散文集:記憶達「お面」
記憶:お面
小さい時に行った神社でちっちゃな祭りがあって、狐のお面をした人が伝統音楽演奏者の人たちと舞をしていた。
その時自分は太っているのと鼻水を気にしながらも、その和風な感じと狐のひょろっとした感じに惹かれて自分も前に出て踊り出したら一緒に踊ってくれて、なかなかに面白かったし嬉しかった。
演奏と舞が終わった後にその狐のお面をかぶっていたお兄ちゃんが神社の端っこで座って休憩してた。
また少し恥ずかしかったけどちょっと話に行ってみたら、何聞いたらいいのかもよくわかんなくて、「本当に狐なの?」みたいなこと聞いていた気がする。
「何がしたいの? 大人になったら」と聞かれた。
「一緒に踊ってくれてありがとね」とも言ってくれた。
若くてちょっと冷たい感じのお兄ちゃんだなと思ったけど、それはその時その人が疲れていたかもしれない。
その人はその時バイトだったのか、ボランティアだったのか、それともそういう仕事なのかは分からない。
今何してんだろってふと思った。今の自分よりも少し若い年齢だったかもしれない。
何をしてんだろ、今、その人。ふと、和楽器バンドを見てて思った。僕は和楽器バンドにハマってます。
2020.11.Canada
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