見出し画像

75.カナヅチで水泳大会出場その3

小学6年生の夏休み。突然泳げない者は学校代表として町の水泳大会に出場ということになり、顔面蒼白。毎日午前はスパルタ式練習。必死の思いで学校プール25M泳げるようになりました。

大会前日、私達出場者は教室に集められました。先生から、「もし25M付近の最も深い場所で立ちたくなってしまったら、慌てず水底に立つ。そして軽く上にジャンプして泳ぎ出すこと」という説明が、板書付きで行われました。恐怖です。何がなんでもそれは避けたい…。

未知なる50Mプール。

当日、大会プールで注目したのは、ど真ん中の25M付近に「水深1.5」と書かれた文字と、飛び込み台。立つ所だけ一段高くなっていました。震えました。

いよいよレース。私は一番端のコースで無我夢中で泳ぎました。体力が無くなっても何がなんでも一生立つまい。長い時間が経ちました。
…泳ぎ切りました!周りを見ると、相当遅かったのかプールにいるのは私だけでした。

私は50M泳げた!

心も軽くなって、嬉しくて嬉しくてたまりません。自信にもなりました。カナヅチ軍団は全員やり遂げました。この後怖〜い先生が奢ってくれたアイスの味は格別でした。

小学6年生の夏休みは、今までとはだいぶ違う刺激的な夏休みになりました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?