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佐賀にいいライターが生まれました!/灯すラボアカデミー

皆さん、こんにちは。灯す屋の佐々木です。
台風も過ぎて夏が終わり、森山直太朗がリフレインする今日この頃ですが、ビシャーっとお過ごしでしょうか。

さて以前からこのnoteにも何度か書いてきましたが、灯す屋は今年から「灯すラボ」というプロジェクトをスタートしました。合言葉は"おもしろい未来をつくろう"。地域に暮らすみんなが、それぞれにおもしろいと思えるヒト・モノ・コトに出会い、学び、トライし、おひろめすることができる。そして、それがぐるぐるとらせん状の循環を生み出すという考え方をベースに、色々な企画や仕事をつくり出していくプロジェクトです。

灯すラボのロゴデザイン

今回は、灯すラボのプロジェクトの1つ『灯すラボアカデミー』から、以前「ライターが増えたら地域が盛り上がる4つの理由」という記事でご紹介した『みんなでつくる佐賀のいいライター講座』(全9回)を実際やり終えてみてどうだったのか、お話しします。物を書くことや情報発信に苦手意識を持つ人、もっと魅力的な文章を書けるようになりたい人、地域のことが大好きでもっとそれを伝えたい人など、色々な人たちが一堂に集い駆け抜けた4か月をふり返っていきたいと思います。

「みんなでつくる佐賀のいいライター講座」が生まれたきっかけとは

この講座をはじめたのは、今年の春頃、私がライターの岩楯忠介さん(以下、いわさん)と話したときに出てきた共通の課題感でした。

① 佐賀の魅力をしっかりと伝えられる人が、県内に少ない。
② 佐賀を伝える仕事が、県外の広告代理店などに流れている。

私は移住当初から自分でSNS等に書いて情報発信をしていたこと、書くのが嫌いではないことから、一応"ライターの端くれ"です。実は、その程度の私にも、たまに記事作成のオファーが来ます。そのくらい、佐賀にはライター(と名乗る人)がいません。実際、検索しても佐賀の情報量って他県に比べて少し控えめに感じます。「SNSで次の行先を探す」という時代になり、個人が発信するニッチでディープなローカル情報が渇望されている今だからこそ、それを的確に取材し伝えられるライターのスキルが佐賀で必要なんじゃないかなと考えています。

また、県内にライターが少ないことによって、例えば行政が「佐賀の暮らしの魅力を伝えるウェブサイトをつくる」という大きな予算のついた企画を公募しても、佐賀ではそれを受けきれずに県外に出て行ってしまうという現実を何度も目にしてきました。県外に仕事が出ていくと、佐賀でライターが育つ機会が失われます。すると、次の同様の機会があっても勝てない。この負のスパイラルから抜け出せなくなっているのが、佐賀の現状だと言えるのではないかと思っています。

いわさん「じゃあボク講師やるんで、灯す屋で運営やってもらえません?」
私「いいっすね、やりましょう」

真剣なトークをした後に、だいぶ軽いノリでスタートすることになったのがこの『みんなでつくる佐賀のいいライター講座』でした。いわさんがさらっとつけたこのタイトルですが、本当にうまく自分たちが目指すものを表現しているなあと思っています。

いわたてただすけ、はトイストーリーではなく

ここで、私から見たいわさんの話を簡単にします。

いわさんは不思議な人です。ノッポです。東京出身です。トイストーリーとかにいそうな顔をしています。奥さんと娘たちが超かわいいです。飲み会大好きです。

おしゃべり大好きいわさん

伊万里には5年ほど前に家族で移住(嫁ターン)してきたけど、来る前から「佐賀ライター」と名乗ってツイッターで旋風を巻き起こしていました。

伊万里に来てからは、古民家を活用してまちおこしをしたり、高校生たちと「#キセキ部」という非公認の部活をつくったりと、いわさんは私がイメージするライターとは全然違うことをずっとやっています。以前、灯す屋のイベントにトークゲストで出ていただいたときも「佐賀はライター業以外をやれるのがおもしろいんだよ」と言ってました。

そして、いい意味で、いわさんからどんどんお金の匂いがしなくなっています。ライター講座の講師料ゼロって、考えられなくないですか。いわさんが得ている対価は、もしかして「おもしろい未来」なんじゃなかろうか。そんなこと書いてたら、トイストーリーっていうよりはガンディーに見えてきたぞ。灯す屋が目指す理想、それがいわさんなのかもしれない。

すくなくとも眼鏡は似ている

部活みたいだったライター講座

そんないわさんのもとに集まった、ライターの卵たち10人(おひとりはお仕事の都合で途中自体)。皆さん最後まで、ほとんど欠席することなく参加してくれました。

ライター講座第1回目のあと。まだ少しぎこちない表情。

参加者の住まいは、佐賀、武雄、嬉野、唐津、そしてなんと大阪!2週間に1回の講座に合わせて、有田に帰省して参加してくれました。属性としては、地域おこし協力隊、猟師、ベビーシッター、レストラン勤務など様々でした。

いわさんの講義に聞き入る受講生

月曜日9:30~11:30の2時間の講座を受けて、みんなでランチを食べて色んな話をしました。途中から2~3人1組のチームをつくってメディアをはじめよう!という企画が始まり、講座以外の時間でも集まって活動しました。

途中、特別講師として武雄在住のカメラマン"巨匠"野田尚之さん、野田さんの奥様でデザイナーの野田ひとみさん、伊万里出身のイラストレーター兼インスタグラマーの犬山ハルカさんにもご協力いただき、ライティング以外の知識や考え方も学ばせていただきました。

犬山さんのオンライン講義

「ライター講座」というネーミングでしたが、講座というよりは部活?サークル?のような楽しくてちょっとアツい4ヶ月になりました。

そしてライターへ

先日、台風一過の有田で最終回を開催しました。

開会の挨拶

最後は、皆さんに「移住をテーマにした記事」を1本ずつ書いてもらい、noteに公開していただきました。(取材対象の都合により非公開となっている記事が1本あります)

結論、皆さん素晴らしい記事を書いてくださいました。ぜひ読んでみてください。

人と違う選択も楽しくなった、移住という始まり
佐賀県嬉野市はどんな街?移住に優しい支援を使ってお得に移住!
佐賀県発福岡天神着の⻑距離通勤を体験してみた
住めば都”西九州のハブ都市武雄”
まずは佐賀で『人に出会う旅』してみませんか?
「素敵なまちに住む機会をくださってありがとうございます」 ~戦禍のウクライナから佐賀へ避難、その生活~
東京から1人で佐賀に来たら“家族”みたいな人と場所に出逢えた話
盃と本音を交わす大阪の若者と佐賀の若者。佐賀の3人組、生粋の大阪3人組の心を鷲づかみ?!

記事の審査をすることになり、いわさん、野田尚之さん、私、そしてテーマが移住ということもあり、佐賀県庁移住支援室より平間さん(現地参加)と栁川さん(zoom参加)にも参加していただきました。お忙しいところお時間を作っていただき、皆さん本当にありがとうございました。

本当に素晴らしい記事ばかりで審査はかなり難航しましたが、最優秀記事は古泉志保さんが書いた『「素敵なまちに住む機会をくださってありがとうございます」 ~戦禍のウクライナから佐賀へ避難、その生活~』となりました!この記事、本当に泣けます。おめでとうございます。

なお、この記事はnoteの「#今日の注目記事」にもピックアップされ、6000 viewを超える結果を叩き出しました。恐るべし。

そして講評会の様子が、なんと9/12より有田のケーブルテレビにて放映されます。有田町内の方はぜひご覧ください!

つづけることが大事

ライター講座をやってみて、いわさんと話したのは「また来年もやろう」ということでした。灯す屋としては、有田に集まってもらって開催する意義も大きく、なによりも佐賀の魅力を伝える人が確実に増やせることが実証された今、今後も継続していくことはすごく大切なことだと感じています。

そして、ライター講座で学んだみんなは「佐賀のいいライター」第1期生として、色々な場所で活躍していくと思います。彼らのことも応援していきたいし、皆さんもぜひ応援してあげてください!

佐賀のいいライターたち