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ACTION READING

今回ご紹介するのは赤羽雄二さんの著書『ACTION READING』です。

著者の赤羽さんは、東大・スタンフォード大を卒業、マッキンゼーで14年間活躍し、その後も多方面でご活躍されているスゴイお方です。
『ゼロ秒思考』の著者としても有名です。

本書では、
・「受け身」から「攻め」の読書スタイルに変更する(⇒自分の時間をコントロールし、目的を十分に考えた読書)
・一定水準までは本を読むべきだが、それを超えた後は本を読むことを制限して、むしろ「行動」につなげることが大事
など、大変勉強になる内容が盛りだくさんでした。

本書を読み、読書と行動によってよりよい未来をつくっていきましょう。

本書の構成は以下のとおりです。
序章 「読みたくても本が読めない」5つの理由
第1章 なぜ、できる人は忙しくても本を読むのか ―― 本で差がつくこと
第2章 できる人は忙しくても、なぜ、本が読めるのか ―― マッキンゼー時代に身につけた「読書時間捻出術」
第3章 短い時間で、読んだ内容を身につける「集中読書術」
第4章 できる人は、読んだ本をどう活かすか ―― 確実に成長するための「チャレンジシート」
第5章 ムダな本で時間を費やさないために ―― 読むべき本が自然に寄ってくる「情報感度」の高め方

本書を読み、特に勉強になった中から3点を抜粋してご紹介します。

1.本を読むことで自分の「伸びしろ」を増やせる
2.本は「必要十分」なだけ読めばいい
3.本を読む時間を制限し、アウトプットの時間を多くとる

以下、それぞれ見ていきます。


1.本を読むことで自分の「伸びしろ」を増やせる

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(「第1章 なぜ、できる人は忙しくても本を読むのか」読書のメリット③より)

素晴らしい洞察をもった著者の本を読むと、深い知識にふれて賢くなった、いいことを知ったという以上に、「自分は本当にまだまだだな」と痛感できます。
自分の身のほどを思い知らされます。
それが成長の糧になります。

ある程度以上の成功をおさめると、人はどんなに気をつけていても、自分の力を過信しがちです。
周囲の人や取引先などに持ち上げられることが増え、本当は自分自身の力ではなく、会社やポジションによって影響力が上がっていることについても、自分の力だと勘違いしてしまうからです。

本で深い知恵にふれると、そういう自分が単に思い上がっていただけだということを嫌というほど思い知らせてくれます。
特に30代後半から40代になってかなり「できる人」になってしまうと、あまり人が注意してくれなくなるので、こういう気づきは大切です。

人は何歳になっても成長します。
「できる人」になったら、「もっとできる人」になればいいだけです。
上には上がいくらでもいるので、本を読んで深い知恵に触れ続けることは大切なことです。

自分はもう40歳だから、50代後半だからこれ以上成長しない、頭も働かなくなった、という人がよくいますが、これはただの逃げではないでしょうか。
逃げてもいいことは何もないので、ぜひ深い知恵にふれて元気を出しましょう。


2.本は「必要十分」なだけ読めばいい

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(「第2章 できる人は忙しくても、なぜ、本が読めるのか」読書時間捻出法⑤より)

(本書記載の時間捻出法により)時間を確保したところで、本は一体どれだけ読めばいいのでしょうか?
著者が提唱する目安は、30代になるまでに300冊、それ以降は1年に50冊程度です。

これまでにそこまでの冊数を読んでいない方は、ある程度の量を読み終えるまで、余裕時間をなるべく読書にあてるほうがよいでしょう。
ただ、毎月10冊以上読み続け、これまでに1000冊以上読んでいるような人がさらに読書に一定以上の時間をあてるのは、すでに費用対効果が限界にきていると考えます。
そのため、情報収集も「本」だけではなく、人に会ったり、現場に足を運んだりして行った方が、本で得た知識も広がり、自分の力になります。

それ以上読める、もしくは、読んでいるという方は、
①本を読む時間を少し減らして、もっと優先順位が高い仕事はできないか?
②もっと他の情報収集(ネット、展示会、勉強会、人に会う)ができないか?
③もっと他の、感性を豊かにする活動ができないか?
④もっとプライベートを充実てきないか?

などを考える余地が十分にあります。

一つお伝えしたいのは、「本の読み過ぎ」はよくない、ということです。
いつも間にか「本を読むのはいいことだ」という既成概念にとらわれていないでしょうか?
「ゲーム」や「マンガ」は怒られるけど、「本」を読んでいると怒られない。
そうした子ども時代を過ごした人もいるはずです。
でも、その概念のおかげで、「本を読んでいれば、よいことをしている」という気持ちになりやすいということも言えます。

著者が知るマッキンゼーのコンサルタントも本は読みます。
でも、必要なだけ読んで、後は「現場」で、実際の自分の行動や判断力を磨いていきます。
本を読んだ知識をもとに、人に会い、より深い知見を得ようとしています。

本を読むこと自体を目的とせず、成長のきっかけにしたほうが、より自分を磨くことができるのです。
今度は、いかに本から自分の行動を変えるか、が大事です。

自分と読書のよい関係を考えるには、「本に対して受け身にならないこと」。
「本を読んでいればいい」から、仕事や人生に役立つよう「戦略的に、攻めとして読む」ことへ、大きな転換を図る必要があります。


3.本を読む時間を制限し、アウトプットの時間を多くとる

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(「第4章 できる人は、読んだ本をどう活かすか」読書を行動につなげる①より)

ある程度本を読めるようになったら、今度は本に時間を費やすのではなく、より「アウトプット」に力を注ぎましょう。

本を読む時間をスケジュールに入れると同時に、むしろ制限することも同じく大切です。
そうしないと、週末はあっという間にすぎてしまい、本は読めたものの他にやるべきことができず、イライラしながら次の週始まりを迎えることになるからです。

本を読む時間を制限する上で、著者にとって一番うまくいった方法は、「月に読む冊数を決めたら、それを超えて本を読まない」ということでした。
そして、「本はもう十分読んだ、本に逃げ込むのはやめよう」と心に言い聞かせることでした。

ある程度本を読んだ人ならば、ならせば週1冊程度で十分ではないかと思う、著者は述べています。
よい本は無数にありますが、それをひたすら読むよりも、読んだ本の内容をできるだけ多く吸収して格段に成長すること、アウトプットすること、他の情報源から吸収することなどが大切だからです。

今までに300冊は本を読んでいる、ある程度読書習慣がついたという方は、今度は「制限」して、アウトプットの時間を作ることを考えてみましょう。


 「読書」と「アウトプット」の関係
では、「本を読む時間を制限し、アウトプットの時間を多くとる」の後半部分を少しご説明します。
本で生まれるアウトプットには何種類かあります。

① 仕事での成果を出す
何とっても、仕事でより大きな成果を出すことができれば、それに越したことはありません。
仕事の成果で何より必要なのは「スピード」と「量」です。
明後日までの報告書、来週までの企画書など、早めにいったん完成させて修正を繰り返すほうが、はるかにストレスがなく、よいものに仕上げられます。
そのための時間をまず確保すると、前倒しができ、確認すべき人にも早めに確認できるので、何かと好循環が始まります。

したがって、仕事での成果を出すためには、
a) 仕事の根本的なスピードアップ
b) コミュニケーション力の改善、調整力の強化
c) プロジェクトマネジメント力の強化
d) 資料作成能力の向上
e) やる気の維持
などが鍵になります。
この各分野での自分の課題解決を助けてくれる本を読み、スキルアップしていくことが大切です。
そのためには、本書で紹介されている「チャレンジシート」が役に立ちます。

② ブログを書く
目の前の仕事に埋没していては本当に大きな仕事ができません。
何か外部に発信していく必要があります。
比較的手軽にできる方法の一つがブログを書くことです。

自由になる時間のかなりを読書にあてるのではなく、その時間の半分をブログを書くことにあてたほうが、よほど全体としての生産性が上がり、好循環が生まれます。

③ 講演をする
何かの分野において、第一人者になりたい方、独立を考えている方にお勧めです。
自分の専門分野、あるいはこれから専門分野にしていきたいと思う分野で講演をすると、自分の知見が大変よく整理でき、評判形成もでき、素晴らしい人脈も作れ、やる気もさらに高まるので一石四鳥です。

自分が講演するようになるとは思えない、という方も多いと思いますが、メリットも大きいので、チャレンジのための準備はしておいてもよいでしょう。
講演というと大層なもののように思えますが、
・関心のあるキーワードをネットで検索し、記事を100~200本読む
・関係する本を10~15冊程度読む
だけでも、何とか講演できるだけの知識は身につきます(1つのことについての知識を集積している人は、世の中にはあまりいないので、ある程度まとまった努力をすると、状況によっては講演できるだけの力がつくのです)。

一方、仲間うちではなく、多くの人の前で講演をしたい場合は、ハードルは上がります。
誰かに依頼されなければ講演の機会を得ることはできません。
では、どうやったら講演を依頼されるようになるのでしょうか。
例えば、次のステップが考えられます。

ステップ1
5年後の目標を踏まえて、「1年後、自分はどういう人になりたいか」「どういう評判を得たいか」「どういう場でどういう講演をしたいか」「具体的にはどういう講演タイトルをねらいたいか」「その講演に関してどういう人がすでに講演しており、競合になるのか」を1ページに整理します。

ステップ2
その目標に向かって、本を読むと同時に、関連分野のキーワード数十個をGoogleアラートに登録し、毎日記事を見て、徹底的に知見を深めます。

ステップ3
自分のブログに書くブログタイトルを20個ほどリストアップします。
このとき、ステップ1で整理した「具体的にはどういう講演タイトルをねらたいか」に沿って、講演会を企画しているコミュニティの幹事、事務局、セミナー企画会社の担当者などにアピールしそうなブログタイトルにします。

ステップ4
ブログを週1~2本書きます。
もともと自分の専門分野あるいはそれに近い分野であり、毎日相当量の記事を読んでいるので、知見はどんどん整理できていると思います。
それを3000~4000字のブログに書きます。


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以上、本書の一部を簡単にご紹介しました。
自分で判断し、時間を割り当て、捻出し、自分に役立つ読書をする。
そんな「攻めの読書」によってこれまでの自分を変え、飛び抜けた成長をしていきましょう!


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