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Dear

なにか書こう、なにかを表現しよう。
できるのなら、美しい言葉を書きたい。
不特定の誰かがこの文を読んでる姿を、つい妄想する。

ペン、止まる。なにを書けばいいのかわからなくなる。

この感覚、知っている、覚えがある。
妄想先の相手が読んでいる目が、私の意識の中に介入してくる。

わたしが統合失調症の症状が酷かった頃のこと。
自分の考えてることが相手に筒抜けという妄想から、
相手の仕草や反応、目が、気になって、
想像の自由を奪われた瞬間だ。

イヤだなと思うことと同時に相手に謝罪する。
反射的に「イヤだ」を自分が思わないように、伝わってしまう前に、
全身全霊で脳の中から、不純物をかき消す作業を繰り返す。

ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

人と交わる度に、心で土下座する。
悪く思ってないです。そんなことないです。

もしかしたら、あの時のわたしは
誰かに表現したかったのかもしれない。
日々の話を聞いて欲しかったのかもしれない、
寂しかったから、
塞ぎ込んでいるようで、誰かに飢えていたから。

ペンが止まっている時のように、誰かを意識してたに違いない。
美しい言葉を書きたかったかのように、
わたしは美しい心として、誰かに知られたかったのかもしれない。

改めると、頭のおしゃべりが止まるように、
今日もわたしはペンを片手に、なにが書きたかったか、一生懸命、
想像の仕方を思い出している。

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