妻の小言

妻は小言が多い。

本人は気付いていない様子だが、小言の量は明らかにその日の気分により上下している。機嫌の悪い日は小言の嵐になる。

もちろん俺も小言は言うが、一週間に一度程度。それもかなり気を遣った表現で伝えるようにしている。具体的な内容は、例えば、「ゴミをそこらへんに放置するのをやめられないかな?」といったもの。

妻は絶対に謝らない。それどころか、あたしが欲しい場所ゴミ箱がないのが悪いと言い出す。幼稚だよな。

そして今日。

今日は妻の機嫌が悪く、定期的にやってくる小言の日だった。

話は変わるが妻はほとんど家事をやらない。掃除洗濯料理に皿洗い、子供二人へ食事を食べさせるのも寝かしつけもやらない。いつからこうなったのかな。妻にはちゃんと家事をやって欲しいと言い続けてきた。だが、あの人は継続的な努力が苦手なんだわ。そのうちサボりがちになり、ついにはやらなくなった。今かろうじてやっている作業、保育園の用意ですら徐々に俺にやらせるようになってきた。

妻は仕事はしている。だが、月五万しか金をいれてくれない。時短しているはずなのに、帰りは遅い。朝の出勤時間も遅いはずなのに、ギリギリまで寝ていて、バタバタと起きては機嫌悪く支度をしている。

そんな日々の中での小言嵐は、さすがに堪える。いつもは我慢して無言で従う。そうしないと妻の機嫌が悪くなり、悪態をつき始めるからだ。はいはいと従う。でも今日は無理だった。

俺は子供二人と大人二人の夕飯を作っていた。同時に洗濯と掃除。俺の夕飯は立ち食い。その後お風呂からあがってきた下の子のお着替え、夕飯食べさせ、食後の絵本読みをしていた。1時間半の作業だったが、その間の妻はずっとお風呂。

風呂が上がってきた妻は、絵本を読み聞かせている俺にいきなり小言。お疲れ様、ありがとう、等々の言葉なんて期待していない。だけど、いきなり小言は無しだよな。

「いきなり小言は辛いからやめてくれないかな?そもそも今日は小言ばかりだしさ。ちょっとは気をつかって欲しいよ。」

ムスッとしてソファにグデーッとふんぞりかえる妻。いやいや、不貞腐れるヒマなんて我が家にはないのよ。「そうするならさ、自分の食事済ますか家事やるかどちらかにしてくれない?」そう言うと、妻は無言で部屋にこもった。部屋からはドタバタと何やら大きな音がする。ものにあたっているのだろう。まあこれもいつものこと。

30分後、妻を呼びに行った。「子供二人見れないから、早く来てくれない?」と。妻はリビングに来て、俺が作った夕飯を食べ始めた。それから1時半もちびちびと夕飯をつまむ妻。

その間俺は洗濯したシーツをベッドにセッティング、服を畳んで収納。食器洗い、子供の相手、床の掃除。

妻は夕飯食ったら下の子と寝た。9時くらいに。

今俺は上の子の遊びに付き合いつつ、残った家事をこなす。

全体的に子供の相手が多い。その間にチャチャっと家事をやっている。だから子供も俺に懐く。上の子は完全にパパっ子。トイレにもどこにでもついてくる。俺が下の子の寝かしつけをしていてもついてくるので困る…父親としては幸せだが。だけど、その間母親は何やってんだ?ってこと。

大抵ソファでテレビ見ながらスマホ。

下の子も、最近ようやく気付いてきたのか、父親のほうに抱っこ抱っこと走ってくるようになった。

なんでこうなったんだろ。

妻は母親として悲しく思わないのかな。




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