見出し画像

【営業テクニック編②】ザイアンスの法則 接触回数を増やすことで商談が進む


営業の全体図

接触回数に依存して好意がわく ザイアンスの法則

 新しい商品を買おうと思ってスーパーへ行った際、「どこかで名前を聞いたことのある商品A」と「初めて聞いた商品B」のどちらを選ぶだろうか。多くの人は商品Aを選択する。これはザイアンスの法則と言われる接触したことのあるものに対して好意を抱く法則である。単純接触効果とも言われている。

 人は初めて会う人やモノに対して警戒心を抱く本能が備わっており、接触回数を重ねることでその警戒心が薄れていく。テレビCMで商品の広告を打つことも接触回数を増やして警戒心を下げ、好意を持ってもらう点で理にかなった方法だったと言えるだろう。

 ただし、マイナス方向にザイアンスの法則が働くことも注意しなければならない。例えば不快感を抱く広告を何度も目にしたとき、どんどん警戒心が上がり敵意を持つことになる。最近の動画広告などはクリック数を増やすためにこのような広告が増えてきているように思い、残念で仕方がない。

 営業においても単純に接触回数を増やせばよいと誤解してはならない。プラスの方向にザイアンスの法則を活用する必要がある。

良い接触回数を増やすのは意外と難しい?

 マイナス方向にザイアンスの法則が働かないように最低限のマナーは抑えておきたい。見た目がだらしない、役に立たないことしか話さず時間の浪費につながっている・・・。これらは会うたびに不快感が増し、受注につながらないばかりか、閾値を超えれば出入禁止になり得る危険な行為と理解しよう。

 ファーストコンタクトで商品の話を全て行うのではなく、相手が忙しそうだったり聞く耳を持っていないようであれば、その場は一旦切り上げよう。不快感を持たれてしまえばマイナス方向のザイアンスの法則がスタートするため、そうなるくらいなら潔く撤退して作戦を練り直そう(そもそもファーストコンタクトではヒアリングに徹するべきであるが、ここでは省略)。

 簡単に言えば「空気を読む」ということだが営業経験が浅いとこのあたりの判断が難しいかもしれない。相手の言動をしっかりと観察してどのような感情を抱いているか、何に興味を持っているのかを把握して活動のヒントとしよう。

会ってもいいと思われる営業になるには

 コロナウイルスの流行もあり、会ってもらうだけでも大変になった。単純接触の前にそもそも会えません!という声が聞こえそうである。会うだけが単純接触ではないことを理解し、できることを考えてみる。

 会わなくても誰でもできる単純接触がお役立ち情報の提供である。相手のホームページやSNSを確認して求めていそうな情報を定期的にメールや郵送をする。もしくは会社へ行って受付に手渡しでもよいかもしれない。しっかりと相手のことを考えて役立つ情報を選択し、それを見てもらうにはどうすればいいか工夫しよう。
 私自身、資料を印刷するだけでなくポイントになる部分に付箋でメモ書きを残したり、あえて手書きのメッセージをきれいな便箋に書いて同封したりしていた。そんなことかと思うかもしれないが、これを「定期的に」「継続する」ことが重要であり、根気が続かず途中で諦めてしまう人も多い。ここが分岐点なのだろう。

 アポイントをもらえる間柄ではないが、受付までは行ける場合は受付の人に対してプラスのザイアンスの法則を意識して行動したい。受付の人が好印象を持ってくれて、対象の人に良いメッセージを伝えてくれれば、次につながる可能性がグッと高まるからだ。
 例えば、to Bの商材であればその会社を訪問した際に気付いた褒めポイントを素直に伝えてみたり、ゴミが落ちていたら拾ったりとその会社に貢献する姿勢を表現することができる。言わずもがなここでも「継続する」ことが前提である。

 派手さがなく、地道な活動ではあるが効果的な方法である。これ以外にもやりようはあるため、相手のことを考えて活動に移してほしい。
 営業にとっては難易度が上がっている時代であるが、だからこそ営業スキルの価値が上がっているとも言える。対象者に会えた場合、ザイアンスの法則は有効であるが、会えなくても活用できるためコツコツと実践してほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?