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言葉ダイエットを紹介

今回ご紹介するのは、電通コピーライターの橋口幸生氏の『言葉ダイエット』です。本書では、橋口氏のコピーライティングスキルから、読みやすい文章の書き方について教えてくれています。

我々は伝えたい内容を書きすぎてしまうことで、結果的に伝わらない文章になってしまっている悪循環が起きています。これを「言葉ダイエット=言葉の贅肉を削ぎ落とす」ことで解決することができると言っています。

本書を読むことで、
・ビジネスパーソンであれば「メールや企画書を読みやすく書きたい」
・就活生なら「印象に残るエントリーシートを書きたい」
と言った悩みを解消してくれることでしょう!

■本書で得られる内容
・読みやすい文章の書き方
・スキルで読みやすくする方法
・読みたくなる文章の書き方
・読みやすい文章の実例集の紹介

COMTENTS 目次
第1章 なぜあなたのメールや企画書、エントリーシートは読みにくいのか?
第2章 言葉ダイエットで短く書こう
第3章 言葉ダイエットを実際にやってみよう
第4章 読みたくなる文章の書き方
第5章 言葉ダイエット実例「読みやすいとは、こういうことだ」

第1章 なぜあなたのメールや企画書、エントリーシートは読みにくいのか?

 読みにくさの根源は、「遠回しで、小難しくて、カタカナだらけで、何より長い」文章にあります。PPTは端から端まで文字ビッシリで、妙な色の矢印が飛びかったりと、とにかく読みにくい。我々も無意識のうちにそんなアウトプットをしているのではないだろうか?

我々が属しているビジネスの世界では、文章を書きすぎて、難しい概念や用語を使うことが常識でそれがステータスや価値を生んだりする。返って読みにくく、ヘタクソな文章にしてしまう要因なのです。

文章にする際に重要なこと = 『必要な内容を取捨選択すること』

思っていることを書くことは誰でもできるが、本当に伝えるべき内容だけを取捨選択をする。つまり、「書くこと」以上に「消すこと」が重要です。
それこそが、言葉ダイエットなのです!

読みやすい文章がかけることは「文才」と思っている人が多いかもしれませんが、実は、基準に沿って書く「スキル」で劇的に変えることができます。
第二章以降で「言葉ダイエット」のスキルを紹介していきます。

第2章 言葉ダイエットで短く書こう

ビジネス文章が長くなる以下の2つの理由と短く書くための7つのポイントを紹介します。詳細は本書で確認してもらいたいと思います。

■ビジネス文章が長くなる理由
理由1:読んでもらえる前提でいるから
理由2:あなたが真面目で、能力が高いから

理由1:読んでもらえる前提でいるから
基本、書いた文章の全てを読んでもらえる前提にいるのではないだろうか?情報量の多い企画書や長い文章は嫌だと感じる反面、書き手に変わった途端、読み手の気持ちを忘れて同じ文章を書いてしまっています。

新人コピーライターには、「広告なんて誰も見たくない」という前提を叩き込むように、「相手は自分の文章を読みたくない」前提で文章や企画書を作成することで文章が変わってくるはずです。

理由2:あなたが真面目で、能力が高いから
文章が長くなる心理には、「確実に情報を伝えたい・目上の人に失礼のないようにしたい・最新専門用語を使いたい」などの理由があると思いますが、そのどれもがビジネスパーソンとしては抑えておくべきポイントです。
よって、むしろ優れた素養である証拠であるとも言えます。

■言葉ダイエットで短く書くための7つのポイント
1 ひとつの文には、ひとつの内容だけを書く
2 1文は40〜60文字以内
3 抽象論禁止(修飾語、カタカナ用語は最小限に)
4 繰り返し禁止(重言にはとくに注意)
5 ムダな敬語禁止(嫌われないより、読みやすさ優先)
6 表記を統一しよう(同じ内容には、同じ単語を使う)
7 こそあど&接続後の連発禁止(体言止めを使って、文章をつなげよう)
※詳細は割愛します。ページ p18〜p57

第3章 言葉ダイエットを実際にやってみよう

「メール、企画書、エントリーシート」3つをダイエット前後の文章を見ることで、読みやすさが何なのかを理解してもらえると思います。
詳細は本書で確認してください。

1 読みやすいメールとは
メールは毎日大量にやりとりしているからこそ、読みにくい文章では受け取り側が気が滅入ってしまいストレスになってしまいます。読みにくいメールとは、「情報が別のメールや添付に散ってしまっているメール」のことであり、大きく以下のポイントで読みやすい文章に変えることができます。

・メールの読みやすさは「構造」で決まる
・件名や添付ファイル名は短く!
・重要な情報は前半に記載する
・こまめに改行する
・宛先を追加 / 削除するときは必ず明記
・正しい敬語より即レス
※詳細は割愛します。ページ p63〜p74

2 読みやすい企画書とは
第1章で説明した「書きすぎてしまう」問題が最も顕著に表れるのが、企画書などプレゼンの文章です。受け手は、トークと企画書の両方を同時に理解する必要があるため、文字が多すぎる企画書を咀嚼する余裕はないのです。

基本的には、第2章で説明した「言葉ダイエットで短く書くための7つのポイント」に沿って構成していきます。さらに説明に描写を加えることで、「解像度を上げる」作業を加えます。解像度を上げることで具体性が高まり、見た人にとっては共感を生むのです。

企画書ひいてはプレゼンでは、程よい緊張感は必要ですが、形式にこだわりすぎず、自然体の文章を心がけましょう。自分らしさがでている文章こそ、分かりやすく、読んでいて気持ちのいい文章になるはずです。

・読み聞かせの絵本だと思う。
・説明だけでなく、描写する。
・プレゼンを想像して、文字は大きくする。
・ときには脱線して、プライベートの話題を入れる。
※詳細は割愛します。ページ p75〜p105

3 読みやすいエントリーシートとは
カッコつけるあまり空虚になり、書いた人の顔が見えなくなってしまう問題が端的に表れるのが就職活動のエントリーシートだと思います。

就職活動に模範解答はなく、企業側が見たいのは私たち自身なのです。記載する内容や受け答えの内容は簡単に調べることができる時代だからこそ、今は型にはまらない人材が求められるようになるでしょう。
なにより、自分自身を自分の言葉で表現することが何より大事です。

・学生時代に頑張ったことで差はつかない
・発見をカッコつけない言葉で書く
・誰も優秀なエリートを期待していない
・大切なのは能力よりも発見
・志望動機は、無くてもいい
・企業とあなたの接点を探そう
・エントリーシートで全てを伝えようとしない

※詳細は割愛します。ページ p106〜p117

第4章 読みたくなる文章の書き方

ここまで言葉ダイエットで読みやすくする方法を紹介してきましたが、どんなに読みやすくても内容がつまらなかったら意味がありません。やはり、人が読みたくなるおもしろい文章を書く必要があります。

おもしろいとは = 『発見があるかどうか』

発見がある文章はおもしろいものです。
橋口氏が「鬼平犯科張25周年記念動画 鬼へえ」というWEBムービーを制作した際、「武士の門限は夜6時」という新しい事実の発見を組み込みました。
このようにビジネスでなんであれ、文章を書く時は読み手にとって「発見」があるように意識することが大切なのです。

この発見には、2種類に分けることができます。

・主観的発見
・客観的発見

・主観的発見
主観的発見とは、人の気持ちの中にある発見です。
言われてみれば確かにそうだなと、心のどこかで思っていることを言い当てる「潜在的感情の顕在化」です。
主観的発見は、基本的には人の経験の中から探し、いつも毎日のほんの些細な瞬間を、一歩踏み込んで考えることが大切になります。

・客観的発見
主観的発見とは対照的に客観的発見は「外の世界」にあります。
つまりは、読み手の知らない事実と言ってもいいかもしれません。
客観的発見は、本や映画はもちろん、駅までの風景や友達のさりげない一言など、日頃接するすべてに「発見」がないかを観察するといいと思います。

では、発見のある文章を書くための4つのステップを紹介します。

ーコピーライター流「発見」の探し方ー
1 広げる (思いついた発見を書き出す。おもしろくなくてもOK)
2 分ける (広げた発想を切り口ごとに分ける)
3 選ぶ  (出来上がった発想から、目的にあったものを選ぶ)
4 仕上げる(発見できたと思っても、そこで満足しない
       まったく同じ内容でも、わずかの違いで強さがます) 

発見できたら、最後は文章の構成を「三幕構成」しましょう。
アメリカの脚本家、シド・フィールドによって理論化された、世界中の映画で使われている手法です。

第1幕 導入で読み手を引きつける
第2章 本題を興味深く読んでもらう
第3章 まとめて読後感を決定づける構成にする 

第5章 言葉ダイエット実例「読みやすいとは、こういうことだ」

ビジネス文章が読みにくい理由のひとつには、優れたお手本を目にする機会が少ないことがあると思います。ここでは、「自己紹介」「事実」「提案」「正論」という4つのテーマに分けて紹介します。

『自己紹介』を、どう読みやすく書くか
・具体的なことだけを書く
・経験は、情景が浮かぶように描写する
・経験から得た発見を書く
※詳細は割愛します。ページ p165〜p170
『事実』を、どう読みやすく書くか
・いきなり本題に入らず、読み手を引きつける導入を用意する
・最初に示したテーマを最後に再提示すると、文章がドラマチックになる
・全体と部分を整理して書き分ける
※詳細は割愛します。ページ p171〜p183
『提案』を、どう読みやすく書くか
・結論を一文にまとめて明記する
・ロジックを持つ
・データを引用する
・たとえで分かりやすくする
※詳細は割愛します。ページ p183〜p196
『正論』を、どう読みやすく書くか
・正しさを文字で強調しない
・自分が正しいと信じる事実を書く
・ユーモアを入れる
※詳細は割愛します。ページ p197〜p205

読みやすい文章を書くための最重要ポイントは、「読みやすい文章をマネする」ことです。我々はこれまで新しいことを覚えるため、上達するために自分よりも上手な人をマネすることで学んできました。
しかし、誰もがマネして大人になったのに、ビジネスになった途端、止めてしまう。今からでも遅くはありません、上手い人をマネして読みやすい文章を描けるようになりましょう!


我々は、常に「うまく書かなければいけない」という脅迫観念に駆られています。その結果、ビジネス用語を駆使し、情報を詰め込み読みにくい文章になって自分も読み手も苦しめてしまっています。

書くことばかりに目がいきがちだからこそ、「言葉のダイエット」が必要です。いまこそ鎧を脱ぎ捨てて、自分自身のありのままの言葉を文章にしましょう!

                                TOMO






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