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【リビング】リビング照明を選ぶ時、照明コンサルタントは何を考えているのか

リビングのあかりの計画。
何から考えたらいいのか。
どんな事に気をつけるべきなのか。
そんな疑問を解決していきます。

「明るさが必要なところに、適切な照明器具を配置する」
というのが照明プランの基本の考え方です。


今回は
「リビングダイニングの照明プランのつくり方」
をご紹介します。

まずは照明の種類のおさらいです。

次に、間取り図をよく見ます。

明るさが必要な場所は黄色の部分。

光が届かない緑の部分に補助照明を設けます。

1.お気に入りの照明を探しましょう 

まず、リビングから考えましょう。

私がお客様のプランを作成するとき、はじめに行うのが、

お客様が「素敵だな」と思う感覚を共有することです。

私の「素敵」とお客様の「素敵」が違ったら、
いい照明プランの提案はできません。

毎日生活をするのはお客様ですから、

その方が気に入ること、快適なことが
「いい照明プラン」の絶対条件
です。

ですので、

「Instagramやインターネットから『この照明素敵だな』と思う写真を選んで、どんどん私に送ってください!」


とお願いしています。

例えば、

Aさんというお客様が、

「この照明が気に入った!リビングに使いたい!」

とおっしゃったとします。

BeauBulleさんという
インターネットのインテリア雑貨店の商品です。

スポットシーリングライト。3980円!  

しかも、こういった照明は、

「引掛けシーリング」という、
電気工事をしなくても、自分で取付交換
ができます。

例えば、

お子様が大学生など大きくなり、
勉強は自分の部屋で行うようになれば、
リビングの役割は「くつろぐ場所」に変わります。

その時は、ペンダントライトに変えるのもおすすめ。  

照明を変えると、
どんな模様替えよりも空間を変化させてくれますよ。

話は逸れましたが、
スポットライト状のシーリングライトを
「リビングの中心」に配置します。

メインとなる照明は決まりました。

60W相当の電球で1~1.5畳の明るさがとれます。

4灯ついているので、約6畳の明るさは確保できました。

STEP2.光の色は部屋の使い方で決める

次にお客様に質問するのは、

「リビングではどんなことをして過ごしますか?」

ということです。

お客様Aさんが、

「夜お酒を飲みながら映画をみるのが好きです。
 妻は、まだ子供が小さいので一緒に遊んだり、
 リビングでお昼寝させることもあるみたいです。
 最近は、インターネットで自分で作った
 アクセサリーを販売しているみたいですね。
 ダイニングテーブルで作業していて、
 化粧もそこで行ってますね。」

とおっしゃったとします。

・夜は、お酒を飲みながら映画をみる
→リラックスできる落ち着いた明るさにできるといい


・小さいお子様がいらっしゃり、お昼寝をする
→しっかり明るくも暗くもできた方がいい

・アクセサリー作り、商品の撮影、化粧をする
→色味が正確に見える・作業性のいい光が必要


ということがわかります。

今の3点は
「お客様の生活様式」として
重要なヒアリング項目
となります。

それを叶えるために、照明プランを考えていきます。

光の色と特徴からおさらいしてみましょう。



ですので、Aさんのリビング・ダイニングでは、

奥様がアクセサリーを作ったり化粧をするとき
⇢「昼白色or昼光色」が適切。


特にモノの色味は、
電球色の場合、赤みがかってしまい正確な色で見えません。

アクセサリーをお客様にお届けしたときに、
「写真と実物の色が違う」
という事になってしまう可能性があります。

そのためモノの色味が正確に見える昼白色がおすすめです。
お化粧の色味も同様です。


一方、夜間に家族で食卓を囲むときや、
旦那様が夜、お酒を飲みながらくつろぐとき
「電球色」が適切。



数年前なら、
光の色を変えるならランプを交換する必要がありました
が、

今はLEDの進化が目覚ましい時代。

「光の色も明るさもリモコンやスマホで自由に変えられるLED電球」

が登場したのです。「調光・調色」といいます。



なんて便利!(私もリビング用に購入しました。)

1台で様々な生活シーンに対応してくれます。

このように1台の照明お気に入りの照明を探しましょう。

すっきりがお好みなら、埋込ダウンライトと間接照明で構成するのも素敵!


3.ワークスペースのあかりを考える



リビングで明るさが必要なのはパソコンカウンター部分です。

最近は
テレワークなど家で仕事をする方が増えているので大切ですよね。

ダウンライトを1灯取付けることも多いですが、
他の方法をご紹介します。

コンパクトなスポットライトを取付けることにしました。

左側から照らすことで自分の陰で手元が見えなくなるのを防ぐことができます。(右利きの場合)

PC作業だけなら、電球色でも問題ありませんが、

絵を描いたり、細かい作業をするようなら昼白色がおすすめ。

文字なども見やすいため、私は基本的に昼白色をおすすめしています。

収納棚を造り付け、下にLEDライトを仕込んでも素敵です。
明るく影ができにくいため、作業性もいいんですよ。


STEP4.テレビスペースはこだわろう! 

次は、補助として、テレビスペースに照明を設置します。



左の写真は8灯を中心に固めていますが、
テレビの置いてある壁が暗い
です。

右は5灯と数が減っているのに、
壁を照らすことで明るく感じます。


Aさんが選んだスポットライト照明でも、
左の写真のように壁まではしっかり照らせていないはずです。

視界に入る壁が暗いと「明るさを感じにくい」ので注意したいポイントです。



さらに、
夜お酒を飲みながら、部屋を暗くして映画を見る時

照明を消すと、
左の写真のように、テレビ画面だけの光になります。

テレビ画面って意外とまぶしいですよね。


しかし、右の写真ように、
テレビ画面と背面の壁の明るさを同じくらいにすると、
まぶしさを抑え、目も疲れにくくなります。




さらに調光器をつけて、
明るさをしぼれるようにすると臨場感が増します。

ホームシアターの完成です!

ダウンライトのほかに、
せっかくのご新築ですので、
間接照明(建築化照明)もおすすめです。

生活していて「テレビを見ている」というシーンは多いので、ぜひこだわりたいポイントです。


かっこいいですよね!

天井に切りこみを作り、
ライン上のLEDを隠して設置
しています。

ダウンライトで5000円以内、
建築化照明だと20000円くらいの差があるので、
ご予算によって選んでいきます。

個人的には、ここは投資のしどころかと思います!



Aさんは建築化照明にすることにしました。

これで、リビングが決まりました。

次回はダイニングです。

照明プラン相談のお問合せはインスタグラムのDMまで、お気軽にお問合せください。

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細谷友美
1986年生まれ東京都出身。
日本女子大学家政学部住居学科を卒業後、パナソニックリビングショールーム東京に就職。
4年間、照明、スイッチ、電気設備担当アドバイザーとして、数多くのお客様の住まいづくりに携わる。現在は、在宅にて照明コンサルタントをしています。照明計画を通して、素敵な住まいづくりのお手伝いができたら嬉しいです。
趣味:インテリア、整理収納、料理。資格:照明コンサルタント。



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