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魚を与えるか、魚の釣り方を教えるか

キャリア共育デザイナーの赤井友美です。
色々なプロジェクトに関わらせていただいて、忙しくなってしまいまして、久しぶりの投稿です。

私たちは「魚を与えているのか」「釣り方を教えているのか」

老子の格言で『授人以魚 不如授人以漁』という言葉があります。

「飢えている人がいるときに、魚を与えるか、魚の釣り方を教えるか。」 という意味で、「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」という考え方です。

これ、全てのことに通じるなぁと思うのです。

ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、私たちは1日に最大で3万5000回の決断を下しているそうです。

  • 「これなに?」と子ども聞かれて「●●だよー」と答えた方がその後色々聞かれなくて楽です。

  • 「これ何言ってるかわかんない」と質問してきた生徒に「つべこべ言わずに覚えろ」と言えば、とりあえず納得してもらえるかもしれません。

  • レポートで困ったら、Googleでググってレポートをまとめる。そしたらその場はしのげます。(最近は「レポートの剽窃&コピペチェッカー」サイトまでありますね)

  • 仕事で困ったら、周りの同僚や先輩に聞いてその通りにやれば、問題ないかもしれません。

日本において、こういうことって「ゆくゆくは本人が気付くからいいんじゃない」という自己責任論に落ち着きがちですが、社会全体として「とりあえず目の前の解決すれば良い」とスルーすることは、「魚を釣れない人を増やしている」ことにつながっているのだろうな、と思います。

  • 「これなに?」と聞かれた時に、「なんだろうね?」「調べてみようか」と返せる心の余裕

  • 「これ何言ってるかわかんない」と質問してきた生徒に、概念的知識が理解できていないのか、手順などがわからないのか観察する余裕

  • レポートで困るのであれば、そもそも授業の理解ができていなかったかもしれないと振り返る内省力

  • 仕事の目的と手段を切り分け、手段を複数考える問題解決能力

など、本当はさまざまなものを置いてきてしまっていることを私たちは自覚する必要があるのだと思います。

子ども食堂を「魚の釣り方を教える」場に変えるプロジェクト

こんなことを考えた結果、子ども食堂を「ただ食を提供するだけでなく、一緒に調理をして料理を学べる子ども食堂」にするプロジェクトを立ち上げることにしました!

全国の子ども食堂が、食を提供される(魚を提供される)だけではなく、調理を一緒にして学べる場(魚の釣り方を教える)場になれば、その地域の関係資本も増えるでしょうし、子ども食堂にきていた子が余りものでご飯を作ったり、お母さんにご飯を作ったりができるかもしれません。

そんな社会になるといいな、ということで、料理研究家の皆さんとプロジェクトを大きくしていきたいと思いますので、興味ある子ども食堂の皆様、社会福祉協議会などの皆様、ぜひご一緒してください!

サポートありがとうございます。サポートいただきましたものは次世代プログラムを作るための設計費用として使わせていただきます。