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植物の魅力

数年前に草に魅了され、今もSNSのプロフィールなどでこっそりと草好きを名乗っている。

きっかけになったのは家の近くにあった古本屋で見つけた
稲垣栄洋著「雑草手帳」
だった。

よく行く本屋だったのだがその時はたまたま植物のコーナーが設けられていて、なんとなく手に取り面白そうだったので買ってみたのだが、それが自分の興味に深く刺さった。

雑草手帳には写真と科名学名・花期などの他に名前の由来や歴史上で何らかの価値を持っていたことや、人との歴史、食べ方など、それぞれの草の物語がかかれていた。

面白くわかりやすく持ち歩きのしやすいサイズで、この本を持って街に出てみると道路の脇にタイルの隙間に、数え切れない「命」がはびこっている様が見えてきた。

草は身近にある野生の生命体であって、なんというかとにかく命が丸出しなのだ。
根から毒を出す草、草の上を陣取り日光を独占するツタ植物、昆虫との共存関係…
各種に生存戦略があって、その戦法は色々だがはっきりと目に見える形で多く存在している。

知識を得たことで命の輪郭がはっきりと自分の目に飛び込んできた。
草たちの生命力に飲み込まれそうな心地になった、山籠りするサバイバル動画が好きでよく見ているのだが、自然の恐ろしさは山だけに留まらず地続きに都会にも沢山潜んでいる。
空き地や廃墟のように人の活動が無くなれば草は広がり、世界を飲み込んでいくだろう。コンクリートの下に潜む種が適した環境になるを待っている。どこか望んでいる自分もいる、飲み込まれてしまいたい。
都会にいても自然の脅威を、人の意と反し道端に勝手に咲く草花から感じている。


草は遺伝子を残す命の道をひた進む。何をすべきかよく知っている。
その姿は時に恐ろしくも健気にも見え、驚異で清く、日々憧れの眼差しを送っている。

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