ぽてとふらい

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「男性から女性への戸籍上の性別変更 手術無しで認める」決定についてあれこれ。権利運動のたびに巻き散らかされるヘイト・モラルパニックに付き合う必要はない。

7月10日朝、高裁がトランスジェンダー女性の戸籍上の性別変更について、いわゆる性別適合手術無しでも変更を認める決定をしました。 この裁判の決定については、すでに予想されたことですが、SNS上ではすさまじいヘイトスピーチが吹き荒れています。 そのほとんどはトランスジェンダーの実態にそぐわない(無知、というか無関心からくる)誤解をベースにした空想の代物でしかない上、そこに悪意ある差別扇動とデマをまぜこぜにした、内容的にも醜悪としか言いようがないものです。 当事者の方においてはわ

    • トランスジェンダーの子供たちのために、大人である私たちが考えなければならないこと。トランスの子供を利用したデマゴーグについて。

      いきなりですが、ツイッター上で下記のような、私からすれば極めてバカバカしいとしか言いようが無い論法を開陳している人がいました。 「10歳の子供の性自認を肯定して性転換ホルモンを与える」ことを認めると「10歳の子供と大人がセックスすることを認め」ることになるなどというバカバカしい論法です。 今回はこれが何故バカバカしいのかを詳しく見ていくとともに、そのことを踏まえてトランスジェンダーの子供のために、大人である私たちが何を考えなければならないか、を見ていきたいと思います。 まず

      • 「トランスを排除しないと女性スペースの安全は保てない」は主張として正当性を保てるか?その主張はフェミニズムか?

        ツイッターではここ何年か、「フェミニスト」を名乗る人達からのトランスジェンダー(ほぼトランス女性)に対する差別がおこなわれています。 もっとも、その人達からすれば「これは差別ではない」というわけですが。 そのような「これは差別ではない」論法にはいくつか典型的な論法があります。今回ちょっと書いてみようと思ったのは、その中でもトイレに関する以下のような論法についてです。 この手の論法はおおむね以下のように構築されています(カッコ内数字は、後で反論している目次個所。相手の論理展

        • 「まだまだ物語が必要」とはどういうことか?

          およそ1か月前に書いた『にくをはぐ』という漫画に関するnoteについて、多くの方にスキをいただき、またツイッターでもRTを多くいただき、ありがとうございます(サポートしていただけた方もいらっしゃって、驚くとともにとてもうれしかったです)。 そんなnoteの感想や漫画に対する感想を、主にツイッターでウォッチしていたのですが、中には「ジェンダーによる差別を再生産している」といった意見や「女性差別は結局後回しにされる」(いずれも意訳)といったことをつぶやいている人もちらほら見られ

        「男性から女性への戸籍上の性別変更 手術無しで認める」決定についてあれこれ。権利運動のたびに巻き散らかされるヘイト・モラルパニックに付き合う必要はない。

        • トランスジェンダーの子供たちのために、大人である私たちが考えなければならないこと。トランスの子供を利用したデマゴーグについて。

        • 「トランスを排除しないと女性スペースの安全は保てない」は主張として正当性を保てるか?その主張はフェミニズムか?

        • 「まだまだ物語が必要」とはどういうことか?

          『にくをはぐ』感想(批評というか雑感)

          TLでトランス関連漫画が話題になっているので、読んでみた感想や、ツイッター上で私が見た感想に対して、ちょいちょい引用したり反論したりしてみます。 該当漫画はこちら。 作者の遠田おとさんはいわゆる新人作家さん(原作つきのスピンオフ本を三冊出していますが)で、今作も一話読み切り形式。あらすじ等々は省きます(無料なので読んでいただければいいので)。 余談ですが作者さんについて調べていたら、1年ぶりくらいにツイッターを更新していました。 トランスジェンダー周りの描写についてまず

          『にくをはぐ』感想(批評というか雑感)

          針間克己『性別違和・性別不合へ』紹介・雑感等1

          とある縁でこの本がうちに来たので、紹介(というか宣伝)がてら書評のような雑感のような代物を書いてみます。 著者は長年にわたって性同一性障害の治療・診断に関わってきた針間克己先生。私も含めたトランス当事者、特に東日本の当事者にとっては結構な割合で馴染みのある方です(逆に言えばそれくらい治療・診断をしてくれる医者が居ないわけですが……)。 なお、定価1600円+税ですがアマゾンではかなり高騰しているので別ルートで手に入れる事をお勧めします。 紀伊國屋さんでは定価で売っていま

          針間克己『性別違和・性別不合へ』紹介・雑感等1

          『TOCANA』三浦俊彦寄稿文について、研究者有志・LGBT団体の反応について

          前回、もう一回くらい続くかも……と書いておりましたが、その後、研究者の方や哲学者の方から抗議声明が出されており、その内容でだいたい言いたい事が補完されています。 なので、どのような有志・団体からどのような声明が出されたのか、備忘録的にまとめておきます。 基本的にはどの声明も、三浦俊彦氏の言説はトランスジェンダーへの偏見を助長する、学者として問題のあるものであるという点では一致しています。 本学三浦俊彦教授によるトランスジェンダーに関するオンライン記事についての東京大学関係教

          『TOCANA』三浦俊彦寄稿文について、研究者有志・LGBT団体の反応について

          いち当事者からの『TOCANA』三浦俊彦寄稿文への批判3

          3回目です。 初回(https://note.mu/tomotomo1987/n/n71a17c61ea03)では、「Cotton ceiling(「#木綿の天井」)」の概念自体が、海外でトランス排除を望む人達によって大幅に歪められた代物であり、該当記事自体が間違った土台に建てられた欠陥建築である事を、指摘しました。 2回目(https://note.mu/tomotomo1987/n/nd482778f6ed2)では、データ引用の不誠実さに加え、その解釈が学術的な考査に耐

          いち当事者からの『TOCANA』三浦俊彦寄稿文への批判3

          いち当事者からの『TOCANA』三浦俊彦寄稿文への批判2

          その2ですが、該当記事の2ページめ以降は、当事者にとって閲覧注意レベルの暴論や侮辱が連続します。この投稿についても適宜引用箇所が含まれますので、ご注意ください。 前回(https://note.mu/tomotomo1987/n/n71a17c61ea03)で、そもそも記事の根幹にある「Cotton ceiling(「#木綿の天井」)」の概念自体が、海外でトランス排除を望む人達によって大幅に歪められた代物であり、それを説明なしに"輸入"した代物である点を解説しました。 その

          いち当事者からの『TOCANA』三浦俊彦寄稿文への批判2

          いち当事者からの『TOCANA』三浦俊彦寄稿文への批判1

          せっかくnoteを作ったので、まず何しようと思い。 オカルトメディアの『TOCANA』に、東京大学教授である三浦俊彦氏が寄稿したコラムについて、細かく批判しておこうと思います。 無論「あんなオカルトサイト、まじめに相手するだけ無駄」というのは百も承知です。 しかし、三浦氏は「東京大学教授」の肩書でコラムを投稿しているわけであり、学術的なふるまいを求められるはずです。該当記事はその要件を満たしておらず、大学教授としてあまりに問題があるのは、明らかです。 ですので、この際ですか

          いち当事者からの『TOCANA』三浦俊彦寄稿文への批判1

          てすと

          てすと投稿です