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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (February 2023)

SXSW2023も本当に楽しかった。また改めて別記事で書くけど、イベントに出演してくれたHeartwormsMandy, IndianaNight TapesSobsThala本当にありがとう。ぜひ日本のみんなにも聞いてほしい。

来年もやるぞ。

さて、今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

7ebra (Malmö / Sweden)

スウェーデンの音楽都市、Malmöで生まれ育った25歳の双子姉妹、InezとEllaによるインディーデュオ、7ebra。〈PMKSLM〉からデビューアルバムをリリース予定の彼女たちは絶妙なローファイテイストでインディーロックを鳴らすバンドで、Goat Girl辺りにも近しい気怠さを持ちつつも実にアメリカっぽさを醸し出したメロディーが特徴的。ファジーなベダルを踏むこともあるが、70年代っぽいムードを演出するレトロなシンセを弾くこともある。3曲目のシングルとして公開されたこの「I Like to Pretend」もどこか〈Saddle Creek〉辺りからリリースされていそうなアメリカンな要素が色濃く出ているのが本当に最高。シンセに関してはオーストラリアっぽいヘンテコな感じもあるし、3つの色しか使ってないけど、どの絵の具も別々のメーカーから発注しているかのような拘り感がある。

Carol (New York / USA)

NYCを拠点に活動中のSSW、Carolyn Flahertyによるプロジェクト、Carol。エモーショナルで力強く、そして美しい歌声を持ったインディーフォーク・アーティスト。イーストコーストには数多くの素晴らしいインディーフォーク系統のアーティストがいるけど、Carolはその中でも唯一無二の歌声を持っていると思う。とにかく脳内に直接訴えかけてくるような説得力がある。その歌は映画を見ている時とも、音楽を聞いている時ともまた違うことを考えさせられる。僕はこの曲の ”Catching helping healing / Holding calms your mind / Sighs and cries and laughter / You’ll listen for nothing for nothing for nothing at all ”というリリックが大好きだ。

Chalk (Belfast / Northern Ireland)

Northern Irelandの首都であるBelfastを拠点に活動中のRoss Cullen、Benedict Goddard、Luke Niblockによる3人組ポストパンク・バンド、Chalk。5月にデビューEPのリリースを控える彼らはUKの鋭いポストパンクを軸にしつつもGilla Band辺りのノイズサウンドと先月紹介したBrooklynのModel/Actrizとかにも通じるようなダークだけど身体を揺らせる要素を楽曲の中に取り込んでいる。プロデューサーにはNewDadJust Mustardの仕事でもお馴染みのRobocobra QuartetのChris Ryanを迎えて制作しているので、EPの仕上がりも超期待できます。

EVNTYD (Austin / USA)

テキサスはオースティンを拠点に活動中のJulián Berdeguéによるプロジェクト、EVNTYD。彼はBeach FossilsDIIVといった〈Captured Tracks〉系統のサウンドをほんのりベッドルーム風味な質感で鳴らすアーティスト。本当にこの手のアーティストは何人いても全部最高だ。彼の場合は軸としている〈Captured Tracks〉系統のバンドよりもSmithとかからの影響を感じさせるポストパンクっぽい要素が強いのが持ち味で、このブログでも紹介した札幌のVOLZOIとかにも通じる。EVNTYDはパンデミック禍にスタートさせた新しいプロジェクトとのことでまだまだこれからどう進化していくのかが楽しみですね。

Giallo (Tokyo / Japan)

2022年10月31日のハロウィンに結成されたデュオ、Giallo。東京を拠点に活動中の彼らがリリースした初音源「Put your hands up」はArctic MonkeyJimi Hendrixが弾きじゃくったみたいなパンチのあるギターサウンドからスタートする。ガレージバンドとプロフィールには書いてあるけど、他にもオルタナ〜グランジまでを感じる爆裂具合に不気味さを感じさせるアレンジがたまらないし、途中の2023年とは思えないほどに派手なギターソロも最高だ。まだ1曲しかリリースされていないので、今後の動きも要注目。ライブでは顔を隠してるみたいだけど、ヴォーカルの歌声はどっかで聞いたことあるよね。

Harper (Leicester / UK)

UKはLeicesterのsadieとmattによるデュオ、Harper。先日リリースされた2nd EP『spider』は2人のヴォーカルをミックスし時にはbedbug辺りを彷彿させるベッドルームサウンドを鳴らし、時にはインディーフォークを鳴らした作品で、カセットテープでリリースされているのだけど、まさにテープで聞きたい心地良いDIYサウンドが詰め込まれた素晴らしい作品だった。特に「Crawl」という曲はインディーフォークを軸にしたベッドルームサウンドをメランコリックに仕上げた楽曲で本当に透き通ったAlex Gかのようにソングライティングが素晴らしいのでチェックしてほしい。

How Yes No (Zagreb / Croatia)

クロアチアはザグレブを拠点に活動中のパンクバンド、How Yes No。個人的に初めてクロアチアの音楽にドハマりしたかもしれない。このHow Yes NoというバンドはメルボルンのPinch PointsやカナダのNeckingをはじめとしたガレージパンクが好きな人であれば間違いないと思う。詳しい情報は言語が読めなくてあんまりわからないけど、先日リリースされたデビューアルバム『Small Talk』は9曲入りで合計11分。マジで言葉不要ですね。パンキッシュな音楽が好きな人やDIY系統の地下パンク〜ガレージパンクが好きな人はマスト。マジで世界には知らない音楽ばかりでワクワクしますね。

sadie (Brooklyn / USA)

NYCを拠点に活動中のプロデューサー / SSW、Anna Schwabによるプロジェクト、sadie。彼女がリリースするエレクトロポップ〜ハイパーポップの間を突いたキュートでエモーショナルなポップサウンドはCharli XCXをよりエレクトロポップに近づけた感じのサウンドに結果的に仕上がっていて、いつ爆発してもおかしくないポテンシャルを持っていると思う。ヴォーカルのエフェクトのかけ方とかもちょうど良いし、〈PC Music〉やKero Kero Bonito辺りの音楽が好きな人にはまず間違いなく届くであろう。そしてよりエレポップ方面のChvrches辺りの音楽が好きな人にも届くポテンシャルもあると思う。

Scarlet Rae (New York / USA)

元々はLAでMILLYRose Dornといったバンドに所属してたSSW、Scarlet Rae。ヴォーカリストとしてのセンスはバンド時代で完全に証明されていたが、ソングライティングのセンスも抜群である。Soccer Mommy辺りを彷彿させるオルタナ〜シューゲイズを根っこに感じさせるインディーロックでスロウコア辺りからも影響を受けていることが伺える。まだレーベルはインディペンデントでやってるみたいだけど、すぐにでも良い感じのインディーレーベルとサインしそうだし、そうなったら直ぐにでも火がつくと思います。ちなみにアーティスト名を曲のタイトルにするの流行ってるけど、彼女は「Built To Spill」という曲をリリースしている。センス抜群。

Whitney's Playland (San Francisco / USA)

パンデミック禍にそれぞれ長いキャリアを持つInna Showalter(Blades of Joy)とGeorge Tarlson(Grandma’s Boyfriend)を中心に結成されたサウンフランシスコのインディーバンド、Whitney's Playland。Yo La Tengo辺りを彷彿させるインディーソングを中心に90sなオルタナからインディーポップまでを幅広く鳴らす。ファズを踏む曲もそうでない曲もヴォーカルInna Showalterの包容感のあるヴォーカルが落ち着きを与えてくれるし、デビューアルバムにして妙な落ち着き感とまるで3rdアルバムのような変なアレンジまでもが組み込まれている。

 上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

僕が運営している洋楽専門のオンラインレコードショップ〈to'morrow records〉もチェックしてみてください!

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オースティンを拠点に活動中のドリームポップ / シューゲイズ・バンド、Letting Up Despite Great Faultsによる来日公演ツアーを開催します!4月21日から東名阪回ります。

共演のバンドには、EASTOKLAB、softsurf、揺らぎ、Bertoia、17歳とベルリンの壁、BROTHER SUN SISTER MOONが決まっていて、本当にこの手の音楽ファンにはたまらないツアーだと思うので、ぜひチェックしてみてください。チケットはコチラで販売中。

Letting up Despite Great Faults

EASTOKLAB(Nagoya)

softsurf(Nagoya)

揺らぎ(Osaka)

Bertoia(Tokyo DAY1)

17歳とベルリンの壁(Tokyo Day1)

BROTHER SUN SISTER MOON


ライブハウスでの飲み代になります! Cheers!!!