生き方を変える?その後の人生をアップデートしてくれた、旅の原体験記。
皆さんには、今の自分の生き方や考え方に影響を与えた出来事ってありますか?
私の場合は、旅先での出来事が自分の価値観に与えた影響の大きな要素を占めている気がします。
人生で初めての海外旅行は、家族で訪れたグアム島。残念ながら、小さかったこともあり記憶はあいまい…。その他、学生時代の修学旅行や親友とのロンドン旅行も最高だったけど、今の私の原点とも言えるのは、大学時代のオーストラリア留学でした。
今回は、自分自身のその後の人生を変えてくれたと言っても過言ではないオーストラリアでの体験記と、そこで得た人生の学びについてシェアしてみたいと思います。
1. モヤモヤを抱えた大学生活
地元の大学へ進学した私は、上京した友人や一人暮らしを始めた仲間をよそに、実家から学校へ通いながらマイペースな1年目を過ごしていました。特に入りたいサークルもなく、家と学校の往復+中学から通っていた英会話を続けていたくらいで、他は短期アルバイトのシフトを時々入れる程度だった当時。
今思うと、何をやってたんだろう?というくらい、時間だけはありました。あとは、何となくの海外への憧れから「CAになりたい」という漠然とした夢と、大学生活の間に海外留学がしたいという希望だけ。
大学に進学したとたん、受験勉強から解放された周囲は「人生の夏休み」を謳歌するかのごとくキャンパスライフを楽しんでいるように見えました。
私はと言うと、なんとなく楽しくない、つまらない、このままじゃいけない気がする。そんな風に、漠然としたモヤモヤをずっと抱えていました。
2. はじめての留学、はじめてのホームステイ
そんな中、学内で募集があった約4ヶ月間の中期留学プログラムに申し込みます。現地での授業も単位に組み込まれるというメリットも大きかったですが、やはり念願の留学に行ける、という喜びでいっぱい。アメリカ・イギリス・オーストラリアの中から、迷いに迷って南オーストラリア州・アデレードを滞在先に選びました。
同じ学部の友人と私の2人という少ない参加人数だったことと、初めてということもあり不安はあったものの、現地の美しい大自然の写真や先輩達の実体験を聞き、出発の頃にはワクワクの方が大きく膨らんでいたのです。
「ホストファミリー」と聞くと、勝手に「欧米の大家族」をイメージしていた私。ですが、決定した受け入れ先は、50代の働く一人暮らしのオーストラリア人女性とのこと。当初は「大丈夫なのか?」と心配でしたが、日本からマレーシアのクアラルンプールを経由し、初めての長旅にヘロヘロになっていた私を空港でハグしてくれたホストマザーの笑顔を見た瞬間、それまでの心配や疲れも吹き飛んだことを覚えています。
色々な仕事を掛け持ちしながら自由に人生を謳歌していたホストマザーとの2人暮らし。しっかり者でファッションが好きな彼女らしい、清潔で洗練されたインテリアが素敵な家で、毎晩食後にミルクティーを飲みながら一緒に映画を見たり色々な話をしました。ジュリア・ロバーツ主演の映画「食べて・祈って・恋をして」を一緒に観に行ったことも。
「好きな仕事・大好きな家族や友人・快適な家、そして旅があれば人生はそれだけで最高」――そんな彼女の自立したライフスタイルに刺激を受けた当時の私は、「自立」とは自分の意思で人生を選択していくことでもあり、「自由」には同時に責任をともなうということを教わりました。
3. カンガルー島での体験
南オーストラリア州からフェリーで1時間かからない程の距離に位置する「カンガルー島」は、圧倒される程の大自然と多様な野生動物の宝庫と言われている、観光客にも人気の場所です。
そんな素敵な場所ならと、留学も後半に差し掛かった頃に友人達と現地のバスツアーに申し込みました。
バスツアーでは、世界中の観光客と出会いました。そう、当時の私たち留学生にとっては最高の「英語学習環境」。フレンドリーな人達ばかりで、学校では出会えないヨーロッパや南米の老若男女と行動を共にしました。
フリンダースチェイス国立公園内の「リマーカブル・ロック」は、約5億年もの間、南極からの風や波による風化で作られた花崗岩(かこうがん)の奇岩だそうです。私たちも、特徴的な形の岩の前でひたすら記念撮影。とにかく圧倒され、大自然のパワフルさに改めて感嘆しました。
島内を観光しながら沢山の野生動物に出会い、オーストラリアの自然をひたすらに満喫。
観光以外では、皆でBBQをしたり、夜は焚火にあたって談笑するなどの自由時間も。なんだか青春だったなぁ、と思えるひとときです。
最初はぎこちないコミュニケーションだったけれど、帰る頃には全員とハグをして別れを惜しみながらの解散に。世界中から集まったメンバーとの密度の濃い時間は、今でも忘れられない旅の思い出のひとつです。
自分から心を開いて自己開示すれば相手とのコミュニケーションがスムーズになり、こちらの働きかけで周囲の態度も変わり、「自分次第」で毎日をいくらでも明るいものにできるという実感。当時の交友を通してそんなことも体感できた、貴重な旅になりました。
4. はじめての留学で学んだこと
留学する前の私は、「なんとなく楽しくない・つまらない」「このままじゃいけない気がする」といった言語化できないモヤモヤを抱えていた訳ですが、この記事ではまだまだ書ききれない程の素晴らしい出会いや体験を通し、文字通り多くの学びを得ました。
私自身のその後の価値観にも大きな影響を与えてくれることになるこれらの気づきは、その後の大学生活にも変化をもたらしました。
それまで以上に勉強に専念するようになり、他大学の部活に途中入部し、何よりも視野が広がったことで小さなことでは動じなくなり、心が安定したような気がしていました。
アジアや中東諸国を中心としたクラスメイトとの交流も刺激的で、そこでもまずは自分から心を開いて自己開示することで、言葉の壁を越えた素晴らしい人間関係が構築できるという発見も大きな収穫でした。
この留学で私が得た学びの「すべては自分次第」というマインドセットは、他責ではなく自責で生きて行きたいという自分自身に対する戒めでもあります。
そして、コンフォートゾーンを飛び出すことで手に入れた視野の広がりは人生の選択肢を増やし、自分を自由にさせてくれるものだという安心感にも繋がりました。
留学という原体験を通して私の人生が少しずつ上向きになっていったように、この記事を読んでくれているあなたにも、人生のターニングポイントとなるような「原体験」があるのではないでしょうか。
なんとなくモヤモヤして立ち止まっているそんな時に、ぜひ今の自分を形作っている出来事を思い出してみてください。
きっと、これからの生き方のヒントがそこにあるはずです。
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