急増するロシアでの感染者 2週間の劇場閉鎖
コロナウイルスを巡るロシアでの状況は毎日変わっている。先月の今頃はみんなウイルスのことを知らないのではないかというほどに関心がなかったが既にブリヤートでも数名の感染者が発見された。最初の感染者がTITANという大手スーパーの社長夫人だったというのも意外な話だった。
ロシアでの感染者急増
25日夜にプーチン大統領が会見を開き
「国民の健康を考え、来週1週間を非労働日にする。その間の給与は払われる。」と発表した。
3/5にまで1人しかいなかった感染者が3/27には1000人をこえた。
ロシアの感染地域
感染者の増加グラフ
ロシアでは2-4時間で結果が出る検査キットが全国に配布されていたので他ヨーロッパ諸国と比べ早い対応ができるかもしれない。
新演出「椿姫」の無観客上演
劇場も3/19の時点では予定通り3/25,26の「椿姫」の新演出初演を決行すると決めていたが、その後ブリヤート共和国政府から中止の通達が来た。
その通達を受け劇場は「無観客上演をする」ということに決まり、2日間に亘り上演された。外出や労働が禁止されていたわけではないから、劇場関係者が客席に座り結果的に40-50名の観客がいるという形になった。
普段からもオーケストラピットから客席が見えるわけではないから緊張感はいつもと変わらない。ライブ配信すらされたわけではないが、演奏中も普段の本番と同じくらいに集中できた。
関係者が拍手するから無観客ではなく、極端に客入りが悪かった時の子どもオペラの本番の時のようなものだった。
椿姫はトランペットの出番はとても少なく出てきても単音の伸ばしや刻みがあるだけだ。アリアの時の休みは数十分にもなるし3幕に至っては3曲目まで1音も出番がない。
リハーサルではとても眠たくなったが本番では自分がコンサートを聴きに行っている時のような感覚で待つことができた。オペラでのトランペットの仕事のほとんどは「待つ・数える」こと。それが退屈に感じることもあったが素直に音楽を聴いていれば単純に楽しめるということがわかってよかった。
逆にバレエは勘弁してほしいというくらいに出番ばかりだったりするのだが…。
ブリヤート劇場は2週間閉鎖
元々は「椿姫と4月の初演カヴァレリア・ルスティカーナは無観客で上演しその間もリハーサルは毎日行う」と言っていたのだがプーチンの会見によって全て変更。
「3/28-4/13まで劇場を完全に閉鎖しリハーサルもなし。ただし給与は支払われる。」
という通達が来た。ということで突然17日間の有休になった。
国立の安心感
ブリヤート劇場は国立劇場のためそもそもが多額の税金によって成り立っている。劇場が閉鎖されても通常通りの給与が支払われるのは安心だ。
ロシアで外国人の身で公務員をさせてもらっているのはありがたい話だ。音楽家がここまで安定した職業として成り立つことは素晴らしい。
飛行機の国際線も停止
3/27から全てのロシアとの国際線は停止になった。在ロシアだった人で昨日の飛行機で帰国した人は多かっただろう。
こういった時に独裁的な政治で強力なリーダーが的確な動きをするのが良い方向に働く。日本の話をTwitterで見ていると悲しくなる。
恐らく日本もロシアもこれからどんどん感染者が増えて恐ろしいことになるだろう。特にロシアは普段から衛生面が最悪だからとんでもない増え方をする可能性がある。
ブリヤートにも1万枚マスクが届いたらしく一斉にみんなマスクをしだした。なぜか黒いものが多い。これから17日間何をしよう。ミュートをして練習する以外はすることがないからnoteの更新頻度が上がるかもしれない。
みんなどうぶつの森をやっているがはまりすぎて危険な気がするから実況動画を見て満足することにしよう。
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