新型コロナウイルス騒動から見るマクロとミクロ その75 ~失敗の本質~
ビジネスを学ぶ中で必ず何人か出てくる大家がいる。日本人であれば、野中郁次郎氏がその1人であることは間違い無い。彼は、1990年代に一橋大学の教授竹内弘高氏と共に書かれた経営書『知識創造企業』により著名な学者となった。
1980年代の日本企業の躍進が、「暗黙知」と「形式知」を使いモデリングしたSECIモデルをこの著作で定義したのである。野中郁次郎氏が関わった名著に「失敗の本質」がある。Amazonでは下記のように紹介されている。
敗戦の原因は何か? 今次の日本軍の戦略、組織面の研究に新しい光を当て、日本の企業組織に貴重な示唆を与える書。ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ沖海戦、沖縄戦という大東亜戦争における6つの作戦の失敗の原因を掘り下げ、構造的問題と結びつけた日本の組織論の金字塔。
結論を簡単に述べてしまうと、その場の「空気」によって流され反対するに出来ない状況であったというのである。本音のところで反対であっても、その場では反対を言うことが出来ないのである。今回も「Go Toキャンペーン」もやらないという決断は出来ず、流されてしまった感じがある。
行政はどこからの圧力に負けているのだろうかはっきりとしないが政治献金や票田を持っている団体だろう。政治家は選挙で選ばれなければいけない。そのため有権者から要求があり、大きな政治献金をもらっているのであればこのような対応をしないといけない。行政の空気は実施ではあるが、今やる必要はないという空気が一般では強い。またこのキャンペーンによって新型コロナウイルスへの感染対策の責任は各自治体に任されており、滅茶苦茶な政策になっている。もう少し延期すればいいのにこのタイミングで実施するにあたって、首都圏は除くというのも何か行きあたりばったり感が本当に否めない。
政府としては旅行などでお金を落として欲しいことが目的であるのであれば首都圏を含めるべきである。お金をもっているのはこの地域であるのだから。また首都圏以外でも感染者が増えているため受け入れ側もこのキャンペーンを手放しで喜べるものでは無い。誰も責任をとらず誰も得をしないようなキャンペーンを実施してもこの政権同しようもないと思ってしまっても選んだのは我々なのよね。強い野党を育てられなかったことを悔やむしかないのである。選挙もそうであるが、官僚組織が問題なのでもある。変わらないのであれば自衛していくしかない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?