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#55 アナウンサーの時間管理術!ダラダラ話さないためにしてること

今回は時間管理術がテーマです。アナウンサーに求められるのは、例えば正しい発音であったり、イントネーション、滑舌だったりするんですけれども、それ以外にやはり時間管理というのがとても重要なんですね。

綺麗に話し切らないと、コマーシャルの時間とか決まってますから、尻切れトンボになってしまってかっこ悪い。では、どうやって管理してるのか。原稿を読むときは、その最後の部分、例えば、あと残り3行、2行、1行、これらが何秒で読めるのか、きっちり計ります。どんなにベテランになっても必ずやる作業です。

でないと、自分でもものすごく正確にはわからないんです。感覚的にはわかるります。あと10秒15秒くらいで読めるな、と。でも細かくきちんと書いて置かなないと、正確にはわかりません。そうすることによって、きっちり決まった時間に向かって読み上げていくことができるんですね。

ただ、中継となるとまた話は変わってきます。

スタジオで原稿を読むときはあらかじめ用意された原稿なので、きっちりそ読むことはできますが、現場で中継をするとなると話は別です。
例えば、初めの30秒は、目の前で起きてることをアドリブで自分の言葉で話す、そして残り30秒でなぜそうした事態が起きたのか、事件・事故を振り返り概要を説明する、そのような構成になっているので、初の30秒「自由に喋っていい」とあらかじめい言われていて「では、森下さんどうぞ」ときたときに、どうやってその30秒の感覚がわかっているかというと、これはもう場数でしかないんですよね。

何事もそうなんですけれども、繰り返し繰り返し同じことをやってると大体これで20秒ぐらいかな、大体これで30秒ぐらいかな、ということがわかってきます。

ダラダラスピーチを防ぐ方法

皆さんの日々の生活の中で、こうした感覚が求められるのは「人前の挨拶のとき」なのではないでしょうか。結婚式のスピーチでもそうですし、人前にちょっと出て喋るいろんなシチュエーションがあると思うのですが、延々と終わらない人いますよね。聞いてる方も、この人最初何話してたのかよくわかんなくなってくる。着地点をどこに持っていくんだろう…本人もよくわかんなくなってしまっている。みんなが不幸。喋ってる方も聞いてる方も、みんなが困惑。これ、いつ終わるんだ?という状態。そして誰も手を差し伸べることができない。

これを、どうやったら防ぐことができるのか。

まず、最も手っ取り早いのは、自分が思っているよりも必ず短めに終わらせる。自分が思ってるよりも遥かに早く、短く終わらたほうがいいです。聞いてる方は、よほど話が面白くない限りめちゃくちゃ長く感じます。

だから5分で話せる内容でも、それを短くして3分に縮めた方がよほど面白くそして聞きやすい話になります。だから、もし人前で話すことがあったら自分が思ってる時間よりも、必ず短めに終わらせるようにする。

もう一つは、起承転結をきちんと考えておく。

これができないから、自分が何を話してるのかよくわかんなくなり、違う方向にどんどんそれていき、収拾がつかなくなるという最悪の事態を迎えます。話す前に、流れをきちんと頭の中で考えておかないと、特に人前で話すときなんて、緊張もしますから、より分けわかんなくなります。

私達プロでも中継する前は何十回も頭の中でシミュレーションします。そして、何回もカメラマンと一緒に動きを確認します。さらにゆとりがあれば、正確に時間を計ります。こっからここまでこう動いて20秒、でこの先が15秒で、この先35秒、大体これで1分ちょっとかな、と具体的なシミュレーションを何度も何度もするんですね。それで、テレビできちんとお届けすることができる。

だから、ましてや話すことに慣れていない場合、練習もせず、起承転結もちょっとあやふやだと、うまくまとまるわけがないんです。だから、起承転結をいかに簡潔に自分の頭の中に入れておくことができるかが大事なんです。

48回目の記事「自信をもって人前で話せるメモ活用術。言葉の選び方の秘訣」という回でもテクニックを紹介していますので、ぜひご参照ください。

(voicy 2022年7月16日配信)

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