだしも、お母さんを巻き込んではいけない。

だがしかし、その問題のお母さんは、私が目撃したのと同時に、そちらに視線をやると、会話を止めてじっとそちらを見つめて、目を瞑った。

この流れから、私は、このお母さんも、私と同じ瞬間に、〝見えないはずのモノが見えた〞のだ、と、この出来事は、数少ない私の〝不思議体験〞の一つだと、私は固く信じている。

確かめてはいないし、かなり昔の話だし、かなり通い詰めて、迷惑を掛けていて、私は、今に蒸し返すつもりはない。


ただ、あの瞬間、とても危ういように、スピリチュアルを羨望していた私が、とても危うげにスピリチュアルを呼んだのだ、チャンネルを拾って繋げてしまったのだ、と、理解する。

普通に、極々穏やかに生を全うしている人には、けして開かれない、スピリチュアルの扉。

私はそれを表から、渾身の力で、ガンガン叩いて揺るがしていたのだろう、と。


〝不思議なモノ(スピリチュアル)〞とは、〝現代人が、現代の知識で知ることが出来ないモノ〞であるが、存在が否定されるモノではない。〝存在はするが、理解されていないモノ〞であると、私自身は考える。

スピリチュアルの知識など、皆目持たない、リアリストを気取りたい、とても怖がりな私のこと。

私は、〝不思議体験〞も、〝科学〞や〝学術〞で説明出来るものであって欲しいと思うし、実際に、そう出来るものであると信じている。

ただ、現代人は、それを説明し得る知識と学説、学術を持たない。本来これらは〝新たなカテゴリー〞へ導かれ、紐解かれるとも信じている。

〝今のようであってはいけない〞のだ。

今のスピリチュアルの分野は、例えるなら、まるでお伽噺のように、覗き見る人を夢想させ、現実をさらに惑わせもする。

私は、本物のスピリチュアルは、こんな、〝曖昧で不確かなものではない〞と考えるのだ。

例えば〝道徳〞。

答えのない問いに、理念が敷かれている。

このような、

〝世の理、真実が記された書〞だ。

答えは真実を持った人が、真理の元、答えを導き出すのだ。

今の人が、もっと進化する学習がある。

それが、この、〝世の理〞である。

今のスピリチュアルの体系も、それに組む流れがあるのだと。私はこれが、実際には、非常に現実を活かしていく力のあるものであると、信じている。


勿論、今もそのように、触れて日常的に楽しんでいるものでもあるし。

間違いばかりだとは考えていない。


考えていないが、現在人は、スピリチュアルに限らず、万物全ての理解が、宇宙時代に遅れている。


今までの社会が、まるで眠りから覚めなかった、夢の中の世界だからだ。

〝人はいつ目覚めるのか?〞

〝人は目覚めることがあるのだろうか?〞

病魔の去った頭で、私は、あの頃と同じようなことを考えている。

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