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跳び箱指導は誰でもできる

20代の時の実践です。

昨年初めて6年生を担任した。学級にAさんがいた。体が小さく運動を苦手としていた。
体育の跳び箱の授業。Aさんは開脚とびができなかった。その他にも数名いた。彼らを「向山型跳び箱指導」で指導した。A式を数回やっただけで跳べるようになった子。何度も何度も繰り返して跳べるようになった子。次々と成功していった。Aさんも何度も挑戦した。次々と成功していく友達を横目に何度も何度も練習した。するとだんだん私の手にかかるAさんの体重が軽くなってきた。
 「もうすぐだ!いけるぞ!」
とうとう跳べた。その感覚を忘れないうちに何度か跳ばせた。すると今までがうそのように跳べるようになった。
6年生まで跳び箱が跳べなかったAさんが跳べるようになった。彼女はそんなに感情を表に出す子ではない。何事もなかったように練習していた。
しかし、翌日の日記にはその喜びをしたためてくれた。

小学校の体育の授業で必ず行う跳び箱。
できる子は1年生でも開脚跳びをすることができます。
しかし、高学年になっても跳び箱が跳べない子がいるのです。
「 跳び箱は誰でも跳ばせられる」という本で問題提起をしたのは、向山洋一先生です。

初版は1982年。約40年前です。多くの教師に読まれた本です。向山先生が提唱された指導法を行えば1時間の体育の授業で跳べなかった子を跳ばせられるようにできます。(1時間かかりません)
この本は多くの教師に読まれましたが、知らない教師もいるのが現状です。
今では、インターネット上でも指導法が公開されています。

このような優れた指導技術は、使う使わないのはその教師の判断ですが、常識として知っておくべきことです。
残念ながら、いくら優れた指導法でも教科書に掲載されていなければ、自ら学ばないと手に入れることができません。

6年生で跳び箱が跳べるようになった子とのその後のエピソードです。

3月。彼らの卒業と同時に、私は転任となった。卒業した学級の子どもたちに見送られた。子どもたちが花道を作ってくれ、そこを通る私に花束や手紙をくれた。
その中にAさんがいた。彼女は手紙を私にくれた。帰宅し子どもたちからもらった手紙を読んだ。Aさんの手紙だ。
私が1番うれしかったことはいっぱいあります。
まずは、百人一首です。
初めてやるのでよくわからないと思ったら色に分かれていてわかりやすいし、覚えやすかったです。強い人に勝てた時はうれしかったです。先生のおかげです。
次は跳び箱が跳べたことです。
先生の教えのおかげで5段まで跳べるようになりました。
最初は4段も跳べなかったのにと思うと5段も跳べるようになってうれしかったです。本当にありがとうございました。

久しぶりに見た文章でしたが、4月からのやる気を過去の自分からもらいました。

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