ポケモントレーナーのコミュ力

「コミュニケーション能力」略して「コミュ力」

この言葉について私なりの解釈をポケモンを例に挙げながらまとめる。コミュニケーション能力に自信がない人にぜひ読んでいただきたい。

コミュ力おばけのゴーリキー

少し前まで「コミュ力が高い人」とは初対面の人にもガンガン自分をさらけ出す人と考えていた。そう考えていた私はコミュニケーションに苦手意識が長い間あった。

しかし「これって本当か?」とポケモンをしながら考えた。

イワヤマトンネルでイワークの捕獲に苦戦し、傷ついたポケモンを抱え、キズぐすりを探して歩いていた。すると、1人の山男に出会う。山男は主人公を見つけると一目散に話しかけてきて、有無を言わせず対戦が始まる。山男は、初対面の主人公に「勝負だ!」という想いをさらけ出すことができている。先ほど述べたコミュ力が真実なら、この山男は「コミュ力が高い人」である。

ただ、ここでプレイヤーは「コミュ力おばけ」である山男を悪霊と解釈するだろう。本当にコミュ力がある山男なら、主人公に「断る」という選択肢を残すか、キズぐすりを分け与えた上で勝負を頼むはずである。自らの想いだけをぶつけ、傾聴する姿勢の1つも示さない、この山男にコミュ力はない。勝負後の賞金も驚くほどケチである。そんなことだから手持ちのゴーリキーを通信交換でカイリキーに進化させてくれる友人を見つけることができないのだ。

ポケモントレーナー卒業講座

21年人間をやらせてもらった感覚で「俺はコミュ力あるんよね」と言ってくる人のほとんどはポケモントレーナーだと思っている。相手が楽しめていなかったら、求めていなかったらそのコミュニケーションは破綻している。相手が楽しめない理由は「この人は自分を理解する気がない」というのがバレているからである。今の私はコミュ力を「もう一度会いたいと思わせる能力」だと考えている。つまり、コミュ力の高低は自分軸で決められるものではない。

就活の面接では話す内容はもちろんのこと、聴き方にもこだわった。面白トークには自信がない私だが、実際に面接のときは帰り際に「君が一番楽しかった~」という言葉をいただくことができた。面接官の方がお話をされている間は「次はあれを言うぞ」ではなく、面接官の方の言葉に興味津々だった。トークが苦手ならコミュニケーションも苦手ということはなく、相手に興味を持つこと、それを表現することでカバーできる。私のように口下手な方は、ぜひ聴き方にスポットを当ててみてほしい。

コミュニケーションが苦手な人へ

今の私は得意かはさておき、コミュニケーションをとても楽しいと感じています。自分にはない発想や知識を聞くのが大好きだからです。そういった面でコミュニケーションと読書は似ているところがあります。この文章をここまで読んでくださったあなたは、読み物が好きなはずです。だからこそ、コミュニケーションが大好きになる可能性に満ちています。応援しています。


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