DAY 23 『悪魔のいけにえ』『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』/亡くなった監督の映画

DAY 23 "a film made by a directer that is dead."

亡くなられている監督、に思い当たる節がなくざっと調べていますと

トビー・フーパーとジョージ・A・ロメロ、
60's〜80'sの洋ホラー映画黄金期を代表する監督が

奇しくも2017年に2人とも逝去しており衝撃を受けたので、
今回は特別に2作セレクトしました

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
/「〜オブ・ザ・デッド」を映画界に君臨させた作品

何度か言及しておりますが、
洋ホラー映画に傾倒していた時期

ゾンビ映画を漁っていくうちに行き着いたのが、
ジョージ・A・ロメロの作品でした

それまでも「オブ・ザ・デッド」のつく作品を(監督作品ではないものも含めて)観てきたのですが、
その流れを創った人物、作品があることを知った時は驚きと、

歴史上の人物を知った時のような、
知識を得た時の興奮に似たような感情に見舞われました

作品は白黒でしたが今観ても十分に怖くグロテスクで、
でも確かに、今日まで創られているゾンビ映画のテンプレートを示しており

それまでに観ていたゾンビ映画たちが、今作に如実に影響を受けていることを実感しました

ロメロ監督はそれ以降も自身で「〜オブ・ザ・デッド」作品を創り続け、

その度に新しい要素も取り入れつつ、
(例えば『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』では『ブレア・ウィッチ〜』で話題になったPOV視点が採用されていたり)
その時代に沿った魅力を持ったゾンビ映画を創り続けており

自身の『ナイト・オブ〜』だけで慢心せず、
自身の創ったジャンルを突き詰めて創作していくスタイルを尊敬していました

もう新しい作品が観られないのはとても哀しいです

『悪魔のいけにえ』
/少ないゴア描写と未発達の特殊効果で感じる恐怖

こちらの作品も上述と同じくで、
スプラッタ映画の歴史を遡って鑑賞していくうちに出会いました

それまで近代のスプラッタを観てきたジャンルへの印象は

・血糊めっちゃでる
・内臓も出る
・腕とか首とか色々飛ぶ
・音ばーん!でびっくりさせてくる

という感じで、これらの要素で怖がらせてくるものだと思っていたのですが

本作品が創られたのは1974年、
特殊効果も今のように発達していません

映像もざらついていて、まさに古い映画のそれ
音楽も極端に少なく、ゴア描写も当時の規制の関係か極端に少ない

なのに、
めちゃめちゃ怖い

本当に驚きました、
今まで観てきたスプラッタ映画がコメディになってしまうくらい

言いすぎかもしれませんが、
それくらい今日の作品たちとは「恐怖の質」が違いすぎました

あくまで淡々と、
日常の一部のような描写で残虐行為が描かれていて

まるでドキュメンタリーのような、その描写がとても恐ろしく

思えば現代の作品は、
もしかすると「見えすぎている」「リアルすぎている」
もっと言うと「演出を盛りすぎている」のかもしれません

(余談。ちなみに私は過剰描写で逆に安っぽく見えてしまっているスプラッタ映画も、好きです
あれはあれでもはやファンタジーとして観れるので、『マーダー・ライド・ショー』とか)

それまでジャンルに対して感じていた、良い意味での「安さ」を正された作品

ホラー界の巨匠たち

また、『悪魔のいけにえ』のレザーフェイス登場は

のちのジェイソン、フレディ、マイケル・マイヤー、ピンヘッドといった
ホラー映画のスター・キャラクターの先駆けとなったと拝察しています

こうして書くとこの2人がホラー映画の歴史に与えた影響の大きさを、
改めて感じることができます

またその中で、名作と歌われる新しい作品も続々と制作されており
それが先達に影響も与えていることでしょう

時を遡って影響を与え合う、素晴らしいジャンルだなとつくづく思いました

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