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灯すラボで、おもしろい未来をつくる。

1.秋の行楽は有田へ!


長~いコロナ禍も、落ち着いたのか小休憩なのか、感染者数も一時期よりもだいぶ減り、ようやく休日には外に出掛ける人が増えてきましたね。

11月は秋の行楽シーズンということで、有田でも「秋の有田陶磁器まつり」が絶賛開催中。そして、20~21日の2日間は、灯す屋主催の「うちやま百貨店」も開催されます!ぜひ秋の有田に、足を運んでもらえたら嬉しいです。

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2.うちやま百貨店を開催する理由


さて、ここで灯す屋がなぜ「うちやま百貨店」というイベントを開催しているのか、おさらいします。実は、目的が途中で変わっているんです。

いまから約3年半前、有田町の地域おこし協力隊だった私と上野さん(現・灯す屋事務局長)、そして有田に移住してきたはっしー(現・灯す屋副代表)の3人で企画したのが、うちやま百貨店でした。この企画は、元々は「内山地区にある空き店舗を、春の陶器市以外のときにも、どうにかしてお店として活用していけないか」という地域の方からの声を受けて、考えたものです。

「空き店舗見学ツアー」なども開催しましたが、”やはりお店の場合は見るだけじゃなくて使ってみることも大事だろう。だったら試しに使える機会をつくりつつ、空き店舗のオーナーさんと出店者が知り合える機会をつくれたらいいな” と思い、イベントをすることにしました。キャッチーにするため、『空き店舗オーナーと出店希望者をつなぐ、まちなかマッチングマルシェ』という表現でうちやま百貨店を伝えてきました。

一斉にお店を借りて、一斉に出店者さんに声をかけるので、かなり大変だし、普段は空き店舗の場所なので使いにくい部分もあったりしましたが、皆さんの頑張りとたくさんの応援もあって回を追うごとにお客さんの数も増えていきました。

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しかし、続けていくうちに、ある問題に直面します。

3.うちやま百貨店 2つの問題


1つめは、イベント時以外の集客ができないため、通年出店してくれたお店の継続が難しいこと。結局うちやま百貨店をやってないときの内山地区の人通りは閑散としたままで、通年でお店を出してもらっても集客をサポートする手立てをつくることができませんでした。

2つめは、活用可能な空き店舗数が増えていかなかったこと。うちやま百貨店の回数を重ねても、「うちの空き店舗も使ってよかよ!」というオーナーさんと出会うことはできず。出店に繋げられていないのが一番の原因だと思いますが、イベントの主旨が伝えきれていない(分かりにくい)のかなとも思いました。

お客さんは増えてきたけど、目的が達成される見込みが薄い。周りの期待とは裏腹に、「このまま続けていいのか」という疑問が湧きます。


4.うちやま百貨店への疑問


そして、2019年秋の開催後、うちやま百貨店を開催する目的を「灯す屋が考える10年後の有田の未来を、まちの人たちと共有する」というものにシフトしました。うちやま百貨店が思っていた以上に、有田やその近隣の人たちに楽しんでもらっているのを感じていたので、うちやま百貨店を続けるために目的を変更した、という感じです。

さらに今年の夏頃、年に1回のうちやま百貨店を日常に落とし込むために、うちやまポップアップという新企画を立ち上げました。まずは月に1回、ちいさなうちやま百貨店+トークイベントを行い続けていくことで、これまでできなかった日常的な賑わいをつくっていこうという狙いです。

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…しかし、このうちやまポップアップは1回目の開催直前に起きた佐賀豪雨、その後のコロナ第5波によって、無期限の延期に追いやられました。

これは、3回目までの企画と出店者確保は済ませていたのでショックでした。もうイベントやるの辛いな、どうしようかと思っていました。すると、ここである大事なことに気づいたんです。


本当に、うちやま百貨店のような未来(=観光客が日常的に多数訪れるまちになること)を内山地区の人は望んでいるんだろうか?


コロナ前までは、漠然とそういう未来をみんなが望んでいるものだと思っていたし、自分自身もはっきりと「こんな地区になって欲しい」という未来図を持っていなかったので、みんなが喜んでいるうちやま百貨店をみんなが求めている未来だと思って取り組んできました。

しかし、コロナで企画が中止になったり、お客さんが来なくなったりした有田のまちを見たときに、本当に観光のまちを目指していいのかな?と疑問が湧いたんです。それよりも、やっぱりここはずっと(陶磁器)産業のまちだと思っていて、それが有田の日常と同化しているからおもしろいのであって、そこにもっとアプローチしたいなと思いました。

で、想像してみたんです。
このまちを歩くのが観光客ではないとしたら、誰なんだろう。

すると、すーっとイメージできたのが、「有田の中の人と外の人が、一緒にアヤシイ作戦会議をしながらニヤリと歩く様子」でした。つまり、「有田ってなんかオモシロいまちっすね」と思ってくれる前向きでクリエイティブな有田町外の人と、ちゃんと自分なりの有田のオモシロさを語れる有田町内の人が一緒に何か始めようとしているというイメージです。
伝わってますか?笑

幸いにも、自分なりの有田のオモシロさを語れる人は、結構多いと思っています。良い意味で、シビックプライドがずーっと高いまちなんです。

ただし、ちょっと足りないなと思う部分が有田町外のクリエイティブ人材で、特に焼き物以外のクリエイティブがかなり少ないという印象があります。それは、恐らく有田のクリエイティブ=有田焼というイメージに基づいているからであり、その窯元や商社と焼き物をつくるというアウトプットが前提となっているからだと思います。

では、そういったクリエイティブ人材が有田に来たくなる焼き物以外の理由ってなんだろう?と思ったときに、やはり先述した有田のオモシロさを語れる人に出会えることなんじゃないかと思うんです。そんな人とここに来れば出会えるし、ここでつくることができる。そんな場所と機会をつくることが、もしかしたら有田の最大の魅力になるんじゃないか。

だいぶ前置きが長くなりましたが、灯す屋はそれを「灯すラボ構想」としてスタートさせていくことに決めました。

5.灯すラボ構想

ラボとは、”研究所” を意味します。実は有田は元々、研究者がたくさん暮らしているようなまちだと思っています。難しくて答えがないような本質的な問題に、先人の陶工や地域の人たちは真剣に取り組んできました。そして、今もそんな人たちがたくさんいらっしゃいます。移住してくる人たちも、そんな人が多いなあと。だから、町民はみんな ”研究員" の候補者です。

そんな有田の研究員と、外から来た未知のクリエイティブが邂逅したとき、一体どんなオモシロいことが生まれるんでしょうか??それを想像しただけで、もうワクワクします。

これが町内のいろんなところで活発に行われている状態になったら、、最高に楽しそう!!

灯す屋はそんな状況を目指し、まず取り組んでいるのが場所の準備です。現在、「灯すラボ実験室」の実験室『A』『B』の2軒を準備しているところで、ここを舞台に色んな人たちが出会い、繋がっていってほしいなと思っています。(実験室『A』『B』の紹介はまた後日!ちなみに写真は、実験室『A』で先日行ったウッドフェンスづくりWorkshopの様子です)

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最後に、灯すラボが達成したい目標は以下の3つです。

・新しい仕事や産業を生み出し、未来をおもしろくする。
・地域を持続させ、伝統産業をもつまちのモデルになる。
・地域に多様性を生み出し、障壁のない自由なまちをつくる。

この3つのゴールを目指して、灯す屋は新しいチャレンジをしていきます。そう、これは ”実験" なので失敗もするかもしれないけど、失敗しても何度でもチャレンジできるしそれをみんなが応援するまちになっていってほしいなと思います。

これを読んでくれたあなた、一緒にチャレンジしませんか?

6.プレオープニングイベントのお知らせ


灯すラボ実験室『A』は、11/20(土)~21(日)のうちやま百貨店において、オープンハウスならぬ「オープンラボ」を開催し、内部を自由に見学できるようになります。さらに、11/20(土)のうちやま百貨店の際にプレオープニングイベントを開催します。灯すラボはじめてのチャレンジなので、ぜひ遊びにきてください。要事前申込(先着10名)です!

これから毎月のように、プレオープニングの企画をやっていくので、ぜひぜひ実験室に足を運んでみてください!