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『ありったけ』の夢をかき集め

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タイトルはアニメ『ONE PIECE』(以降、ワンピース)の主題歌の『ウィーアー!』の冒頭のフレーズです。

曲そのものがテンションが上がるもので、聞いたことない人も一度聞いてみて欲しいです。
フルバージョンもありますが、ここでは敢えてアニメで使われたバージョンを掲載します。

(余談ですが、今見返すとルフィの父親もしれっといることに驚きです…)

この曲を聞いたとき感じたこと、それは「ありったけ」という表現です。

ありったけとは・・・
《「ありたけ」の音変化》
【一】[名]あるだけ全部。「有りっ丈の声を張り上げる」「資金の有りっ丈をつぎ込む」
【二】[副]可能な限り多く。できるだけ。思う存分。「力を有りっ丈出す」

引用:webloi辞書

「たくさん」でも「大量」でも「全て」でもない。
使われたありったけという言葉にウィーアー!やワンピースの想いを感じました。

今でこそ曲が浸透したので、たくさんの夢を~♪という歌詞になったら違和感しかないです。
出た当初であればたくさんなど他の言葉でもよかったのですが、ありったけという表現が素晴らしいと思います。

あるだけ全部と記載があるように、グランドラインなど大海賊時代に大航海に旅立つことを示唆するのにありったけは表現としてぴったりです。
ありったけという言葉を聞いたら『ウィーアー!』だと感じる人もいるくらいです。

歌詞にはなぜこの言葉が使われているのかと感じることがあります。
作詞者が伝えたいことは何か、アニメや歌手が歌うことで築き上げたい世界観とは何かを考えてみるのも面白いです。

次にワンピース以外に感じたものです。

それはドラゴンボールです。
ドラゴンボールのアニメで魔人ブウ編のOPとして使われた曲は『WE GOTTA POWER』


注目は冒頭
「ハチャメチャが おしよせてくる」
です。

ここで登場する"ハチャメチャ"という言葉はドラゴンボールの世界観にピッタリです。

はちゃめちゃとは・・・
乱暴・乱雑で、話の筋の通らないさまなどを意味する表現。騒々しい、甚だしいといった意味合いを含むことが多い。めちゃくちゃ、めちゃめちゃ、などとも言う。

引用:webio辞書

めちゃくちゃでも、めちゃめちゃでもなく、はちゃめちゃがぴったりくるのです。

その理由ですが、ドラゴンボールの世界観が大きいのかと思います。

ドラゴンボールは戦闘シリーズとして有名ですが、日常シーンも結構多いです。
この曲が流れる魔人ブウ編は冒頭がほとんどほのぼのした日常です。
天下一武闘会でもまだほのぼのがあり、魔人ブウを倒しに向かうところでいつものドラゴンボール感が出てきます。

そんなドラゴンボールを表現するとき、めちゃくちゃやめちゃめちゃより、楽しいことも悪いこともどんちゃん騒ぎでやってくる言葉としてハチャメチャが使われたと想像しています。

そう感じる理由は、めちゃくちゃもめちゃめちゃも音の開始がM(マ行)であることで、粘りっこさが出るためです。
方や、はちゃめちゃはH(ハ行)なので、すーっと駆け抜けます。
実際に言葉に出してみると体感できるのではないでしょうか。

歌う側としてもはちゃめちゃの方がいいやすいということも含まれますが、こういう世界観を大切にしているのは見る側として嬉しいなと感じます。

アニメのOPなんて…と思わず歌詞もしっかり見てみると色んなことが見えてきます。


ちなみに、先ほど紹介したWE GOTTA POWERではこのような歌詞があります。

「夢中になれるものが いつか君をすげえやつにするんだ」

心に響く言葉ですね。

では!




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