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【写真を綴る】#06 フィルム選び ④業務記録用100(その2)

今回は、以前のノートでも紹介したFUJIFILM「業務記録用100」。間違えて"24"枚撮りを10個セットで購入してしまい、一気に使い切ってみた。

自主制作のため、小学校の登下校路を散歩しながら撮影。時間帯は13時〜15時ごろ。天気は快晴、強風。計8本×24枚=192枚。しかしながら、うち2本は撮影完了後にフィルムの巻き取りをしないまま、裏蓋を開けてしまい、壮大に感光した、、、フィルム初心者のご愛嬌。

leica m6の機構だと、撮影途中の写真はこうなるらしい。フィルムの上側がカメラの底蓋に位置するため、写真の上側だけ波打ったように感光している。これはこれでエフェクトとして狙って使うことも可能かどうか(負け惜しみ)。さて、以下、同じ場所、同じ時間帯で撮影したので、同じような色味と景色が続いているので、ご容赦を。

2019/2/13時点、Amazonで300円/24枚程度。他のいわゆるよく写るフィルムに比べれば、かなり安い。それでも安定していい写りをする。

彩度はそこまで高くはない。青は緑がやや強く、赤はストレートな赤。黄色、茶系がしっかりと乗っている気がする。冬の枯草の雰囲気が(私のイメージ)そのまま出ている。

コントラストも十分。高いとは言えないが、露出「ハイキーで撮ってもこの通り。ローキーでとれば冒頭写真のようにコントラストは出せる。FUJIFILMだからか、写ルンですとも近い色合いか。ISO100だからノイズは少ない。霞感やフィルタがかかったような感じはない。暗部もしっかり。

(価格が安いだけで、なんだか評価が甘くなる気もする、笑。個人的に好きな写りというバイアスもあるし、それを込みで写真をみてどうぞ。)

記録用、と名されているだけに、記録用に使わなければ!と思いがちだが、実際より(脳内イメージ補正も含めて)、「薄い」イメージだと感じた。彩度も、明瞭度も、コントラストもやや低いのだろうか?部分部分をそんな感じもしないのだが、、、

私の目を通した記憶の景色はもう少し「濃い」ような気もする。その記憶は、小学校6年間通い続けた登下校路だからなのかもしれないし、そうでないかもしれない。逆に、記憶=写真となるように忠実な再現を目指す使い方ではなく、あえて記憶を記憶として表現するため、このフィルムで「淡い記憶補正」を使うのはありではないか。そして、記憶のノイズとして「巻き取らずに感光させる」とか。(負け惜しみ)

さて、まとめ。

・コントラストはそこまで強くない。
・色味、彩度は極端ではない。
・やや緑が強い(個人的に好きな空の色がでる)。
・ノイズや霞感はうるさくない。
・つまり、さっぱりしている。

感じを受けたので、

・風景、ストリートスナップをさらっと。
・空や水を入れる。
・記憶を記憶として表現する。

こんな使い方がいいかもしれない。

・・・

一般的に、思い出(記憶)を記録するために写真を撮影することが多いと思う。そのことを考えると、記憶を写真で表現するとしたら、どのように撮影すればいいのだろう?という問いが浮かぶ。

記憶と記録。人間の脳と、写真というモノ。何が事実で、何が虚構か。多くの人たちが問い続け、これからもより多くの人たちが問い続けていくだろう答えのない問い。さて、どう向き合おうか。そんなことを考えさせてくれる「業務記録用」フィルム。

あまり過度な期待をしてもしょうがないので、日々撮り続けていくのだろうな、と思う。

photo : tomohiro sato



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