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庭マイマイカブリの襲来




帰宅後に庭を歩いていると、大きな影が地表を徘徊していた。
動きも大きさも明らかにオサムシ科のそれだったが、庭でよく見るクロナガオサムシの成虫が発生するにはまだ早いと思い、アオオサムシか何かだと判断して近づいてみる。
しかし、予想に反してその影の正体はマイマイカブリだった。
蒼く輝く細首(頭部から前胸部)を認識した際に、一瞬だけ思考が停止してしまったように思う。

この虫に出会えると本当に嬉しい。
長年見続けてきたので、野外で見かければ「ちょっと嬉しい」といった部類の虫だが、庭で出会えるとその何倍も嬉しい。

そういえば、昨年も一昨年も同じ場所でマイマイカブリを確認した。全てが半径10m以内で確認している。
20歳を越えて初めてマイマイカブリ幼虫に出会ったのもこの場所だった。

初めて出会ったマイマイカブリ幼虫
マイマイカブリ幼虫と
捕食されたカタツムリの殻


この虫は庭に雑草の刈り残しを施したエリアを作って以来、よく見かけるようになった。(刈り残しエリアに関しては以下記事参照)

そもそも刈り残しを行うようになった最初の動機は、この場所にマイマイカブリ及びカタツムリを呼びたいと思ったからだったはず。
子供の頃から庭で見かけていたが、かつてその頻度は非常に稀だった。カタツムリの生息も疎らだったためかもしれない。
しかし、国内外来種であるコハクオナジマイマイが自宅周辺でも分布を広げつつある事と、在来のウスカワマイマイが刈り残し箇所を中心に一定数定着した事でマイマイカブリの発見例が急増した。
数年に渡って同一箇所で見られるため、繁殖もしているのかもしれない。


直接触れると指にガスを噴射されるので、ロングピンセットで摘む。
これはセリアのハーバリウムコーナーで売られているので大量に買ってメンテや採集に重宝している。ムカデも安全に捕獲できるため、使用頻度が高い。

そこそこ蒼さの強い個体だ。
飛翔能力を持たず移動能力に乏しいマイマイカブリは各地でそれぞれの亜種に分化し、体色や体型には地域差がある。
前述のコハクオナジマイマイやこのマイマイカブリの体色の情報だけで在住県を特定できる者もいるはずだ。
自分自身、マイマイカブリ画像を投稿したフォロワーの在住都道府県を何度も特定できているので、更なる強者はそれ以上に特定能力が高いものと思われる。

それ故に、以前の採集日記で出会ったマイマイカブリは画像も上げず、持ち帰る事もしなかった。
同日に捕獲した希少種のポイント特定を避けるためだ。うっかり投稿を避けるために撮影すらしていない。


ちなみに、以前投稿したマイマイカブリ東北地方北部亜種『通称:キタカブリ』は、羽化直後テネラルの画像ではあるが以下のような特徴的な体色をしている。
それほどまでに地域差がある昆虫なので、在住県を公開したくない者はマイマイカブリを見つけても画像を投稿しない事を推奨する。

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