見出し画像

ビオトープにてマイマイカブリの捕食及び繁殖行動を確認


そういえば、ゴールデンウィーク前に庭のビオトープ周辺でヒメマイマイカブリの捕食&交尾を確認した事を思い出した。

あまりに俊敏で、まともに撮影できた枚数が非常に少なくなってしまった。

交尾中のヒメマイマイカブリのペア

2週間前に1個体を確認して喜んでいたが、まさかペアが揃っているとは…。

上記記事にも書いたように、このビオトープ周辺はカタツムリ及びマイマイカブリ在来個体群の自然な定着を目的として運用していたので、本当に感慨深い。
捕獲した個体を持ち込む事なく、周辺環境から自然に訪れてくれた。




交尾を終えた途端、メスが捕食していたウスカワマイマイを取り合う喧嘩が始まってしまったが、体格で勝りつつ最初にカタツムリに齧り付いていたメスは獲物をキープしたままオスを振り切り、茂みの中へ逃げ去る事ができていた。

残されたオスは、使用した交尾器ゲニタリア調子ポジションを整えるためか、交尾終了後も何度かそれを膨らませていた。

ヒメマイマイカブリ♂の
交尾器ゲニタリア
内袋が膨らんだ勃起状態。


また、オスはカタツムリの取り合いの際に付着した粘液によって、獲物を探そうとする際に見られるような若干の興奮状態にあった。触角を忙しなく動かしているため、分かりやすい。

このオスは本来、先程まで咥えていたカタツムリを探していたはずだが、その最中に出会ったチャコウラナメクジに触れた瞬間、突如それに襲いかかり捕食を始めた。

チャコウラナメクジを捕食する
ヒメマイマイカブリ♂
捕食中も勃起状態を維持している。

マイマイカブリはナメクジを食べないわけではないが、基本的にはあまり好む餌ではない。
専食対象であるカタツムリとは違い、口元に近づけても率先して捕食行動に移る事が少ない。(長期間巻貝を捕食していない場合はある程度積極的な捕食を行う。)

成虫幼虫共に野外での捕食シーンの観察は何度かあるが、カタツムリに対して見られる積極性は対ナメクジでは見られず。
カタツムリを捕食する際には防衛のために吐き出された粘液を必死に口元から取り除こうとする仕草が見られるが、乾燥に強いナメクジの粘液はそれ以上に粘ついているらしく、それを嫌ってかナメクジに対しては嗜好性が劣る。
昆虫の死体やミミズに対する嗜好性と同じく、カタツムリと遭遇できない期間の基本的な食事の延長という印象だ。何ならナメクジよりもミミズに対しての嗜好性の方が強い。

しかし、カタツムリの粘液が口元に付着した状態であれば、かなりの興奮状態を伴ったままナメクジの捕食を行うケースがある事が今回の観察で分かった。
今回の個体はナメクジを食べながらも、カタツムリの捕食を行っていると勘違いしている状態なのかもしれない。




次回、繁殖したマイマイカブリ幼虫を確認

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?