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SIMPLE RULES ~「仕事が早い人」はここまでシンプルに考える~

今回ご紹介するのは、MITスローン校の上級講師であるDonald Sull氏とスタンフォード大学工学部教授のKathleen M. Eisenhardt氏の共著である『SIMPLE RULES ~「仕事が早い人」はここまでシンプルに考える~』です。

本書では、仕事・日常生活・植物や昆虫の行動習慣などの膨大な事例の収集や分析を通じて、「シンプルなルール」の有用性、その作成・改善の方法をまとめあげています。
「シンプルなルール」によって仕事や日常生活での生産性向上がアップできると確信できる一冊です。

本書で提言されている「シンプルなルール」の4大特徴は以下のとおりです。

1.ルールの数が少ない
2.使う人に合わせてカスタマイズできる
3.具体的である
4.柔軟性がある

本書のエッセンスは上記4点に集約されます。

特に重要なのは、「1.ルールの数が少ない」です。
単純だからこそ最優先事項に集中でき、覚えやすく忘れにくくなります。

「シンプルなルール」による絶大な効果が本書の様々な事例を通じて紹介されていますが、あくまでもルールを通して成果を出すことがゴールであって、ルールづくりがゴールになってはいけないことは留意すべきです。


本書の監訳者である元ゴールドマン・サックス、マッキンゼー・アンド・カンパニー勤務の戸塚隆将さんは、日常の健康管理において、以下のシンプルルールを心がけているそうです。

1.早起きすること
2.週に1回は体を動かすこと
3.アルコールを伴う会食は週3回までにすること

1と2は私も実行しており、早朝の生産性の高さと運動による様々なメリットを享受しています。3に関しては基本的に禁酒しているので、3つとも妙に共感しました。


最後に、「シンプル・ルール」に関するアップルの創業者スティーブ・ジョブズの言葉を引用します。

 私たちは最初に問題に直面すると、単純な方法で、簡単に解決できると考えてしまう。それはまだ、ことの複雑さを理解していないからだ。しかし、解決策は単純すぎると、うまくいかないものだ。
 そこで初めて問題の細部に分けいってみる。するとそこには複雑に絡み合った要因が見えてくる。それを見て、それぞれに手の込んだ解決策を考え出そうとするのだ。しかし、たいていの人はここで考えるのをやめてしまう。とりあえず、そのような策でもその場しのぎはできるからだ。
 しかし、本当にすぐれた人はそこにとどまらずに、問題の背後にある”本質”へと進んでいく。やがて、美しくて簡潔明瞭で、しかも、見事に機能する解決策を掘り当てていくのだ。

ジョブズは、いわゆる「単純」な答えと、「簡潔明瞭」つまり「シンプル」な答えは違うと言っています。
本書の提唱する「シンプルなルール」とは、ジョブスが言うところの「美しくて簡潔明瞭で、見事に機能する解決策」です。

本書の「シンプルなルール」は、自信のキャリアで最高の成果を上げ、より充実した人生を送りたい人にとって大きな指針となると確信します。

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