泉岳寺から抜け道へ
東京都港区高輪にある、赤穂四十七義士の墓所でもある泉岳寺。
この泉岳寺の山門右手に路地があり、そこを進むと高輪中学校・高等学校がある。
その高輪中高の入口を前に立ち、向かって左手を見ると、こんな光景が広がっている。
人1人が歩くには余裕があるけれど、人が2人並ぶには少々キツい、それぐらいの道幅。
左には泉岳寺の石塀、右には高輪中高のフェンス。
そして、頭上には青々と茂る樹々。足下には美しく敷き詰められた石、誘うような木漏れ日。
僕もこういう道は大好きだけれど、一緒に行った友人は輪をかけてこういう道が大好きで、2人揃って「行ってみよう」。吸い寄せられるように道に入って行く。
突然現れた異空間を味わいながら、石塀とフェンスの間を歩く。
石塀が途中からコンクリートの擁壁へと変わり「ナニかの裏側」へ侵入している気分になる。地図を見たら、コンクリートの擁壁とフェンスの間は、高輪中高の敷地の間の路地だった。
更に進み、フェンスが途切れた所で曲がり角。
突然、住宅地となる。
何とも味わいのある光景。道、家、緑のバランスが心地好い。
建ち並ぶ家々から漂う昭和の香り。
いたずら禁止と注意札が下げられたポンプ式の井戸もあった。
向こうの方から可愛らしい、賑やかな声が聞こえて来る。
小さな男の子が2人、自転車に乗って降りて来た。更にもう1人、とてとて歩く男の子。
顔には一杯のグレーの線。
「あれまぁ……(笑)」
なんて友人と笑っていたら、後から来たお母さんが
「やってくれました。顔いっぱいに。油性ペンなんですよ。お腹にもいっぱいやってくれちゃって。」
なんて苦笑しながら教えてくれた。
道は緩やかな上り坂になり、少し幅が広がり、階段となる。
そして、階段を上り切ると、車道に出る。
距離は長くないけれど、また通りたくなる、狭い路地。
泉岳寺へお越しの際は、ちょっとした味わいを求めて路地へ入り込んでみるのもオススメである。
さて、車道に出たは良いけれど。
「ここは……どこだ?」
近くにあった地図を見て「ウズベキスタン大使館」「スリランカ大使館」の文字に心を惹かれ、また、ふらふらと歩き出す。
道なりに歩いて行くと、伊皿子貝塚(いさらごかいづか)の断面や、縄文時代の住居跡・模型がある三田台公園(みただいこうえん)なんて公園も。
友人との散歩は慶應義塾大学、田町から海へ、海から増上寺へ、そして、増上寺から東京タワー、東京タワーから愛宕神社へ。
「愛宕神社は出世の階段」の記事に行くのであった。
行った日:2016年6月26日
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