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Note創作記事訓練 五題噺4 オレオレ詐欺の罪

創作の訓練としてランダムで
引かれた5つの言葉を使用して
物語や架空日記を作ろうと思います。

今日のお題はこちら

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私は今世間を騒がしている
特殊詐欺グループのエース詐欺師だ。

主な仕事はオレオレ詐欺だが、
最近は水道点検詐欺をやっている。

水道点検詐欺とは水道局の職員を装い訪問し
水道菅が漏水していると嘘をつき
法外な料金を請求したり
水道メーターが壊れていると嘘をつき
法外な料金を請求する。
ようは人間のクズだ。

だが、クズな私でも詐欺をするときは
天使と悪魔が交互に耳元でささやく。
「こんな事止めなよ。皆の迷惑だよ。」
「皆は関係ない。俺さえ良ければいい。」
「父さんと母さんが悲しむよ。」
「もう顔すら忘れたよ。」
「バチが当たるよ」
「バチより金だろ」
「捕まるとニュースになるよ」
「捕まらないからニュースにならない」
「死んだら地獄に行くよ」
「今が地獄だから変わらないだろ」
「よし、やろう」
「だろ、やろう」
天使1匹と悪魔1匹がいつの間にか
悪魔2匹になる。いつもの事だ。

平日の昼間に1人暮らしの老人を狙う。
エース詐欺師の私にかかれば水道局の
職員の扮装や言動を完璧にまねるなど
簡単な事だ。
皆、疑う事を忘れてあれよ、あれよ、
と法外な料金を支払う。
1日3、4件も回れば 100万を越える収入だ。

今月も淡々と仕事をこなしかなり稼げたので
冬に長期間休む計画を立てた。
私は北海道の田舎で生まれ育った事もあり、
唯一の趣味はスノーボードである。

馴染みのショップでウィンタースポーツ関連
のセールをやっているのを思いだし寄ること
にした。

ショップまでは車で20分くらいだ。
信号待ちをしていると正面からトラックが
凄い勢いで近づいてくる。
減速する様子はない。まさかと思ったのも
束の間、トラックが私の車に突っ込んできた。

意識が遠き、なぜか小さい頃に父と母と私で
雪合戦した事を突然思いだした。
震える手でスマートフォン操作して実家に
電話をかける。

「もしもし田中です」
懐かしい母の声がきこえた。
私は声を振り絞り
「俺だよ。俺、久しぶり」
「俺?オレオレ詐欺ですか?切りますね。」
母はあっさり電気を切った。
素晴らしい警戒心だと思いつつ
私は意識を失った。

次、気づいた時には病院で寝ている私を
私は天井から見ていた。

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