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「選手(部下)に考えさせる」マジックワードの落とし穴とは?

最近、スポーツ界(ビジネス界も同様)で「選手(部下)に自ら考えさせる」というマジックワードをよく目にしますが、もちろん必須要件であり、私もその機会、環境を日常的に選手に提供しています。

しかし、マジックワードと表現した通り、言葉だけがひとり歩きしている感は否めず、パフォーマンスになっているだけの現場をよく目にします。

それでは、身近に見聞きした実例等を紹介しながら考えていきましょう!

①小学生を対象にしたとある学習塾でのケース

そちらの塾では、指導方針として「教えない(つまり、自ら考えさせる)」ことを掲げているみたいですが、全く問題が解けない(本質を理解していない)生徒に「自分で考えさせる」ためと約2時間、手を差し伸べないケースがあるようです。

これは教育、指導ではなくただの放置と思えます。
子供に対して「自ら考えさせる」機会を与えるのは必要枠であり、先述の通り、私も日常の現場で与えている。ただし、その子の特性、能力、状況等を見極めて、然るべき対応をしないと子供は学べず、もちろん成長に繋がりません。

②他競技での指導者と選手のミーティングの現場

指導者「今のシーンについて、お前達はどう考える?」
選手「〜だと考えてます。」
指導者「それは違うだろ?次、お前は?」
選手「〜だと思います。」
指導者「違う、何も考えていないのか?次、お前は?」
選手「、、、」


この一連のやりとり、指導者は質問に対する自分の考えを発信させる機会を作っていると思いますが、指導者の頭にある回答を当てさせるクイズになっていませんか?

つまり、指導者は「選手に考えさせている」ようで(錯覚)、指導者の頭の中にある答えを探させているだけかもしれません。そして選手も指導者の頭の中にある「答えを探す」のが目的になっているかもしれませんね。

更に上記の様な乱暴な対応では、選手に「心理的安全性」がなくなり、結局、誰も回答しなくなります。
選手が解答した後(特に想定外の回答時)の指導者の言動(フォロー)も大切になってきますね!


③よくある相談(指導者の悩み)

選手に「自ら考えさせる」ために、自分の考えをまとめて、アウトプット(発言.発信)させたいが、選手がなかなかできない。どうすればいいのか?

出来ないにはできない理由があります。
日本の指導現場における代表的な理由として、

先ず、「選手が容易にアウトプットできる環境ではない!」つまり、指導者が原因によるその空間に「心理的安全性」がないということ。

次に、指導者からのお題提示や質問が分かり辛く、何を聞かれているのか、何を答えたらいいのか、理解できていない。つまり、指導者と選手間に同じイメージが描けていないということ。

最後に、指導者が急にアウトプットを求めても、日常的にそれらができる環境や機会がない限り、指導者が急にそれを求めても、選手が急にアウトプット(大人が求めている基準)が出来るわけでなく、指導者が勝手にイライラしている。

以上のように、様々な状況に応じた様々な問題があるわけですが、それぞれの原因に対する指導者側の処置(対策•改善)と環境構築(仕掛け作り)が必要だと思います。

「選手(部下)に考えさせて、行動(発信)させたい」を求めるなら、それに準じた指導環境、発信環境、発信機会等を構築し、指導者側のアプローチや仕掛けもそれらに順応したものにしていかないといけません。

つまり、「求めていること」と「日常の指導(環境、機会)」がリンクしているのか否かを検証し、見直し、日々振り返りして改善等していくことが我々指導者に求められますね。


最後に、「選手(部下)に自ら考えさせる」をマジックワードと表現しましたが、これだけではよくないんです。これだけを求める育成(指導、教育)では危険を伴います。

つまり私が提唱し育成する 主体的に行動する「自考動型人材 」は自ら考えて動く(判断する)だけではありません。これらに加えて、養わないといけない大切なものがあるんです。

これが漏れてしまっている指導現場が多いんです。

またの機会に共有しましょう!


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