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教員視点で読む「東京改造計画」2

前回、オンライン授業推進について書いた。


今回は、「紙の教科書廃止」について。
まずは、堀江氏の文章から。

2018年9月に「置き勉」を認める通知を文部科学省がやっと出したがほとんど実施されていない。
「置き勉」を実現するためには、文部科学省が予算をつけ、子ども1人につき1台ずつ「電子教科書」としてのiPadやスマホを買い与えればいいだけだ。
小学生が使うカバンなんて、1万円以下の量産品で十分だ。6年経ったらゴミになってしまうのだし、布製のトートバックにiPadなどのタブレットを入れておけばいい。
堀江貴文 著「東京改造計画」より

タイトルは「紙の教科書廃止」と刺激的だが、非常にまっとうなご意見。大賛成である。これについては国も動きつつある。このコロナ禍で一気に進んでいる。

全国一斉の臨時休校を受けて、今年度中にできるだけ一人一台のPCが配置できるように進むようだ。しかし、本当に現場まで降りてくるのか非常に不安である。
十年以上前の話。
各学校に電子黒板が配置されるようになった。
その時、学年5クラス程度の大規模校に勤めていた。
6学年で約30クラス。
この規模の学校に配置された電子黒板は…

たったの1台。

一体どう使えと…
その電子黒板は、多目的室のような教室に置かれたが一体どれだけ使われたのだろう。
その時、私は私物で電子黒板(プロジェクターの映像を投影するタイプの安価なもの)を自教室で使っていたのでほぼ使わなかった。使おうと思ってもわざわざ子どもを引き連れてその教室まで移動する時間と手間が無駄である。
後に、「各階に1台」設置されたが、ほとんど使われていなかった。1台100万円近いと聞いたが、あの電子黒板はどうなったのだろう…

国は、一人一台パソコン、デジタル教科書の配備を今回はかなり推し進めているが、現場に降りてくるまでに「各自治体の教育委員会」という大きなハードルがある。いくら現場が希望しても、この教育委員会がGOを出さないと一向に進まない。

今年度から、新学習指導要領が本格実施となり教科書が改定されかなり厚くなった。6年生の教科書を見たが、ものすごく厚い。昔は国語、算数、理科、社会は「上下巻」となっていたが、以前の改定から年間1冊になる教科書が多くなった。さらに内容が増え、主要4教科を毎日持ってくるだけですごい重さだ。
デジタル教科書になるのが一番良いのだが、学校用と家庭用で2冊くれというのが本音だ。負担が多すぎる。

学校が「置き勉」を認めないのは、「家で勉強できなくなるから」というのが大きな理由だろう。だったら2冊提供すれば済む話。もしくは家用にダウンロードして各家庭でも閲覧できるようにすれば、学校に置きっぱなしでも全く問題ない。

私自身、紙の本はほとんど買わなくなった。
紙と電子書籍、両方出ていれば電子書籍で購入する。
非常に便利。
今年度中に、一人一台パソコンが実現するか楽しみである。

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