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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (July 2022)

チェコとのBillowとのツアーがあったため大幅に遅れてしまいました....。(言い訳)Billowも本当に良いバンドで、新曲が出たので聞いてみてね。

今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

All lull wave (Chugoku and Shikoku / Japan)

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All lull waveというバンドは僕が大好きだった大阪のバンド、Balloon at dawnのフロントマンだった井口くんのソロプロジェクトとしてスタートし、最終的にはBalloon at dawnの元々のメンバー3人が再集結する形で『Breathing Archive』というアルバムを完成させたバンド。水にスッと溶けるようなドリーミーな音楽性を軸にしつつ、アンビエントやエレクトロニックなサウンドから更にはBon Iver辺りからの影響までを感じさせるまるで風のように自然に馴染んでいく音楽性が本当に素晴らしい。そして日常を飾らないような優しさのあるリリックは日本語詞の良いところを改めて感じさせてくれるし、Galileo GalileiBBHFが好きな人にもチェックしてほしいメロディーセンスも爆発させた大傑作『Breathing Archive』。懐かしさと新しさを同時に感じられる日本の素晴らしいアーティスト。

Art Moore (Oakland / USA)

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Boy Scoutsとしても活動しているTaylor VickとEzra Furmanのコラボレーターとしても知られているSam Durks、Trevor Brooksの2人による新バンド、Art Moore。70sを感じさせるようなレトロポップ的な要素を軸にしたバンドで、Molly Burch辺りの音楽性にFaye Websterのヴォーカルが合わさったかのような絶妙な仕上がりが最高。個人的にはレトロポップ的な要素が強いとはいえ、結構ガッツリとしたインディーファンにも刺さると感じるし、デビューアルバム『Art Moore』では、楽曲に寄っては少し80sを感じさせる楽曲も収録されていたりもします。やっぱり何度聞いてもヴォーカルが最強。

Eden Samara (London / UK)

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カナダはトロント出身、現在はロンドンを拠点に活動中のアーティスト、Eden Samaraは来日が決定したLoraine Jamesの『REFLECTION』という作品にもゲスト参加していたりするのだけど、その彼女のソロが立て続けに最高な楽曲をリリースしている。今回紹介する「Madonna」は夏の野外で聞きたくなる爽やかなハウスであると同時に抜群のポップソングでもある。メロディーが本当にキャッチーで少しR&Bからの影響を感じさせるヴォーカルワークやセンスも抜群。僕はマドンナではなく真っ先に宇多田ヒカルの顔が浮かんでしまったので、彼女のファンとかにも聞いてほしい。

Forever Honey (Brooklyn / USA)

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Brooklynに僕が好きだったQueueというバンドがいたのですが、5曲だけリリースして行方不明になっていて、悲しみに暮れていました。しかしなんとメンバーを一人増やしてForever Honeyという新しいバンドを組んでいました!やったぜ!元々前身バンド時代からBeach House辺りを彷彿させるドリームポップを鳴らしていたのですが、その辺りの面影を残しながらも、これまでにリリースしている楽曲を改めて聞いてみると、更にオルタナポップやジャングルポップ辺りにも力を入れたサウンドを鳴らしているようだ。全身バンドの時よりも更にノスタルジックを感じさせるメロディーラインと得意のドリーミーなギターサウンドのミックスが最高!

Freak Slug (Manchester / UK)

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マンチェスターを拠点に活動中のSSW、Xenya Genoveseによるプロジェクト、Freak Slug。2〜3年前くらいからペースは遅いけど本当に最高なベッドルーム系統のインディーポップを毎度リリースしていたのだけど、今年は結構ハイペースで楽曲をリリースしており、先日『I'm in love EP』という作品をリリースしたので今回このタイミングで紹介。〈Spirit Goth〉辺りのレーベルが好きな人ならまず間違いない少しチープな宅録ビートが最高なインディーポップを軸にプレイしているアーティストだけど、他にもソフトなR&Bテイストな部分も散りばめられていたり、楽曲によっては少しメロウでMen I Trust辺りが好きな人にも刺さると思うし、初期のClairoFLOOR CRY辺りのアーティストが好きな人にも問答無用に刺さると思いますね!

Fuzzybrains (Vienna / Austria)

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オーストリアはヴィエナを拠点に活動中のAmaliaとBenjaminによるインディーポップ・デュオ、Fuzzybrains。最新曲として公開された「Outside Again」はBeach Fossilsの『Somersault』が好きな人にチェックしてほしいソフトでドリーミーなインディーポップに仕上がっている。僕はこの最新曲「Outside Again」で彼らのことを知って、この曲ではBenjaminがメイン・ヴォーカルを努めているけど、今までリリースされた他の曲では男女ヴォーカルの割合が50/50くらいでよりオルタナティブでディープに潜り込んでいくような楽曲を披露していて、その過去曲はUKのポストパンクやダークウェーブのような楽曲が好きな人からThe xx系のサウンド、更にはBeach House系統のドリームポップが好きな人にも刺さる気がしていますね。

Kidswaste (Paris / France)

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フランスはパリのプロデューサー / SSW、Kidswasteがリリースした2nd EP『Colors of Your Heart』はタイトル通りにカラフルなエレクトロミュージックな作品に仕上がっている。浮遊感のあるドリーミーなエレクトロ・ポップからパリらしい1975と北欧とフレンチポップを足したかのような極上キラーチューンまで収録された最高の作品だと思うのだけど、その中でもNYCのアーティスト、Olivia Reidをゲストヴォーカルに迎えた「Time Is Mine」という曲は、もし僕が〈ULTRA JAPAN〉に遊びに行くとしたら一番かかってほしい曲かもしれない!マジでブチ上がるけど、安っちい感じがない!LAのパーティーで聞きたい!

Not In Service (Tokyo / Japan)

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Not In Serviceは7月に突如デビューEPをリリースした東京を拠点に活動中のインディーポップ・デュオ。この〈NEW ARTISTS OF THE MONTH〉でも結構な頻度で取り上げるようなWild Nothingをはじめとした〈Captured Tracks〉系統のUSインディーが好きな人にもチェックしてほしいんだけど、彼らの場合はメロディーセンスと日常に寄り添うような少しナイーブにも映るリリックの方向性がGalileo Galilei、For Tracy Hyde、ART-SCHOOL辺りの日本のインディーバンドからの影響を強く感じるため、上記で挙げたバンドが好きな人には特にチェックしてほしい。彼らの良いところはGalileo Galilei、For Tracy Hyde、ART-SCHOOLから影響を受けて出てきてるなってバンドはたくさんいるけど、その中でも満遍なく全体的に影響を感じさせる所ですね。この手の日本のアーティストでは少し宅録要素は薄いけど、Happypills以来に特にビビっと来たかもしれません!

Two Shell (London / UK)

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今年のグラストンベリーにも出演し、〈Boiler Room〉では満員のパフォーマンス、更には最新EP『Icons EP』がPitchforkでBNMを獲得するなど、今年エレクトロニック系統のアーティストの中で一番話題になっていると言っても過言ではない覆面系のエレクトロ・デュオ、Two Shell。個人的にも今年ブチ上がった新譜の中に間違いなく彼らの作品は入るし、昨年Bicepがリリースしたアルバムに続き、UKのクラブシーンは表舞台から既にヤヴァイ!と再確認させられた。テクノやサイバーパンクにハイパーポップの要素を少し取り込んで構成された2020年代の最新ダンスミュージックだと思うし、SOPHIEJamie xxthe Prodigyも顔を出す多様性を持っている。彼らのサウンドの中には確かなアンダーグラウンドで実験的な攻撃性も見て取れるけど、それを超えてくる爆発力が一気にオーバーグラウンドへと彼らのサウンドを運んでいる要因だと思う。

Veps (Oslo / Norway)

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14歳のときに同級生の親友同士で結成したという結成話から最高なノルウェーはオスロを拠点に活動中のインディーポップ・バンド、Veps。彼女たちはまだティーンなのですが、既に〈Kanine Records〉からデビューEP『Open The Door』を丁度1年前にリリースしています。今回最高だなと感じた新曲「UFO」はHorsegirl辺りと同様に90sからの影響を感じさせるオルタナティブな要素を持っているものの、更に彼女たちは絶妙な脱力感で気怠いタイプの90sローファイインディーっぽさも表現していて、それが最高だ。Pavementも大好きなんでしょって感じがするし、北欧のバンドってだいたい北欧らしさが売りになってると思うけど、良い意味であんまり北欧感が無いのが面白いですね。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

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