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発達障害者の自分が発達障害の後輩を指導した件について




※発達障害の後輩と書きましたがこれは自己判断によるものですご承知ください



私は発達障害を持っている




医者からはADHDとASDと診断され、障害者手帳も持っている



特に不注意型の症状が強く


・やったことを忘れる


・ミスが多い


・早合点してしまう


・人と会話の理解が違うことがままある



そんな自分だがクローズ(職場に障害のことは隠して)で公務員として勤めて7年目になる


上記のような症状を克服すべく自分なりに努力してきた



うまくいかないことも多々あったが今ではなんとか独り立ちした


今では後輩や新入社員の面倒を見ることがかなり多く



最近では任される仕事のレベルが上がってきたと思う




そんな自分だが去年変わった後輩の面倒を見ることになった



今日はそのことを話そうと思う




その子は新入社員としてうちの部署に配属されてきた(以下Aさんと呼ぶ)




うちの部署の状況的に先輩がほとんど異動でいなくなってしまったことや


隣の机だったため自分が面倒をみることになった




まず、Aさんが職場にやってきて初日でやったこと




仕事中に居眠りをしたことだ





気づいたときはまさかと思ったが本当に寝ている






自分は上司や周りの人に気づかれないように起こした




そして


「寝ないようにね」



と一言だけ注意した




その後Aさんから返ってきた言葉は






「寝ないようにするためにはどうしたらいいですか」





自分は一瞬考えが止まってしまった




そしてすぐに気づいてしまった




この子は自分と同類の障害をもっているのではないだろうかと






とりあえず自分はその時


大丈夫?ちゃんと寝れてる?


とだけ返した



そしてAさんの面倒を見ることの難易度について



とことん思い知らされることになる




まずメモを取らない



最初は仕方ない 自分もそうだったから



しかし何度言ってもメモを取らない



まあおそらく同類だから忘れてしまうんだろうと考えた


そのため自分は


まずメモのとり方から教えることにした





しかしそこでまず壁にぶつかることになる



それは人から聞いた話の要点を理解できないことだ



例えば、仕事のやり方について伝えてても



最初の軽い雑談について必死にメモをとっていて



肝心の仕事のやり方について全く書かれていなかった




まず、自分が重要だと思うことをメモを取るようにと伝えてても




「どんなことが重要なんですか」


と返されてしまって




自分で判断するようにと言いたかったが



おそらく伝わらないだろうと思い堪えることにした




そのため自分は、とりあえず



余裕があるときはAさんのメモを見返して


どんな内容をメモしたのか本人から聞くようにした



ある程度はこれによって改善されたのだが




字が汚すぎて読むことができないことも多くあった



Aさんに聞いても



「なんて書いたのか思い出せません」


と返されてしまい


その時はさすがに諦めてしまった




次に、自分から動かない



これについても仕方ない自分も最初はそうだった




そして必要なときに動くという判断ができないのも仕方ない



いつが必要な時かわからないからだ



ただ、Aさんは本当に山のごとく動かなかった




まずAさんが自分の案件の仕事を持っていて



先輩に同行してもらって仕事を教えてもらう場合





先輩だけがその仕事先に向かいAさんは自分の机で全く別のことをやっていた




自分の仕事だから先輩に仕事を任せてたら独り立ちできないよと伝えたが




「自分も向かっていいのかわかりませんでした」




と返されてしまった





独り立ちするためには何を覚えればいいのか


意識して行動するようにとAさんに伝えたが



改善されることはなかった




そのため自分はAさんが独り立ちするために


覚えるべきことのリストを作ることにした



そしてそのリストを元にAさんの仕事の理解度を確認し



足りないところは教えることにした



これによっても多少は改善されたのだが



新たな問題も発生してしまった




それはたとえ緊急で目の前に優先すべき仕事があったとしても


そのリストに乗っていないことについては全く手を付けないことだ





Aさんになぜ目の前に優先すべき仕事があるのにしなかったのかと聞いても



「リストに乗っていなかったのでやりませんでした」



と返され自分の中のやる気が削がれてしまうこともよくあった




さらに、同じことを何度も聞いてくること



これについても仕方ない自分は最初もそうだった




とりあえずメモを見返すように伝えたが



どこにメモをとったか忘れ



さらにAさんは一度聞いたこと自体も忘れることがよくあった




これについては、自分も同類だから分かると同じことを何度聞かれても説明していたが



周りの人はそこまで優しくなく


前も聞いたよねと返されてしまい他の人に聞きにくくなり



自分にばかり仕事のやり方を聞くようになった




最初はまだ良かったのだが



自分の仕事もあったためAさんにずっとつきっきりでいるわけにもいかなかった




そのため自分は周りの人に仕事を聞けるように



一度聞いたことで申し訳ないですと枕詞をつけることや



比較的優しい先輩の存在を伝え



自分以外にも仕事のやり方を聞けるように努力した



しかしそれでもなかなか難しく




結局自分の負担が増えることがよくあったが耐えた








そして、気がついたら寝ている


これはもう仕方ない 気づいたら何も言わず起こすようにした




これまでAさんを成長させるべく自分なりに努力してはいたのだが



努力が足りなかったのか周囲からはあまり評価されることはなく




自分の指導が足りないのではと隣の部署から言われることもあった




さらに異動してきた先輩からは事情がよくわからないからか


なぜAさんはそんなこともできないのかと自分が詰められ






結果的に板挟みになりストレスで夜寝つけないこともあった





そんなこんなでAさんを指導して一年が経ち




Aさんは自分の指導が足りないと言ってきた隣の部署に移動することになった





やっと解放されると心からほっとしたが




それと同時に思うことがあった





それはもし自分がAさんの立場だったらどうなっていたのかということだ





自分にも発達障害がある おそらくAさんよりも程度は低いが




そのことを意識してAさんに仕事を教えてたつもりだったが




自分の方がマシだとか下には下がいるという


あまり良くない考えが自分の中で芽生えつつあった




もし自分が


人の話を理解できない


要領が掴めない


すぐに忘れてしまう


ミスが多い





このような症状がずっと続くとしたら?




自分も最初はそうだった


そして発達障害の診断も受けた



しかし努力して多少は改善された



これが努力したとしてもずっと同じレベルだったとしたら




とても怖くて生きていける自信がない




そのために自分は


これからも、もしAさんのような人と仕事をするようになったとしても



相手の気持ちを思いやって仕事をしていこうと思う