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私産後うつだったかもな。変化しゆく自己イメージに気づいた出来事。

先日子どもが一歳を迎えて、ようやく振り返れるメンタルになったと感慨深いし、ようやくnoteが書ける時間と体力が戻りつつあるのが嬉しい。

きちんと診断をされたわけではないので憶測にはなるけれども、一つの経験として記したいと思う。

前提を言えば私は医療者で、専門ではないけれど産後うつのことはもちろん知っていた。
産後の患者さんたちにもその知識を元に配慮して接したり、産後ケアの資料にまとめたりしたこともあった。
でもやっぱりそんなの関係ないのね…知識に納得できるようなメンタルではなかったからかな。


妊娠期からのメンタル不調…立ち止まるのってむずかしい

この程度は大丈夫と思っていた。
いわゆる産後の不調の大丈夫な範囲内だと思っていた。

2人目の産後、いや思い返せば妊娠中からメンタルの不調が顕著だった。
妊娠中はずっと焦燥感を感じていた。たしかにやらないといけないことも沢山あったけど、お腹の子のこと、仕事のこと、家のこと、上の子のことで気が休まることがなかった。

産後すぐのハイを超えてからはぼーっとすることが多くなった。
「なんか頭おかしくなりそう」と、度々夫に言っていた。
夫は冗談だと思ってか軽く受け流していたけれど、本当に今までの思考能力が失われていくような感覚で毎日を過ごしていた。

自分の能力が失われていくような感覚と焦りで、今思えばその積み重ねが自己イメージを少しずつ削るように変えていったように思う。

今思えばだけど…いよいよ産後うつ(たぶん)へ

生後8ヶ月ごろから後追いがひどくなってきて、育児のストレスが増してくると、日常的に涙が出てくるようになった。
「理由もないのに」というときもあったし、「ほんの些細な理由で」涙が溢れてくる事があった。
以前ならレベル1の悲しいことが、レベル10の悲しいことのように感じる。

いつも何となく疲れているし、物忘れもひどい。たこ焼きをやろうとしてるのにタコを買い忘れた日には情けなくて家族の前で泣き出すという惨状。
(今となれば笑い話だけれども)

そうなる頃には自分のことを、簡単なことも出来ない情けない人というイメージが覆っていたように思う。

そんな事が続いていって、今思えば自分の自分に対するイメージ(自己イメージと言うのだろうか)がどんどん悪い方へと更新され続けていっていたように思う。

思考能力がなくてぼーっとしている人で、簡単な買い物ひとつきちんとできなくて、簡単なことで落ち込んだり苛立ったりする人という自己イメージが膨らんでいった。

本当にダメになってしまった、いくら産後とはいえ不甲斐なさすぎる。これがこのまま続いていってきっと立て直すことは出来ないだろうという不安が募っていった。

自己イメージを取り戻すきっかけ

そんなある日、たまたま剣道の試合を見に行く機会があった。中学から大学まで自分自身も剣道をやっていて、2人目が産まれてから試合を見に行くのはその時が初めてだった。

懐かしい匂いや雰囲気。
そしてその時思った。
私ってそんなダメな人じゃなかったよな。
仲間たちと笑い合う自分や、辛い練習をひたすらやりこんでいく自分が一気に思い出された。
あれ、思ってるほど情けない人じゃないんだったなと、かつて自分自身に抱いていたイメージを少しずつ思い出していった。

そうした実感があって初めて、これはホルモンの変化とかで起こる一時的なもの…と言った今までに得ていた知識で自分を納得させられるようになった。

産後、変わりゆく自分をどうとらえていくか

産後の体型の変化に気が付く人は大勢いても、自分が自分をどう捉えているか(=自己イメージ)の変化に気づく人はどのくらいいるのだろうか。

時間的にも体力的にも余裕はないし、赤ちゃんのことが最優先、その次に家事仕事という毎日で、いつ自分に注意が向くだろうか。

産後うつの気配がしたら、周囲の人や医療機関に助けを求めてほしいのが第一だ。

加えて私が伝えたいのは、自分が自分に失望していないか、確かめてほしいということだ。
自己イメージはホルモンバランスの変化とほんの些細な出来事が相まって、知らず知らずのうちに少しずつ変化してくる。

もし悪い方に変化しているとしたら、大丈夫、と声を大にして言いたい。
今の自分は自分が思っているより悪くない。
妊娠出産を乗り越えてここまでわが子を生かしていることを思い出してほしいし、以前自分がどんな顔で笑っていたか、何が好きで面白かったか思い出してほしい。

何も思い出せなくても大丈夫、今は自分自身が作り変えられている途中だから。
さなぎになってぼーっとして止まっているように見えても、その内側では素晴らしい、劇的な変化が起こっている…と思うことにしている。
元には戻らないかもしれないけれど、新しい価値観、新しい自分がやってくる。

私もまだ片脚突っ込んでるなあ…と些細なことに涙目になりながら思うこともあるけれど、なんとかかんとかやっている。
本当、大変だよね、いろいろあるよね、と思うので一人の母親として同志の方たちにこれを通してエールを送りたい!と、思っている。
なんとかかんとかやっていきましょう、きっと霧が晴れたときには自分が好きな自分になれると信じて。

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