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馬鹿にしないでよ〜プレイバック Part2〜

山口百恵さん。
言わずもがな、昭和の大スター。

わたしが生まれるよりも前、1980年で芸能界を引退されているので、もちろん現役時代を知る由もない。
けれど、未だにその伝説が語り継がれています。

先日放送されていた山口百恵さんの武道館でのラストコンサート。
録画していた映像を観たのですが、もう本当に感慨に打たれてしまいました。

ああ、これがオーラというものか、
これが伝説の昭和の大スターか、と。

2時間ぶっ通しで、たった1人で歌い上げる。
ダンサーも、コーラスもなし。
自分以外にスポットを浴びる人はいない。

山口百恵さんの引退後この40年で、
映像、音響、舞台機構の技術は目まぐるしく発達し、現代のアーティスト達のライブは、それはそれはとても華やかで豪華です。

単純に比べてしまうと、1980年の山口百恵さんのこの引退コンサートはいたって、シンプル。
セリも、クレーンも、スクリーンもなし。
そこに、山口百恵さんがただ存在していて、ただお話しして、ただ歌っている。

それなのに、
それだからこそ、
とっっても引き込まれてしまう。
なんなんだろう、これは。

そして最も驚くべきことは、
当時、山口百恵さん、なんと21歳。

こんな21歳、います……???

楽曲の素晴らしさや、歌唱力もさることながら、一番驚いたのは、その落ち着きと、貫禄。

これは、もう何回か人生を経験しましたよね?人生5回目くらいですよね?と言いたくなるほど、達観しているんです。

不安や迷いを一切感じさせない、堂々たる存在感。

一方で、MCでは、結婚を控えたひとりの女性として、ありのままの感情を伝えている。

このなんとも言えないギャップに、わたしもあっという間に引き込まれてしまいました。

有名な曲は何曲かみなさんも知っていると思います。

いい日旅立ち

横須賀ストーリー

秋桜
etc.

特にわたしが好きなのは

プレイバック Part 2

Part 2ってなんやねん(笑)
って最初思いましたが、山口百恵さんのあのハスキーな歌声と挑発的な歌詞が相まって、大好きな曲です。

そして、
引退コンサートで最後に歌った、
さよならの向う側

この曲も大好きなのですが、
これはこれは、涙なしには観られません。

何億光年 輝く星にも 寿命があると
教えてくれたのは あなたでした
季節ごとに咲く一輪の花に 無限の命
知らせてくれたのも あなたでした
last song for youlast song for you
約束なしの お別れです
last song for youlast song for you
今度はいつと言えません
あなたの燃える手 あなたの口づけ
あなたのぬくもり あなたのすべてを
きっと 私 忘れません 後姿 みないで下さい

Thank you for your kindness
Thank you for your tenderness
Thank you for your smile
Thank you for your love
Thank you for your everything
さよならのかわりに

この最後の歌を歌い上げ、
持っていた白いマイクをステージの中央に置き、
舞台奥にすーっと去っていく。

名残惜しさも感じさせながらも、
「もうここでやれることはやり尽くした」
と言わんばかりの表情がなんとも言えません。

山口百恵さんは、その後一度も表舞台に出ることはありません。

その潔さ、キッパリとした生き方にも、カッコ良さを感じます。


プレイバック Part 2は、
その山口百恵さんのカッコ良い生き方が垣間見れて好きなんです。

キレイで美しくて、若い、当時この曲のリリース時には19歳の女の子。

その女の子が
「馬鹿にしないでよ」って歌うもんだからもう、そりゃあシビれますよね(笑)


実際、芸能界の第一線で活躍してただけあって、想像以上の苦い経験、葛藤、障害があったのだと思います。
きっと悔しい思いや、理不尽なこともたくさんあったでしょう。
それを想像できてしまうからこそ、
「馬鹿にしないでよ」
の歌詞が効いてくるのです。

芸能の道を目指さなくとも、仮にできる限り普通に生きようとするだけでも、まだまだ続く長い人生でこれからもいろんな障害はつきものだと思います。

そんな困難や障害や壁にぶち当たった時には、
プレイバック Part 2の山口百恵さんを思い出し、
「馬鹿にしないでよ」と言えるくらい
(いや、実際口には出さないようにします、穏便に笑)
自分の選択や自分の人生、自分の信念に矜持を持って歩んでいこうと思った、そんな時間でした。

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