理解をもたらすカリキュラム設計を紐解く
このnoteでは、自分自身もあまり理解できていない「理解をもたらすカリキュラム設計」を紐解きながら、自分自身の理解を可視化していこうと思います。
本のタイトルにもあるように、この本には「逆向き設計」の理論と方法がまとめられており「 Understanding by design (設計者が意図的にデザインすることによって学習者に理解をもたらす)」 設計について学んでいきます。
今の学校教育でも「社会に開かれた教育課程」という考え方が入ってきています。しかし、多くの学校現場の先生方も学校で学んでいることと実際の社会で起きていることに乖離があることに違和感を感じている人も多いのではないでしょうか。
この本では「深い理解」に焦点を当てており、これまでも本質主義者と進歩主義者の間で深い理解に焦点を当てられてきました。私自身の感覚としては、本質主義者の考え方をネガティブに捉え、進歩主義者の考え方に寄っていたように思えましたが、概念型カリキュラムと出会い、どちらも包括できるカリキュラムのあり方について考えるようになりました。
しかし、昔デューイが述べていたようにこれはどちらも誤ったジレンマで、どちらの目標を達成するために開発されたのがこのUbDです。UbDでは、どのようにすれば両方の目的を効果的に組み合わせ、学習者の参加のあり方、学習の仕方、内容(知識やスキル等)を活用するパフォーマンスのあり方を反映した、一貫性のある焦点の合ったカリキュラムへとまとめることができるかを示しています。
そもそも「理解をする」ことにフォーカスを当てているのですが、この本では「何を理解と定義しているのでしょうか?」
「理解の本質的な指標とは?」
では「私たちは、何をどのように評価すべきなのか?効果的な深い学習の証拠となるのは何なのか?」この本では「パフォーマンス評価」を推奨していました。
いわゆる学校のテストで測っている知識の暗記・再生を中心とする限定的な学力(2次元)ではなく、現実社会でも生きて働く学力(3次元)を評価できる「真正の評価」論というものについて考えていきます。この本の著者である、ウィギンス氏とマクタイ氏も「真正の評価」論者です。
そして「真正の評価」を実践するには、そもそものカリキュラムの改善が必要となり、本書では4点が提案されています。
今、私は国際バカロレアの認定校で働いている環境を生かして、この本で書かれていることと日々のPYPでの実践を掛け合わせながら考察したことをシェアしていけたらと思います。
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