ノクターナル・アニマルズ/有名デザイナーの傑作サスペンス
不勉強ゆえトム・フォードが監督業も営んでいることを、今作で初めて知り非常に驚きました
登場人物の内面描写が見事で、ぐっと前のめりにさせられてしまう魅力
また目を覆いたくなる暴力的なシーンはあるものの、不思議と下品さは感じられませんでした
どこをとってもそつがなく、もといそれ以上で監督の手腕の一言に尽きます
デザイナーで名を馳せながらこんな名作も撮れるなんて、すごいぞトム・フォード
作中の小説『ノクターナル・アニマルズ』は始終残酷な展開で壮絶な結末ですが、
こちらも同じく思わず読み進めてしまう不思議な魅力を持っており
その向こうで、妻スーザンが感じているエドワードの魅力に繋がっていうように感じられました
作中にもあるように「復讐」が主題の話とも読み取れますが、
「復讐」はともすれば人に対する「執念」がなければ起き得ないことで
そういう意味ではエイミー・アダムス演じる妻スーザンが、
彼女自身の業の深さに苛まれ、小説に引き込まれていくさまはとても興味深かったです
その上であのラストシーンを観ていると、
人生におけるやるせなさや後悔も感じられました
鑑賞後はこっくりと残る余韻が愉しめてしまう、大人のサスペンス
ジェイク・ジレンホールの二役演技
やはり見ごたえがありました
現実世界の元彼と、小説世界の夫
そもそも元彼が創作した登場人物なので、
同一の存在ともとれるところのさじ加減を見事に演じ分けており
その小癪さに唸るばかりでした、すごいぞジェイク・ジレンホール
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