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配球パターン分析 2023BNP Paribas Open C. アルカラス vs D. メドベージェフ(D. メドベージェフ選手サーブゲーム)

こんにちは、トモヒトです。

今回は、2023年BNP Paribas OpenのC. アルカラス vs D. メドベージェフでの配球パターン分析をしてみます。

パターンの分類については、下の記事の方法で実施しています。

パターン分類ごとに、配球パターンの可視化(今回はパターンに含まれるラリーを1つ挙げて可視化します)、サーブポイント獲得率、発生回数を見ていきます。

アルカラス選手のサーブゲームでのパターン分析は、下の記事で行っています。


サーブの配球

まずは、サーブの配球をみてみます。

1stサーブ

1stサーブの配球は、次のようになっています。

1stサーブの配球

デュースサイド/ワイド :打球回数=15回/サーブポイント獲得率=0.600
デュースサイド/センター:打球回数= 4回/サーブポイント獲得率=0.750

アドサイド/ワイド(深め):打球回数= 3回/サーブポイント獲得率=0.667
アドサイド/ワイド(浅め):打球回数= 2回/サーブポイント獲得率=1.000
アドサイド/センター   :打球回数= 6回/サーブポイント獲得率=0.500

デュースサイドではワイドへの配球が多く、アドサイドではワイドとセンターへの配球が同じくらいとなっています。
アドサイドのワイドを2種類に分けている箇所は気になりますが、このまま話を進めていきます。

2ndサーブ

2ndサーブの配球は、次のようになっています。

2ndサーブの配球

デュースサイド/ワイド :打球回数= 2回/サーブポイント獲得率=1.000
デュースサイド/センター:打球回数= 4回/サーブポイント獲得率=0.250

アドサイド/ワイド :打球回数= 5回/サーブポイント獲得率=0.600
アドサイド/センター:打球回数= 4回/サーブポイント獲得率=0.250

アルカラス選手は2ndサーブはバックハンドを狙った配球になっていたのに対して、メドベージェフ選手はフォアハンド側にも適度に散らしていることがわかります。

サーブコース別の展開(1stサーブ)

デュースサイド/ワイドへのサーブからの展開

デュースサイドでのワイドへのサーブからのラリー詳細は、次のようになります。

デュースサイド/ワイドへのサーブからの展開

デュースサイドでのワイドへのサーブからの展開について、配球パターンごとのサーブポイント獲得率とパターン出現回数をみてみます。

まずは、3球目までの展開を見てみます。

3球目までの配球パターン

デュースサイドでのワイドへのサーブからの3球目までの展開としては、2パターンが検出されました。

  1. センター付近へのリターンに対して、ベースライン付近から逆サイドへのストローク
    (発生回数=4回/サーブポイント獲得率=0.5)

  2. センター付近への浅いリターンに対して、ベースライン内からのフォアハンド
    (発生回数=3回/サーブポイント獲得率=0.667)

  3. センター付近へのリターンに対して、ベースライン付近からのフォアハンド
    (発生回数=3回/サーブポイント獲得率=0.333)

  4. センター付近へのスライスリターンに対して、逆サイドへのバックハンド
    (発生回数=1回/サーブポイント獲得率=1.000)

パターンごとにポイントの全ラリーを見てみます(行ごとに各パターンの全ラリーを表示)

パターン1

パターン1のラリー詳細
パターン1のラリー詳細(3球目まで)

パターン2

パターン2のラリー詳細
パターン2のラリー詳細(3球目まで)

パターン3

パターン3のラリー詳細
パターン3のラリー詳細(3球目まで)

パターン3は、パターン2と似ていますが、3球目のポジションがパターン2よりも後ろになっています。

パターン4

パターン4のラリー詳細
パターン4のラリー詳細(3球目まで)

パターン4は、パターン1と類似パターンと考えてもよさそうに感じます。
おそらく、リターンがフォアハンドスライスというところが、パターン1と4の差分だと考えられます。


デュースサイド/センターへのサーブからの展開

デュースサイドでのセンターへのサーブからのラリー詳細は、次のようになります。

デュースサイド/センターへのサーブからの展開

デュースサイドでのセンターへのサーブからの3球目までの展開としては、1パターンが検出されました。

  1. センター付近へのリターンに対して、逆サイドへのフォアハンド
    (発生回数=2回/サーブポイント獲得率=0.0)

3球目までの類似パターン

デュースサイドでのセンターへのサーブからの3球目までの展開としては、1パターンが検出されました。

  1. アドサイドへのリターンに対して、逆サイドへのストローク
    (発生回数=3回/サーブポイント獲得率=0.667)

類似パターンのラリー詳細は次のようになります。

類似パターンのラリー詳細(3球目まで)

真ん中のポイントは3球目がフォアハンドなので、別パターンとして識別したほうが良いような感じもします。


アドサイド/ワイドへのサーブからの展開

アドサイドでのワイドへのサーブからのラリー詳細は、次のようになります。

アドサイド/深めのワイドへのサーブからの展開
アドサイド/浅めのワイドへのサーブからの展開

まずは、3球目までの展開を見てみます。

3球目までの類似パターン

アドサイドでの浅めのワイドへのサーブからの3球目までの展開としては、1パターンが検出されました。

  1. センター付近へのリターンに対して、ベースライン内からフォアハンド
    (発生回数=2回/サーブポイント獲得率=1.0)

コースが異なるため、類似パターンとみなせるかは疑問の残るところです。


アドサイド/センターへのサーブからの展開

アドサイドでのセンターへのサーブからのラリー詳細は、次のようになります。

アドサイド/センターへのサーブからの展開

まずは、3球目までの展開を見てみます。

3球目までの類似パターン

アドサイドでのセンターへのサーブからの3球目までの展開としては、1パターンが検出されました。

  1. センター付近へのリターンに対して、ベースライン内からのフォアハンド
    (発生回数=3回/サーブポイント獲得率=0.0)

類似パターンのラリー詳細は、次のようになります。

類似パターンのラリー詳細
類似パターンのラリー詳細(3球目まで)

1ポイント目と2, 3ポイント目は3球目のコースが異なるため、別パターンとしてとらえるほうがよいと感じます。


サーブコース別の展開(2ndサーブ)

デュースサイド/ワイドへのサーブからの展開

デュースサイドでのワイドへのサーブからのラリー詳細は、次のようになります。

デュースサイド/ワイドへのサーブからの展開

この2ポイントについては、類似パターンとして検出されました。

ただし、3球目のコースが大きく異なるため、類似パターンととらえるのは厳しいと考えられます。

類似パターンのラリー詳細(3球目まで)


デュースサイド/センターへのサーブからの展開

デュースサイドでのセンターへのサーブからのラリー詳細は、次のようになります。

デュースサイド/センターへのサーブからの展開

まずは、3球目までの類似パターンを見てみます。

3球目までの類似パターン

デュースサイドでのセンターへのサーブからの3球目までの展開としては、1パターンが検出されました。

  1. デュースサイドへのリターンに対して、ベースライン付近からのセンター付近へのフォアハンド
    (発生回数=2回/サーブポイント獲得率=0.0)

類似パターンのラリー詳細は、次のようになります。

類似パターンのラリー詳細
類似パターンのラリー詳細(3球目まで)


アドサイド/ワイドへのサーブからの展開

アドサイドでのワイドへのサーブからのラリー詳細は、次のようになります。

アドサイド/ワイドへのサーブからの展開

まずは、3球目までの類似パターンを見てみます。

3球目までの類似パターン

アドサイドでのワイドへのサーブからの3球目までの展開としては、1パターンが検出されました。

  1. アドサイドへのリターンに対するバックハンド
    (発生回数=2回/サーブポイント獲得率=0.5)

類似パターンのラリー詳細は、次のようになります。

類似パターンのラリー詳細
類似パターンのラリー詳細(3球目まで)

3球目の球種とコースを比較すると、類似パターンとは言い難いように感じます。


アドサイド/センターへのサーブからの展開

アドサイドでのセンターへのサーブからのラリー詳細は、次のようになります。

アドサイド/センターへのサーブからの展開

3球目までの類似パターンを見てみます。

3球目までの類似パターン

アドサイドでのセンターへのサーブからの3球目までの展開としては、1パターンが検出されました。

  1. センターへのリターンに対するバックハンド
    (発生回数=3回/サーブポイント獲得率=0.333)

類似パターンのラリー詳細は、次のようになります。

類似パターンのラリー詳細
類似パターンのラリー詳細(3球目まで)


まとめ

今回は、2023年BNP Paribas OpenのC. アルカラス vs D. メドベージェフ(メドベージェフ選手のサーブゲーム)での配球パターン分析をしてみます。

興味深い結果もある一方で、検出された類似パターンに疑問の残る部分もあり、今後の検討課題だと感じました。
今後、複数の試合データを組み合わせて、より普遍的なパターンが見つけられるのかに挑戦していきたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想あれば、コメントにお願いします。

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