私の知らない歌を

もうすぐ三歳になる息子は最近良く歌を歌っている。

だんだん言葉も大人が使うものに近づいてきて、保育園での出来事も少し詳細に教えてくれるようになった。

昨日、息子と一緒にお風呂に入ると、おもちゃで遊びながら歌を歌い始めた。今までに私が聞いたことのない歌だった。

私が知らないことを息子が知っている。って不思議な感じがした。日中は別に生活しているわけだからそんなこといくらでもあるだろうけど、改めてそれを感じて、しみじみしてしまった。

きっと無意識のうちに、「親がいろいろな事を子どもに教えてあげる」という上下関係のようなものが自分の中にあったんだと思う。

教えてあげなければならないこともたくさんあるんだけど、きっともう私が知らないものをたくさん知っているのだろう。言葉にはできないだけで。

私が経験したことのないものも感じてもいるだろうし、私がもう思い出せないものも、息子は今感じたりしているのかもしれない。

もっと言葉が出てきたら色々聞いてみたい。一人の人間同士として、思いや考えや学んだことが共有できるように。

ちなみに、息子が歌う「あめふりくまのこ」という歌が好きだ。愛らしいくまの子がでてくるんだけど、子どもが歌うと余計に愛らしい。「うたって」とお願いすると照れてしまうことが多いので、ちゃんと聞けたときにはすごく嬉しい気分になるのだ…。