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好奇心のままに走る方向を決めていたら裸足のおじさんが走ってきた

最近の私のマイブーム(もはや古語?笑)は、感じること。「感じる」と「考える」の前者の方です。

もう少し正確に言うと、「感じてから考える」と言うことを意識的にやっています。

私たちは日々考えることを求められ、そして、同じように考えた他人の話を浴びています。自分の内側も、外側も、思考の渦だったりします。

それが普通のことで何も気にならないと思います。

でも、本当に考えることしかしなかったら、多分つまらない。なぜなら、楽しい、嬉しいは感じたことであって、考えではないから。

寂しい、悲しいも感じることで、人生は豊かになる。

だから、感じることを意識的にやって、感じたことを土台に考えたらどうなるか、ということをやっている。

ただ、やっているといっても、すべてのシーンでできている訳ではなく、思考優位の状態がすぐに抜けずに、考えが先立ってしまうこともしばしば。

なので、感覚を養うためにランニングでルート選択をする時は、行きたいルートを感じて選択するようにしている。

私は森が好きなので、ランニングコースはなるべく木のあるところにしている。一番好きな場所が家の近くにある二つの小高い丘全体が森になっている公園

街中にありながら、そこだけは森と山の雰囲気があり、静かで気持ちがいい。新緑の時期は特に綺麗で、気持ちがリセットできる。道はあちこちで二股、三股に分かれていて、登り、下りも自然のまま。地面には根のデコボコが当たり前。

その中を100%感じるままに走る

道の分岐に出会うたびに一瞬立ち止まり、自分がどっちに行きたいかを感じて選択する

何となく、それぞれの道の奥先を見つめて、行きたいという感覚が湧く度合いを確認する。これまでの傾向では、見たときにその先が見えず、なんとなく影がかかっている道に好奇心が湧いて、行きたくなることが多い。

今回もその好奇心に従ってルートを選択した。いつもなら、公園の先まで走って行くので何となくその方角に向けて妥協してルートを選択するけど、今回それは無し。

東に向かって走って行って、次は北へ登り、今度は西に向かい、南に下る。頭では「こっち行くと元いた方に戻るなー」と思っていても、好奇心を感じたのでそっちに行く。

しばらくそれを繰り返していると、公園内の9割方のルートは通った状態になった。普通なら選択しない方角も選択し、その選択をする自分の好奇心に「そっちかい!」と笑いながら無言のツッコミを入れることもしばしば。

そんな中、「またもどってるなー」と思って走っていると、向こうから走ってくるおじさんが目についた。

背は160ないくらいで、小太り、色白。水色のTシャツに赤いハーフパンツ。シャツインしてるので、お腹の膨らみが目立つ。髪は白髪の方が多くて頭頂部は薄目、50歳過ぎの様子。

なぜ目についたかというと、走り方が変だったから。

どこかコミカルで、ドリフっぽい動き。健康サンダルのボツボツを床に張って、その上を歩いてるような感じ。

そのおじさんは裸足だった!

裸足だから、足の裏が痛いのだろう。地面に注意を払いながら足を下ろす場所を確認しているが、それでも痛いらしく、下ろした足を直ぐに上げる。

地面を踏み抜かないから、ピョコピョコした動きになる。

おじさんはおじさんで、そんな動きを気にしているのか、縮こまって、周りの目を見ないようにしている様子。裸足に対する好奇の目を気にしたのかもしれない。実際、散歩中のおばさまの驚きと笑顔を誘っていた。

すれ違いざまに「おはよーございまーす」と挨拶をしてみると、「あ!おはようございます」と小さめに応じてくれた。

数十メートルおじさんと反対方向に行ってから、踵を返す。おじさんに対して好奇心が湧いてしまったから。

進むのが遅いおじさんには直ぐに追いついた。おじさんは山の登りに入ったところで、私の気配に気付いて道を譲る素振りを見せた。

私の方に意識が向いたので、その意識に合わせて、声をかけた。

私:「おはようございます。」
お:「あ、どうも」
私:「なんで裸足なんですか?笑」
お:「いや、ちょっと大会に出ることになって。裸足で走るんですよ。その大会」
私:「ヘェ〜! そんな大会あるんですね」

山を並走して登りながら、会話を続ける。
その間もおじさんはピョコピョコ。

私:「痛くないですか?」
お:「全然ダメですね」
私:「ですよね笑 私も少しやったことありますけど、無理でしたもん」
私:「なぜその大会に出ることにしたんですか?」
お:「お世話になってる社長の会社が協賛していて、付き合いで。その大会のコースも山なんです」
私:「そうなんですか」
 「どれくらい走るんですか?」
お:「7キロです」
私:「7キロですか! まあまあ、走りますね!」
お: 「そうなんです。だから慣らしとかないといけないんですけどね。まあ、頑張ってみます」
私: 「そうですかあ。まずは怪我しないように、頑張ってください」
お: 「はい。ありがとうございます」
私:「お邪魔しました!」

気がつくと山の頂上に着いたので、応援の気持ちを残してお別れした。

あ、すいません。この話、特にオチは無いです

好奇心を感じるままに走ったら素敵な出会いがありました、というストーリーが理想かも知れないですが、そうではありません。おじさんも素敵っちゃ素敵でしたけど。

でも、好奇心のままに行動していなかったら、いつも通りのランニングコースを、いつも通り往復して帰ってくるだけだったと思う。

素敵な裸足のおじさんにも出会わなかったし、声をかけようともしなかった。

そう考えると、私の場合、好奇心にしたがって行動するのは、新たな出会いや接点をつくるきっかけになるのかも知れないと思う。

それに、好奇心で動いている時は、基本的に楽しい。この先どうなるかが分からず、ワクワクする感じがある。

コーチングでは好奇心を大事にするようにかつて指導されたけど、私がコーチングを好きな理由の一つがワクワクするから。好奇心が源泉だった。

クライアントの方の内側に何があるのか、好奇心を向けて問いを投げていく。森の中の分かれ道や道なき道を一緒に巡って行くように。その先に何があるか分からないけど、ワクワクするから行ってしまう。そんな感じ。

読んでいただいている方にも、好奇心のままに少し冒険してみることをお勧めしたい。わずかな時間でいいので、その時間だけ好奇心にしたがって全ての行動を選択してみてください。

先が見えない怖さもあるけど、遊園地のアトラクションだと思って。


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