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「好きなレンズは、素敵な景色に連れていってくれる」まるでお気に入りの靴みたいに。

「写真を始めたい」と思った時、「どのカメラを持ったらいいか」と考えるのは、写真好きの永遠の命題な気がする。

けれど、写真を始めて数年が経った今思うことは。もちろん「カメラ=ボディ」の話も大切すぎるほど大切なのだけれど、「大好きなレンズに出逢えるかどうか」も、写真を楽しむライフには欠かせないのではないだろうか、ということだ。

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NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

レンズは、当たり前だけどモノによって全然違う。

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NIKKOR Z 85mm f/1.8 S

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NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
桜の写真は、同じ日・同じ時間帯に撮ったものだけれど、寄りが得意な単焦点レンズと、引いて撮れるズームレンズでは撮れる景色が全然ちがう

ちょっぴり変な話に聞こえるかもしれないけれど、なんだか、「レンズって靴に似ている」と私は想う。

23センチ、24センチ、25センチ、26センチ。S、M、L、とか。ある程度の規定サイズはあるけれど、同じサイズだとしても、ブランドやモノによって履き心地って全然違う。

だからまずは試してみて、「なんだかぴったり」を探しにゆきたい。何より大切なのは、「私の足にフィットするか」、つまり「心地いいか」だと想うから。

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NIKKOR Z 85mm f/1.8 S

あとは、一口に靴といっても、サイズのほかに種類もたくさん。

たとえば、仕事先に履いていけるオフィシャル靴、友だちとピクニックに出かけるためのカジュアルスニーカー、誰かに追いつきたいハイヒール、海に駆け出したいビーチサンダル……。

シーンによって「ぴったり」や「正解」は変わるから、「この一足だけ」じゃなく、できれば時々に合わせて自由自在に選べたらとってもいい。

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NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

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NIKKOR Z 85mm f/1.8 S

「いい靴は、素敵な場所へ連れていってくれる」と教えてくれたのは、東京は蔵前にお店を置く、イスラエル靴ブランドの「NAOT」だったけれど、レンズもすこし、それに似ているような気がしてね。

いい靴は素敵な場所へ連れて行ってくれる。
この靴がそんな素敵な旅のはじまりになりますよう。
NAOT」公式サイトより

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NIKKOR Z 85mm f/1.8 S

レンズはきっと、「世界のどこを美しいと感じたいのか」という「私の潜在意識と視点」を増強させてくれるモノ。

撮りたい対象、撮りたい日の気分、私をワクワクさせてくれるか、世界とどう向き合うのか。私がキリトル世界の輪郭。そのよき相棒になってくれるのが、ボディはもとより、レンズという存在なのかもしれないと。

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NIKOR Z 24-70mm f/2.8 S

そして最近の私は、「自分にぴったり」がわかった上で、目的や被写体、その日の状態や気分によって、いくつかのレンズを使い分ける。

最初から「このレンズがすき」とわかっていたわけではないけれど、様々な種類を実際に使ってみた結果、「画角=レンズが写す広さ」が自分のカラダに染み付いて、そして「このシーンならこの子がいいな」と感覚的に「使い分けられる」ようになっていった。

手に取るレンズを変えるたび、目の前には同じ景色が広がっているはずなのに、「見たい世界」がどんどんとその表情を変えていく。一瞬しかないそのシーンを、どの画角で捉えようかと悩む時間は、写真好きならではの幸せだ。

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NIKKOR Z 85mm f/1.8 S

たとえば最近揃えているのは、こんなレンズたち。

NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

星を撮るなら広い画角で。空間を広く写したい旅先自撮りも、誰かと一緒の記念写真も。

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NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

相手との距離感を、そのままに。見たまま、世界を美しく切り取ってくれて、花やモノを手にとって撮ることも、お手の物。

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NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

F値の話を始めてしまうと、すこしややこしくなってしまうのだけれど、圧倒的なボケ感が得られるF1.2の単焦点レンズは、夢の中にいるみたい。ここぞ、というポートレートで使いたい……。

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NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

広い外観も、ホテルの内装も、誰かとの一瞬も、近づきたい世界にも。これ1本で、なんでも撮れる。何本も持ち歩かなくていい、「ただ1本だけならあなたを選ぶかもしれない」という私にとっての万能レンズ。

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NIKKOR Z 85mm f/1.8 S

けれどやっぱり、85mm。このレンズを持つだけで心が浮き立つ。光をたっぷりと取り込むニコンの純正は、のぞくだけで世界が一段階美しく映る。

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85mmという数字は、「レンズの常識」がもしあるとしたら、「万能レンズ」ではないのだろう。

けれど、ただ「便利」とかではなくて。「私の日常に彩りを加えてくれる」レンズに出逢った。同じ被写体を、同じ角度から撮っても、ほかのレンズとなんだかどこか、違う気がして。

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とくに、年中旅をするライフスタイルを変えて、沖縄で暮らすようになってから、よく撮るようになった花の写真は、必ず85mmでと決めている。

ファインダーをのぞいた先で、「花と目が合う感覚」を私は得るのだけれど、ほかのレンズでその感覚に出逢えたことは、未だない(多分気のせいだと思うのだけれど、いいの、レンズ選びは自分を幸せにするための自己満足であってもいいのだ……!笑)。

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好きなレンズに出逢えたなら、撮影という体験がもっとずっと楽しくなる。

「どれが正解」とかではなくて、恋をするように、お気に入りのレンズに引き合わされていく。そして、その「見つけた」レンズたちを「選ぶ」楽しみを知ることができたなら、写真の幸せの裾野はきっとぐっと広がる。

「好きなレンズは、素敵な景色に連れていってくれる」と信じている。それはまるで、お気に入りの靴みたいに。

様々なレンズに出逢うための、16日間のレンタル付きカメライベントを、写真と写真を中心とした「表現」と「表現する人の想い」をお届けするカメラとトラベルのライフスタイルマガジン『GENIC』さんと、Nikonさんと一緒に企画・進行しています。2021年3月はレンズの体験・撮影イベントも実施。そのレポートも、書きたいな。



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