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窓ぎわのトットちゃん(著者:黒柳徹子)

窓ぎわのトットちゃん
著者 黒柳徹子
初版 1981年

<新しい学校の門をくぐる前に、トットちゃんのママが、なぜ不安なのかを説明すると、それは、トットちゃんが、小学一年生なのにかかわらず、すでに学校を退学になったからだった。一年生で!!>

これは、第二次世界大戦が終わる、ちょっと前まで、
実際に東京にあった小学校と、
そこに、ほんとうに通っていた女の子のことを書いたお話です。

新しい小学校の校長先生は、
トットちゃんの話をたっぷり四時間も、身をのり出して、きいてくれました。
「君は、本当は、いい子なんだよ!」
校長先生は、いつも、そういってくれたのです。

小林宗作が作ったトモエ学園のユニークな教育と、
そこに学ぶ子どもたちの姿をいきいきと描き、
戦後最大のベストセラーとなり、
世界中で愛読されている
黒柳徹子の自伝的作品。(出典:講談社)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000144435


□「物語のかたち」
黒い立方体。角のところは、とくに深い黒色で四角の面の中央に向かってグラデーションになっている。


□「物語のかたち」ができるまで
―――――――
私が本を読みながら見ている「物語のかたち」は、読み終わった時にパッと現れるわけではありません。本を読んでいくなかで、かたちが現れてきて、読み進めるうちに、そのかたちは変わっていきます。「物語のかたち」として最初にご紹介しているのは、私が本を読み終わった時に見えているかたちです。
―――――――


 カラフルな小さな丸いかたちがいくつもいくつも飛び跳ねている。ずっと、あたたかい、ここちよい、日差しがさしている。(はじめての駅)
薄く黒い楕円形のかたちが現れる。ぱっと明るい光の輪に変わる。(校長先生)
 また、カラフルな小さい丸いかたちが飛び跳ね始める。しんと静かになって、澄んだ空気が流れる。さっきまで飛び跳ねていたかたちたちは消えてしまった。(もどしとけよ)
 真っ白でやわらなか真珠のようなかたち。少し光の色をおびて、はしのほうが薄紫っぽく色づいている。やさしくて、きれいな、かたち。(電車が来る)
 真っ白な真珠のようなかたちの下から、力強い濃い緑色の葉のようなものがメキメキと沸きあがってきて、あっという間に、真っ白な真珠のようなかたちを包み込む。(プール)
 すーっとたおやかにつぶれて、小さな草むらのようになった。(夏休みが始まった)
 ガラスのように透明でいびつなかたち。ポツポツといくつもでっぱりがある。けっして、丸くはなく、ひし形のようなかたちをしている。(手でお話し)
 おはじきのように平らで透明なかたちの真ん中に、やわらなか曲線でできた穴が空いている。全体が曲線でできていて、やさしく、やわらかなかたち。(サンキュー)
 小さな、米粒のように小さな粒がひとつ。四方から赤茶色のものが沸き上がり、丸いかたちをつくりだす。(ボロ学校)
 黒い立方体。角のところは、とくに深い黒色で四角の面の中央に向かってグラデーションになっている。(さよなら、さよなら)

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