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【Shinkaレポート】1.エキナカ×お菓子

店舗・スタッフの取り組みをきちんと評価し、さらに良くするためのヒントをお伝えする店舗調査。「Shinkaするための接客レポート」を提供しています。Shinka lab株式会社、ともねです。

2023年秋冬の接客調査を実施しました。
都内近郊の24店舗、「親へのギフトを検討中」という共通ニーズで訪問しています。


エキナカ×お菓子 好ましい接客の特徴は?

エキナカの商業施設でお菓子を販売する、4店舗に伺いました。
立地は、 利用客が非常に多い駅の通路沿いのお店、コンコースに多数の店舗が集まったエリアのお店、完全に独立したお店と、さまざまです。

各店舗の「ここは良かったな」という点を抽出すると、「スピーディーさ」「明確さ」という点に集約されていました。

挨拶・声出し

◎「どうぞ、(店名)の(商品名)のご紹介でございま~す!」
◎「(店名)でございます、いかがでしょうか~。可愛い〇〇の(商品名)~…」
〇「いらっしゃいませ~お決まりの方からお伺いしま~す」

一般的にお客様は、エキナカでのお買い物のときに、デパ地下とは違うスピード感を求めているものです。
「これを買おう」と決めているお客様、「ざっと一通り見て、良さそうなもの選ぼう」というお客様、いずれも足早に店舗をご覧になります。

カウンターや店舗が密集したエリアであれば、特に「自店に気付いていただく」ことが第一歩。ブランド名や、商品名を伝える声出しは、お客様のスピーディーな情報収集に役立ち、さらに足を止めるきっかけ作りにもなっています。

またお客様の動向に応じた「お決まりの方から」といった、店舗側の状況を伝える声出しも、とても効果的です。(行列の最後尾を伝える声出しも同様です)

ニーズ確認~提案

商品提案、提案にもスピード感と明確さが求められます。丁寧にニーズを聞き、複数候補からゆったりと検討する時間そのものを楽しむ、デパ地下の接客とは少し異なると言って良いでしょう。エキナカの場合、お客様の好みやニーズをある程度直接的に聞くことがポイントです。
特に、良い接客を受けられた2店舗の例をお伝えします。

【店舗a】は、明確な「メイン商品」があるお店でした。
そのため、最初に目を止めた商品から必要以上に迷わせず、会話の中で、おいしさ、手土産としての食べやすさ、賞味期限、さらに「全国にここだけ」といった、決定打になる情報をスムーズに伝えていました。
迷いそうなポイントを率先して解消するため、不安なく購入決定をすることができます。

【店舗b】は、メイン商材の味のバリエーションが豊富で、それらを様々なパターンで組み合わせたギフトが用意されているお店でした。
通路に向けた声出しに反応して、少し歩調をゆるめると、すぐに「3種類、4種類、5種類で用意したものがございます」とタイミングの良い声掛けがあり、自然に足が止まります。
そこから、こちらの関心に合わせて「味・おいしさの違い」→「サイズの違い」→「人気商品」と、お店全体の様子を把握できる説明がありました。
その後、こちらが伝えたニーズや「定番はどれ?」と尋ねたことを踏まえて、「定番+人気商品」の組み合わせギフトを提案しており「これ以上迷う余地がない」と感じる対応でした。

「これでいいか」の手土産から、「納得」のギフトへ

エキナカの店舗は、「お客様のペルソナ」をある程度想定しやすく「基本的な接客パターン」を作りやすいと言えるでしょう。一方、短い時間で即決されるお客様も多いことから、「情報を一方的に提供するだけ」の接客になってしまう危険性もはらんでいます。
商品提案のストーリーを軸として持ちつつ、お客様のさりげない一言、会話の様子から、スピーディーに、明確にクロージングへとつなげていく技術が求められるのです。

今回、例を挙げた2店舗は短い接客時間ながら、贈る相手に「この商品はね~」と語れる「楽しさ」まで提供していました。
自店舗の商品、立地で、お客様にどのような「価値」を提供できるのか。
ぜひ、多くのブランド、店舗で検討していっていただきたいと思います。

Shinka lab 株式会社


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