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過去は未来のもの

ちょうど1年前に出かけた場所へ向かっていた。
面白味のない冬色の平野、住宅地が続く車窓をぼんやり眺めて、前回のことを思い出していた。
あのときの、この旅が良い旅になるようにという願いは正反対に作用し、あの旅が拡げてしまった傷口が治ることはなかった。
結果遅かれ早かれ起こるはずだったことにスイッチを入れた旅だったと、今は思う。

過去は未来のもの。
経験はある。
2度目の車窓に想いを込めた。

北関東から西へ向かういくつものトンネルを抜けて去年と同じ駅が現れた。
ホームに降り立つと天気予報ほどの寒さは感じない。
青空が気持ち良かった。

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