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【股関節】大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)について

こんにちわ!

先日草野球の公式戦がありました!
結果としては負けてしまいましたが、チームとして色々得たものはありました。

特に試合前の準備においてはウォーミングアップ、気持ちなどの準備がうまくできている人とそうでない人。それぞれ経歴が違うのが当たり前でやってきたことも異なるので差が生まれて当然ですが、やはり結果を出す人は準備がしっかりしている。

これは野球などのスポーツに限らず、臨床でも同じだなと最近感じました。

まあ私の野球の話はさておき。笑


本日は大腿骨寛骨臼インピンジメントについて書かさせていただきます!


●FAIとは

大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement : FAI)とは、臼蓋または大腿骨の形態異常によって、股関節を動かしたときに寛骨臼と大腿骨との衝突が生じ、それが反復されることによって軟骨や関節唇の損傷をきたす病態です。


●FAIの分類

分類としては

ピンサー型:寛骨臼側の形態異常を主体
カム型:大腿骨頭側の形態異常を主体
混合型:ピンサー型+カム型をあわせもつ

(熊谷 匡晃:股関節拘縮の評価と運動療法.運動と医学の出版.p249.2019より画像引用)

ピンサー型では、臼蓋の前方被覆の増加によってインピンジメントが生じやすくなると言われています。
レントゲンの所見としてはCE角の増大が所見としてみられます。

カム型では大腿骨頭から大腿骨頸部にかけての膨隆がみられやすいです。

●症状

股関節の痛みとして鼠径部痛がでやすく、日常生活動作の中でいえば
しゃがみこみや深屈曲動作、やわらかいソファに座るなどの長時間の深い股関節屈曲位での座位で痛みが生じやすくなってきます。

可動域制限でいえば股関節全体的に制限は出やすくなりますが
骨盤では特に後傾の可動性の低下がみられやすいです。


●評価

圧痛所見としては
腸腰筋・大腿直筋起始部・大腿筋膜張筋など股関節前面の組織にでやすいと言われています。

整形外科テストとして前方インピンジメントテストやFABERテスト(Patrickテスト)にて陽性所見がみられやすいです。

・前方インピンジメントテスト

(熊谷 匡晃:股関節拘縮の評価と運動療法.運動と医学の出版.p251.2019より画像引用)

股関節90°屈曲し、そこから股関節内旋・内転を強制し、鼠径部痛があれば陽性


・FABERテスト(Patrickテスト)
開排させた姿勢(股関節屈曲・外転・外旋)で膝を床につけるように他動的に動かす。鼠径部痛があれば陽性


●治療

インピンジメントが起こりやすい原因としては主に
股関節後方組織の硬さによるobligate traslationが多いです。

obligate translationは拘縮肩でも話がでることがありますが、
関節包や関節靭帯、筋肉の硬さによって引き起こされる骨頭の変位のことをいいます。

梨状筋や外閉鎖筋をはじめとした深層外旋六筋、後方関節包の柔軟性低下によって、骨頭が前方変位しやすくなります。それによって、動作時に股関節の前方インピンジメントが生じやすくなります。

また、上記の問題に合わせて、腸腰筋や深層外旋筋による大腿骨頭を求心位で維持する機能が必要になってきます。それを評価する上では、股関節の筋力だけではなく、股関節周囲筋の筋出力に関わる体幹筋群の安定性(筋力)も評価し、機能不全が見られる場合は介入する必要があります。


特に股関節の可動域を改善するにあたって大腿骨を動かすと痛みを生じることが多いです。
しかし、大腿骨を固定した状態で骨盤を動かすと同じ股関節屈曲でも比較的痛みを出さずに股関節可動域を維持することができます。

そのため、エクササイズを選択する際も痛みが極力出ないようなものを選択していきましょう。


●まとめ

今回はFAIについて書かさせていただきました。
股関節の痛みの多くは臼蓋形成不全や今回説明させていただいた骨形態異常が背景にあることが多いです。

できる限り早期に痛みを除去できるよう介入し、変形性股関節症を遅らせていくよう努めていくことが大切になってくると思います。


ぜひ、参考になればと思います。


ではでは。

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