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体脂肪が身体に及ぼす悪影響~筋肥大への弊害~

 今回は体脂肪が私たちの身体にどのような悪影響を与えているのか、それはどのように起こっているのか…

 そして生活習慣病にどのように繋がっているのか、私自身トレーニングが好きなため筋肉に対する悪影響についても詳しく見ていきましょう!

※前回の糖質と筋トレに関する記事と併せて読んでいただくと更に内容が分かりやすくなります。

1.体脂肪の役割・作用

 まず体脂肪は主に皮下脂肪と内臓脂肪があります。このうち内臓脂肪が特に生活習慣病などの原因となりますが、それが何故かは少し詳しく後ほど記事にする予定なのでお楽しみに(笑)

 体脂肪といえば私たちの身体においてエネルギーを蓄えているものと言うのがイメージとして強いと思います。しかし、それだけではありません。体脂肪から分泌されるホルモンによって様々な影響を及ぼします。

 それは本来、ヒトが生きていく上で必要な作用ですが現代において肥満や生活習慣病が問題となっています。体脂肪が増えすぎた人においてはその作用が暴走している状態です。

 その体脂肪から分泌されるホルモン、生理的作用のことをアディポサイトカインと言います。ちなみにアディポは脂肪、サイトカインは生理活性物質をさします。

 このアディポサイトカインには善玉と悪玉があると言われています。善玉は生活習慣病を防いでくれたり肥満を抑制してくれます。悪玉は糖尿病や高血圧などの原因となります。善玉と悪玉の両者の関係についても後に触れます。

 個人的にはコレステロールにおいてもそうですが悪玉というあからさまに悪いやつみたいな表現は好きではありません(笑)先程も書いたようにに肥満が問題になっているので「悪」かもしれませんが元々は生きていくために進化してきた身体の機能ですからね…まぁそれはどうでもいいです(笑)善玉と悪玉、それぞれ見ていきましょう!

2.善玉のアディポサイトカインについて

 もちろん体脂肪は多い・少ないはあるものの、ヒトには必ず存在しているものです。

 善玉というものにはアディポネクチンやレプチンという物質があります。

 アディポネクチンは脂肪酸の利用促進、インスリン感受性を高め、動脈硬化を抑制したりするなど病気から守ってくれる働きをしています。インスリン感受性が高まるということは糖尿病を予防してくれるということです。

 しかし、このアディポネクチンは内臓脂肪量に逆相関すると言われています。つまり、体脂肪が増えれば増えるほどアディポネクチンの分泌は少なくなり動脈硬化や糖尿病から守れなくなるのです。

 続いてレプチンというホルモンはヒトが太り過ぎないように、そして肥満にならないように働いてくれます。痩せホルモンとして知られていますね。

 レプチンの作用は食後にインスリンが分泌された後、摂食行動を抑える作用があります。そしてエネルギーの消費を促進する働きもあるため肥満にならないように働いてくれます。

 レプチンは体脂肪が多いほど血中のレプチンの濃度は高くなりますが、体脂肪が付きすぎるとレプチンが中々効かない状態になります。それをレプチン抵抗性と言います。そのため肥満となった人は食欲が暴走し、歯止めが効かなくなります。

3.悪玉のアディポサイトカインについて

 悪玉にはインスリン抵抗性をもたらすTNF-α(腫瘍壊死因子)やレジスチンがあります。そして高血圧の原因となるアンジオテンシノーゲンや血栓の原因となるPAI-1(プラスミノーゲン活性化抑制因子-1)などがあります。

 頭がこんがらがりそうな名前が沢山出てきましたね(笑)それぞれの名前は覚える必要は無いのでそれぞれがどのような働きをしているか見ていきましょう🙂

 まずインスリン抵抗性をもたらすTNF-α(腫瘍壊死因子)についてです。TNF-αは免疫に関する細胞や脂肪細胞からも分泌されます。そしてインスリンの血糖を取り込む作用において重要な役割を担うGLUT4という物質の発現を抑制してしまいます。それはインスリン抵抗性というものをもたらし、糖尿病の原因になります。

 レジスチンもインスリン抵抗性、糖尿病の原因となりますが、脂肪細胞自体から分泌されるのではないといわれることもあるのでアディポサイトカインと言っていいのかは分かりませんが、結果的に体脂肪により糖尿病の原因となります。

 ついでに糖質やインスリンについて過去にも書いたのでそちらも是非見ていただきたいです👇

https://note.com/tomuyann/n/n3eff9b109c8d

 次に高血圧の原因となるアンジオテンシノーゲンという物質についてです。血圧を上昇させるものとしてRAA系(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン)というものがあり、低血圧とならないように働いてくれます。

 アンジオテンシノーゲンというのは血圧を上げるために働くRAA系の途中にアンジオテンシンとものがありますが、アンジオテンシノーゲンが増えるとアンジオテンシンも増えてしまいます。

 例えばナトリウムや水が体内に少なくなると血圧が下がるのですが、その時に血圧を下げないようにしてくれます。現代においてはナトリウムや水が不足することは少ないかもしれませんが…

 つまり脂肪が多いことによって血圧を上げる物質をたくさん作ってしまいます。そして高血圧の原因となります。元々、低血圧を防ぐためにある機能が行き過ぎた状態です。

 そして最後に動脈硬化や血栓の原因となるPAI-1(プラスミノーゲン活性化抑制因子)についてです。名前が長くてこんがらがりそうですね(笑)

 私たちの身体には血液を凝固、つまり血を固めることに関与するフィブリンというものがあります。そして反対に固まったものを分解に関与するプラスミンという物質があります。プラスミンが活性化する前の状態がプラスミノーゲンです。PAI-1は名前にもある通りプラスミノーゲンの活性化を抑制してしまいます。

 その結果固まったものを分解する機能が低下し、血栓の原因となります。

 このように私たちが自然界で生き抜くための機能が「肥満」という身体の異常な状態により、様々な疾患の原因となってしまっています。

4.体脂肪と筋トレ

 体脂肪が多すぎることによって筋肥大を妨げる可能性があります。先程でてきたTNF-αやレジスチンは体脂肪が増加するほど分泌量は増え、インスリン抵抗性をもたらします。

 筋肥大において重要な役割を担うインスリンが効きにくい状態となります。増量中でも、体脂肪をつけすぎるとせっかく摂取した栄養を筋肉の成長に上手く利用出来なくなる可能性が高いです。そうなってしまっては筋肥大の効率は悪くなります。

 そのため、増量している時でも太り過ぎたと感じた場合2週間から1ヶ月程度のちょっとした減量を挟むといいかもしれません。そうすることでインスリン感受性を高めることができ、結果的に筋肥大につながるかもしれません。

 2度目になりますが、インスリンについては過去のノートである程度詳しく説明していますので、そちらを見て頂きたいです🙂

 具体的に体脂肪率何%まで行くとダメかはハッキリというのは難しいですが、体脂肪をつけすぎるのは逆効果である可能性が高い、ということを頭に入れておきたいですね。(そもそも体脂肪率を正確に求めることが困難ですが…)

5.最後に

 なぜ肥満が良くないのか、食べ過ぎが良くないのか、それにはちゃんとした理由があります。そして筋肉をつける上でも障害となる可能性が高いです。

 肥満が良くないと言われてる理由を少しでもわかっていただければ嬉しいです。この記事を読んで、肥満に近づいている方や既に肥満の方が食事や運動の習慣をみなおすきっかけとなればと思います😁

 食べ過ぎや運動不足とならないような習慣を一緒に身につけて行きましょう!😄

 質問や意見がなどがありましたらコメントかSNSのメッセージにてよろしくお願いいたします!何か反応していただけると励みになります🤣

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