女齢30前にして、ハワイ1人旅10日間に行ってきた時の話。
noteを書き始めた理由は、どこかで自分の気持ちを綴ることをはじめたいと思ったから。
新しくはじめるその日までに、今までの私を振り返って、今立つ位置まで、気持ちと体を追いつかせなければ、と思ったから。
2015年10月、テレビに出てから、私のリズムはやっぱり変わっていたと思う。ヒビノケイコさんに言ったのだけれど、期待される自分と、見せたい自分と、本当の私。少しずつ距離ができて、苦しい箇所が出てくる。
土台は幸せなのだからと。自分が好き好んで選んだことばかりに囲まれているのだからと。そうは言っても、1日は24時間しかなくて、今週も来週も、締切はやってくる。
締切が辛いのではなくて、締切があると、それしか考えられない自分。
突き進むことだけは得意だから、目標があると、そこにまっすぐ向かえる。逆に言えば、目標があるときは、余計なことが、できない。
最初の1ヶ月、2ヶ月、半年、1年はそれでもよかった。
1年と5ヶ月、1年と6ヶ月、それくらいを過ぎる頃には、「あれ? おかしいな?」と思う時間が、増える。
私の意識の中には小学生の頃聞いた話で、もう誰が言ったのか覚えていないくらいなのだけれど、はっきりと息づいている考え方があって、
「今日の差は1ミリだとしよう。でも、それが1日、2日、1週間と重なって、ついにはそれが数年単位で過ぎたとしよう。気がついたときには、その差が数メートル、数キロになって、もう取り返しのつかない距離になっている。
今日の少しの差を、あなどってはいけない。毎日の積み重ねが、君を遠くに連れて行ってくれるのだから」
みたいな話……。
日々の積み重ねは非常に重要である。けれど、寝る間を惜しんでまで、なにかを圧迫してまで、大切な人との時間を削ってまで、日々ヒビ小さな石を積み重ねることに、何の意味があるだろうか。
疲れている、という言葉が私はあまり好きではない。できれば言いたくないし、可能な限り「疲れていること」をいろいろな現象の言い訳にしたくはないのだけれど、
「心と体が疲れているな」
さすがにそう感じることが、あった。溜めて、言えなくて、でも吐き出さなければと思ったときに、言葉よりも体がSOSを出し始めた。
生理が止まったり、かと思えば出血したり。いろいろ、いろいろ。
さらにいろいろ考えて、でももう考えることができなくなりそうだったから、私はみんなと相談して、2015年の冬に、10日間ほどのおやすみを頂戴することにした。
今日書くのは、ウェブの世界から少し離れて、ハワイのオアフ島に、ひとりで旅をしてきたときの日記の写し。
自分が疲れているのを知っていたから、一度訪れたことがある場所で、なるべく暖かく、穏やかで、何もせずに過ごせて、かつ心が少しだけでもときめくトコロに行こうと思った。
何もしなかったけれど、日ざしを浴びて、夕暮れを見て、朝焼けと共に起きて、海を見ながらヨガをして、イルカに会って、美味しいごはんを食べ続けて。陽と共に生きることのヨロコビを、齢30前にして、なぜかひとりで堪能する。
今思えば謎の旅だ。なぜ10日間もあったのに、地球の裏側せめてメキシコのカンクンあたりまで飛ばなかったのか。
分からん。分からんぞ、前の私。
でも、それくらい何も考えたくなかった。一度すべてから離れて、静かな場所に移動して、もう一度俯瞰してアタシを見る目を、取り戻してみたかった。そうでないと、あとは逃げる選択しか、できなかったんじゃないかと思う。
ワガママ姫か。
では、つまらないけれど私の手書きの日記の書き起こしを、どうぞ。
***
2015年◯月☓日
7:30頃 ハワイオアフ島に到着。
エアポートシャトルに乗って、ワイキキへ。
コンドミニアム&ホテル マリーナタワーのロビーは思った以上に南国感。
もっと古いかと思っていたけど……うれしい。
荷物を預けて、ワイキキのビーチへ。
朝ごはんはラニカイジュースのアサイーボウル。
ビーチ沿いを歩いて、ハレクラニ。ロイヤルハワイアンセンターを越えて、モアナサーフライダーへ。
きたことある。懐かしい。
ハワイは、とてもキレイだ。絵に描いたようなリゾートで、気候も、ちょうど良い。歩くだけでは汗をかかないけれど、日ざしはとてもあたたかい。
真夏の夜の風の心地よさが、昼間にもあるかんじ。
日本人もたくさん。お店にも日本語がたくさん。
いつもならもっと冒険がしたいけれど、今回の旅に限っては、安心で、うれしい。
***
お昼ごはんは、少し早めに11:30頃。
ワイキキビーチの一番奥まで歩いて、ことりっぷに載っていたハンバーガーを。ABCマートで買った水と一緒に、ビーチ沿いのベンチで。
トロリーに乗る。JCBカードがあると、無料なんだ、ほんとに。
前きたときは、誰か乗ったのかな。新婚旅行だったから、移動は車だったもんね、とか思い出して少し笑ったり。
(注記:大丈夫です、まだ健在です、旦那は。笑)
13:00くらいになると眠すぎて、つらくなってきた。まだ日本は朝8:00。
ABCマートでゴザが売っている。(ゴザって日本語通じるんだ。驚愕)寝っ転がれる大きさのものを、ひとつ。ふちはピンク。ヒルトンワイキキビレッジの芝生で、少しだけ眠る。
ヤシの木陰で、日ざしが動くのと一緒になって、私も動く。
海を見ながらストレッチ。
そう、こうゆうことがしたかった。
ファーマーズマーケットに行ったり、サマードレスのウィンドウショッピングをしたり。マラサダの3ドルのドーナッツを頬張りながら、17:00くらいにホテルへ。
眺めがよくて、驚いた。
39Fのこの部屋で、数日後の朝まで過ごせる。
私の心、元気になって。
つらいこと、忘れて。
この1年、何をしてきた?
この1年で手に入れたものと、失ってきたものは?
これから先、何をする?
何を大切にしていく?
どうしたい? どう生きたい?
まだ分からない。まだ分からないよ。
まずは、気持ちと体を一緒にしよう。
***
日記もポエミー……。手書きもポエミー……
ポエマーになりたいのだろうか……。
こんな感じの日々を3、4日間繰り返したあと、私はレンタサイクルをしたり、野生のイルカに会いに行ったり、ウミガメと泳いだり、日本で待っていてくれる人たちそれぞれの顔を思い浮かべながら買い物をしたり(一番高い買い物は確かミネトンカ。安! あ、でもイルカと泳ぐために1万5千円くらいかかったか)、した。
何もしなかった。
オアフ以外、何処にも行かなかった。
けど、帰国後、元気に向かっていく準備はできた。と思う。(そりゃそうか、ハワイにひとりで行くってアンタ)
なんという自分勝手。
なんというワガママ姫。(姫?)
でも、人生でこんなワガママに生きられる時間は、たぶんとっても短いと思うんだ。あとから振り返ったら、この1〜2年なんじゃないかと思う。
許してくれる環境や、許してくれた人たち全員、見守ってくれて、行ってらっしゃいと笑ってくれた友だちたちに頭を下げたい気持ちだけれど、このときばかりはもう傲慢になりきって、「いままで頑張った私に少しだけご褒美」と、雑誌のコピー丸借りしますみたいな気持ちで、えいやっとハワイに行った。
だってもう、円形脱毛症とかいやだもの。PCの見過ぎで、飛蚊症みたいになるの、いやだもの。
がんばることと、バランスをとることは私にしか調節がほんとの意味ではできない。
いい会社にいるんだから、私はもっといい感じに働くことを、極めてみよう。
ということで、今は元気だよ、という話。
いつも遊びにきてくださって、ありがとうございます。サポート、とても励まされます。