空を飛ぶ前に、格納庫で雑談をする
こちらは、株式会社レッドジャーニーのアドベントカレンダー23日目の記事です。
昨日はもっくまがアイデア創発について書いてましたね。アドカレも佳境です!気になる記事をぜひどうぞ。
本編
みなさん、ハンガーフライト、やってますか?
自組織の中で、ひとりで、自分のチームだけで、がんばってませんか?
ハンガーフライトとは、もとはパイロットたちの分野で、天気が悪く飛行機が飛ばせないときに、格納庫(ハンガー)の片隅で経験談などを語り合う雑談のことを指していました。
空の上ではひとりで操縦桿を握るわけですから、こういった雑談が貴重な情報源になるわけですね。
詳しくは、書籍カイゼン・ジャーニーでも紹介されています!
なんでハンガーフライト?
多くの組織では、組織の中にテーマで分かれた複数のチームを並行して運営しています。それぞれのチームの中に、プロダクトオーナーやスクラムマスター、開発者といった役割を置いて、チームごとの関心(テーマ)に向けて、一生懸命動いています。
チームで起きた問題や、テーマとして直面している課題については、ふりかえりや、問題にむきあう検討の場をつくるなど、チームで解決しようとしている光景をよく見ます。
そこでよく聞く言葉として、「自分は(自分たちは)、これであっているのだろうか」という主旨のものがあります。
もちろん、正解がどこかにある、というわけではありませんが、チームのなかだけで話して、考えているうちに出るアイデアは、そこを超えることはないでしょう。
ひとたび、チームの外を見てみると、別のチームがいます。取り扱っているテーマやプロダクトが異なっていても、役割が似ている、同じような状況で困っている、などがあるかもしれません。
また、話してみたら、実は過去に同様の課題を乗り越えた、という経験を持っているかもしれません。
このような、組織を横串したノウハウ・知見の交換の場をもつことが、チームにとって新しい気付きを与えることがあります。
ハンガーフライトはいいぞ
やり方は全然難しくありません。形式張る必要もありません。雑談の場なのですから。
たとえば、「スクラムマスターの会」という場をつくって、組織内のスクラムマスターで集まって、悩みを話すだけでもいいかもしれません。普段、自分のチームをよくしよう、とひとり頭を抱えていることを誰かに話せるだけでも、気持ちが楽になると思います。そして、きっと、一緒に考えてくれるでしょう。
このように同じような役割の人たちが集まって、自分たちの"あるある"を話すだけでもいいかもしれませんね。
もちろん、役割で区切る必要もないです。トピックを先に決めて、集まるのもいいでしょう。逆に、集まってから、参加者の関心ごとを挙げて、トピックを決めるのもいいでしょう。そのとき話していたことが、勉強会にスピンオフすることもあるかもしれませんね。
こうして、組織の中で、自然発生的につながりが広がっていく副次的な効果もあると思っています。
まずは、ハンガーフライトやってみる
このような、「明確な目的を事前に設定しにくい」ミーティングは、もしかしたら組織によっては開催するハードルがあるかもしれません。
このような雑談を行う場がある、ということ自体を知らなかった場合、そもそも「やってみよう!」という発想にいたらず、チームの中だけで解決し続けようとしてしまうかもしれません。
「ハンガーフライト」という名前がある、ということが認知できれば、開催するときに声かけがしやすいですよね。
ハンガーフライトは、自分以外に誰か1人がいればできます。ふたりから始められます。
まずは、意図的に、「ハンガーフライト」というスケジュールを入れてみましょう。中身は普段の1on1と変わらないかもしれませんが、きっと得られるものがあるはずです。
その場がいいものだ、ということが分かれば、周囲の人も「混ぜてほしい」とどんどん参加者が増えていくことでしょう。
おわりに
組織の中での話をしていましたが、では、組織の中で1チームしかなく、交流する人がいないときはどうすればいいのでしょうか。
そんなときは、社外です。コミュニティです。
私自身、過去に組織の中で孤軍奮闘していました。そんなときに、大いに助けてくれたのがコミュニティでした。
組織の中では自分ひとりだとしても、組織の外には、同じように悩んでいる人たちがいます。
組織を超えて、ハンガーフライトをすればいいのです。幸いなことに、素敵なコミュニティがたくさんあります。
みなさんもぜひ、組織の中で、外で、ハンガーフライトやってみてください。
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