第一話:灯す屋ができるまで ④地域おこし協力隊編
2015年9月、わたしは佐賀県有田町の地域おこし協力隊になりました。
所属していた有田町役場から与えられたミッションと活動拠点は、こちら。
空き家活用や移住を勧めたりお手伝いする仕事ということで、前職の薬の研究とは全く畑違いもいいとこでした。当然、宅建の資格も持ってないし、なんなら有田のいいところもまだ殆ど知りませんでした。
しかし、職場(有田町まちづくり課)の皆さんがすごく優しかったので、自分らしく自由に好き勝手にやらせてもらえて、本当に幸運だったなと思います。いまになって分かったけど、ぼくは企画づくりが大好きです。
協力隊は、3年間という期間限定でした。その間に取り組んた活動をいくつか紹介します。ちなみに、当時の活動の様子はFacebookページ「アリタカラ」で見られます。
1.空き物件見学ツアー
月に一度、有田町と提携している町内不動産業者さんと一緒に、町内の空き物件(空き家、空き店舗、空き工場、など)を巡ります。
協力隊の着任1年目から始めた事業で、「空き家をホームページに載せてるだけじゃ全然買う人も売る人も出て来ないから、直接見に行く企画をつくったらもうちょっと興味ある人とか出てくるかも」と気軽に思って始めたものでした。
結果としては今も継続している事業となり、次回(2021年8月)で54回目となるご長寿コーナーとなりました。
2.シェアハウス&シェアアトリエ『コネル』
実際に自分で空き家をリノベーションして、本気でまちづくりに参加しよう!と思って始めたのが、このコネルです。
コネルは、2016年の夏前から2017年の秋頃まで、1年数カ月もの時間をかけて、ほぼDIYでつくりました。その様子はブログに残しているので、こちらも良かったらどうぞ。資金調達のために、クラウドファンディングもやりました。
・現役陶磁器店の2階空きスペースを活用してみる。しかも、DIYで時間をかけて作ってみる。
・焼き物づくりを学びに有田に来ている子たちは、内山地区のような古い町なみできっと暮らしてみたいはず。
色んな仮説をつくって実験を繰り返した結果、このシェアハウスにはこれまでに11人の人たちが暮らしてくれたし(いまも2人が暮らしています)、すぐ近くにもシェアハウスがいくつかできました。まちをちょっとだけ変えるきっかけを作れたかな、と思います。
3.うちやま百貨店
コネルがきっかけで、地域の人たちが、内山地区(伝統的建造物群保存地区であり、自分の活動エリア)にある空き店舗をいくつか紹介したり相談してくれるようになりました。
そこで始めたのが、複数の空き店舗を一斉に借りて、複数の出店希望者にその店舗を使ってもらい、街なかをまるで百貨店のように歩きながら買い物を楽しめるという企画、うちやま百貨店です。
この企画をつくったのは、わたしと、コネルを一緒につくったはっしー(橋本優)と、わたしの後輩の地域おこし協力隊であった上野菜穂子さんでした。結果的に、このメンバーでその後、NPO法人灯す屋を立ち上げることになりました。
いまも、このうちやま百貨店はわたしたちの活動の看板になっています。
活動については、3つだけ紹介しました。
本当はもっといろいろとやっていて、まあまあ良かったものもあれば、「チキショウ、やんなきゃよかった…!」みたいなものも色々とあります。
それは、またそのうち気が向いたら話すとして。
「しゃ、3年やり切った!」となるかなと思ってたら、「おいおい、3年経ってようやく芽が出てきて楽しくなってきたのによ…!」という想いの方が強くなったことと、一緒に事業をやっていける仲間が出来たことで、法人つくろうかというところに至りました。
退任直前に決めちゃったこともあり、結構準備やその後が大変でした。お金も全然ないし。
でも、やることにしてよかったなと思っています。最初の2年はきつかったけど、この1年はだいぶ良くなってきて、いまは仕事が本当に楽しくなってきてます。
2021年8月15日で、灯す屋は丸3年を迎えます。
これからますます色んなチャレンジをやっていくので、ぜひたまにちらちら見てやってください。
第2話では、灯す屋がやってることややろうとしていることを、細かく説明していこうと思っています。お楽しみに!