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リアルな場をどのように進化させていくか。

8月の末、新潟で行われていた日本最大級の音楽フェス・フジロックを裏路地レモネードスタンド四畳半でずっと見ていた。毎年行っていた音楽ライブや夏フェスには、この2年間行っていない。こうやって現地で行われているライブをYouTubeで配信されているのを見るのが今、僕が音楽のリアルに触れる唯一の手段となってしまっている。画面を通じてでしか、触れることができない。触れているという表現が正しいと自信をもって言い切ることは難しいけど。

フジロックの開催の是非についてはSNS上のみならず、ニュース番組をはじめ、世の中で議論を巻き起こしているように見える。開催してよかった意見もあれば、逆の意見ももちろんたくさん見かけた。
ただ、どれもわかりやすい二項対立の構図になっているわけではなく、一方の気持ちもわかるが、今はそうした状況ではないという意見が散見されている。フェス主催者側、医療従事者側、それぞれの正しさも理解できる中で、それぞれがどう対応するかが問われているのだと思う。
フェスを中止すればいいというものでもなく、いかに開催するためにどうしたらいいかを考えたフジロックの意見にも賛同できるし、感染拡大を防ぐためには、今は大型フェスは開催するべきではないという意見にも賛同できる。

リアルな場を巡ってのグラデーション

今回のフジロックの開催についての是非は、単純にどちらが100%正しいかを決めることができないと思っている。何層にも折り重なったグラデーションの意見があるなかで、このテーマは動いていると僕は考えている。
そして、これはフジロックに限らず、リアルビジネスを営む人たちが注視しないといけない内容であると感じている。
フェスをはじめとしたイベントや僕たちのような飲食業などのリアルビジネスの在り方がコロナ禍以前と比較すると、社会や存在意義、手法が複雑化し、富士の樹海のように入り込むと迷い込んでしまう状況だ。ここでいう複雑化とは日本政府の政策や新型コロナウイルスによっての消費行動の変化などのマクロ分野と各個人・企業の中での対策や制度設計などのミクロ分野が相互的に絡み合っている状態のことを言う。
複雑化した社会の中にあるリアルな場を介在したビジネスは今の状況が続けば続くほど混沌に巻き込まれていくのは間違いないだろう。(もう巻き込まれているので勘弁してほしいが)現に、フジロックの開催を巡っても論理的にも感情的にも意見のぶつかり合いが起きており、さらに政策や制度などが加わることによって、状況を理解する難易度が上がってきている。これはフジロックという日本最大級フェスだから起きており、小規模の事業者は関係ないという話ではない。規模が違うだけで、構造は同じはずだ。
今の複雑化した社会の中で、リアルビジネスは徐々に真綿で首を絞められているのには間違いないだろう。

リアルな場は進化する

では、真綿に首を絞めつけられて、リアルビジネスは死ぬのか?といえばそうではない。リアルの場を求めている人多くいる。ただ、リアルに求めている中身がコロナ禍とは性質が変化してきていると感じる。

むしろ、リアルな場でしか体験できないことに対して価値が醸成され、より求められるようなムーブメントがやってくると思う。
そのムーブメントをいかに、リアルな場を求めている人たちと作り上げ、新しいリアルな場の価値を世の中に表現するかが問われていると思う。

今回のフジロックの開催においても、感染拡大防止という点においては課題も多く残っていると思う。だが、リアルビジネスを営む身としては、少なからずの希望の光となった。まだ、求めている人がこれだけ存在し、Twitter上でも今は我慢して、落ち着いたらリアルな場に足を運びたいというツイートもたくさん見た。これは希望だ。

今の複雑化した社会の中で求められているリアルな場の価値を、社会に提案することによって、リアルの場は加速度的に進化する。

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